2025/05/24 運動会の静かな誇り 〜“がんばった”に花丸を〜
2025/05/24
朝の空は、分厚い雲に覆われていた。
ああ、どうか最後まで雨が降りませんように——。
朝6時半過ぎ。
そんな祈りを込めながら、カメラとビデオの最終チェック。充電完了のランプが静かに光っていた。
外はしっとりとした曇り空で、昨日と同じような肌寒さが窓越しに感じられる。機材も気持ちも、昨日の夜からずっと「運動会」に向かって整えていた。
いよいよ、今日が運動会当日だ!
「そろそろ起こすか」
時計を見ながら考えていると、まもなく学校からのメールが届く。運動会は予定通り開催。ひとまず、ホッとした。
「羽織りものを持たせてくださいって連絡あったから、ちゃんと上着持ってね!」
長女に羽織りもの着るように促し、水筒やハチマキも確認して、いざ出発。
昨夜の“作戦会議”がくれたもの
「ゴール付近でビデオお願いね」
「次はカーブを双方からだったね」
「ソーラン節の始まりは引きで、それからアップに切り替えて」
昨晩は、家族でささやかな撮影作戦会議をした。
どこを撮ってほしいか、どんな場面を残してほしいかを、長女からの話しを元に夫婦で話し合った。
“ただ撮る”じゃなくて、“ちゃんと記録する準備”の時間。
その準備のおかげか、今日の私は、カメラ越しに目を凝らしながら、いつもよりずっと、子どもたちの一瞬一瞬を丁寧に味わえていた気がする。
結果だけじゃない、“本気”の姿
徒競走では、僅差での最下位。
1年2年と1着だった長女。ゴール直後の表情には、苦々しい悔しさがにじんでいた。
スタートでスピードが乗らなかったけれど、走りに迷いはなくて、力強くて、まっすぐだった。
記録として残る順位と、心に刻まれる姿は別のもの。結果は目標には届かなかったかもしれない。
でも、あの一生懸命な姿は、何位だったとしても変わることはない。
そこに向けて準備してきたことと、本人の気合いと、
それを知っているからこそ、「順位じゃない」と素直に思えた。
団体競技のボール運びでは、声をかけ合いながら運んでいた。待っている時も大声で声援が飛び交う。
バランス力、支える力、気持ちをそろえる力。
うまくいかなくても、自然と笑顔が出るような、そんな姿が印象的だった。
低学年代表リレーでは、本当に気持ちのいい走りを見せてくれて、しっかりとバトンを繋いだ。
バトンを受け取った瞬間から、明らかにスピードが違った。周りの保護者の方々からも「早い!」という声が上がる。その声に押されるように、さらに加速していく。
応援席から見ていて、思わず身を乗り出してしまった。個人の徒競走では悔しい思いをしたけれど、チームの一員として力を発揮している長女の姿に、胸が熱くなった。私もただただ拍手を送りたくなった。
もう一つの役割
ソーラン節を踊る姿は、本当にかっこよかった!
練習の成果が存分に発揮された、完璧で力強い演技。
でも私が一番誇らしく思ったのは、実は別のことだった。
今年も、発達支援級のお友達のサポート係を任されていた長女。毎年欠かさずその役を担っている。
手を繋いでの列への誘導、一緒に並んでさりげなく手を差し伸べたり。彼女にとってはもう当たり前のことになっているのかもしれない。
でも、そんな役割を託されるということの意味を、私はとても重く、そして誇らしく受け止めている。
しかし、その役割を重荷とせずに「仲良くなれるチャンス」と捉えている彼女の背中は、たくましくて、やさしい。
誰かを支えること。その責任の一端を何年も変わらず長女が託されているということ。
それは、きっと本人の優しさや責任感が、お友達からも先生からも認められているからこそなのだと思う。
運動会という大きな舞台で、みんなが緊張している中で、誰かのことを自然に気にかけることができる。
本人はいつも通りにやっていることかもしれないけれど、親としては、そこに目に見えない彼女の良さを強く感じていた。
結果よりも、“見せてくれたもの”
「結果は目標には届かなかったけれど、頑張ったから」
そう言いながら車を走らせていたけれど、本当は結果なんてどうでもよかった。元気に楽しく一生懸命に参加できたこと。それだけで十分に花丸だった。
サーティワンでアイスを選んでいる長女の表情は、朝の緊張した顔や運動会中のキリッとした顔とは全く違って、穏やかないつもの顔に戻っていた。
「今日、楽しかった?」
何気なく聞いた私の質問に、長女は大きくうなずいた。
あの徒競走の真剣な顔。
ソーラン節での堂々とした姿。
静かに寄り添う優しさ。
あの瞬間を見届けられただけで、もう十分。
何よりの成果だと思う。
結果よりも大切な、その人らしさ
運動会という一日を通して、改めて思うことがある。
結果も確かに大事だ。目標に向かって努力することの意味も、達成感の素晴らしさも知っている。
でも、それ以上に大切なのは「その人らしさ」が発揮される瞬間なのかもしれないと思った。
それは徒競走での残念な結果ではなく、リレーで見せたスピードでもなく、友達をサポートする自然な優しさだった。
今日見た“優しい笑顔”や“本気を出した顔”をちゃんと覚えていたい。
そんな娘の姿を見ていて、私自身も考えさせられる。日々の生活の中で、私は「私らしさ」を大切にできているだろうか。
結果や効率ばかりを追い求めて、本当に大切なものを見失ってはいないだろうか。
運動会という特別な一日が教えてくれたのは、きっとそんなことだった。
曇り空の下で繰り広げられた子どもたちの一生懸命な姿。それを見つめる保護者たちの温かい眼差し。そして、結果以上に輝いて見えた、一人ひとりの「その人らしさ」。
あなたが「今日、がんばったな」と思える瞬間は、どんな時ですか?
それはきっと、結果じゃなく何気ない“気持ちのかけ方”で見えてくるのかもしれませんね。
\ よろしければ、こちらもどうぞ/
▶︎ 好きな瞬間を、味わう準備
運動会前日の小さな切り替え
▶︎ 寄り添いながら、応援しすぎず
でも見捨てない距離感で
▶︎ 4時起きで“朝”を楽しむ普通のワーママ
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました!
結果が出なかった日にも、
そっと寄り添うように「見てたよ」と言える目線を。
今日はうまくいかなかったとしても、
“がんばった”は、ちゃんと誰かが見てくれている。
そんな日が、一つでも増えますように。
では、また!
いいなと思ったら応援しよう!
今日の気づきが、あなたの心にもそっと寄り添えたなら嬉しいです。いただいたサポートは、これからの言葉の種として、大切に大切に育てていきます。