読書記録 【月まで三キロ】 伊与原新
月が見せているのはいつも同じ面である
それは月の自転周期と公転周期が一致しているから
そして、実は少しずつ地球から離れている
太古の月は、今の6倍以上大きく見えていた―
一年に3.8センチというわずかな距離ではあるものの、離れていってしまうのね、お月さま…。
そんな遠い遠い月のこと、どうやって調べてるのだろうか。
ましてや太古昔のことなんて。
月、天気、化石に素粒子、堆積物、火山まで
小説の中で語られるこれらの話と
出てくる人々の絶望や疼きや痛みや傷が
リンクしていく短編集です。
まだまだ、こんなにも知らない事があるんだ
地球が誕生した頃のことや
遥かかなたの宇宙の話
それに比べたら自分の存在はとてもとても小さい
でも、紛れもなくこの地球の一部なのだよなあ。
どの短編も、何らかの問題や悩みを登場人物は抱えています。
自殺を考えるような絶望や
トラウマを抱える疼きや
長年、刻まれてきた心の中の傷
そして、話の終わりではそれぞれが光の射す方を向くようなカタチで終わります。
そんな人間ドラマもありますが
何と言っても知的好奇心が刺激される話に
ワクワクしてきます。
雪の結晶の種類は六角形状のほかに、針状、板状、角柱状、つづみ状など多様で
どれに成長するかは気温や水蒸気の量によって決まる、とか。
堆積物を調べて、過去の気候の変動を知る、とか。
素粒子を研究することで、宇宙を研究している、とか。
そこに魅せられたからなのか
ただただ、知りたい、だけなのか
研究者の思いは様々でしょうが、好きを追い続けることは、私からしてみたら尊さしかない。
火山学者は、山に対する愛を語ります。
「なってみて初めてわかりましたよ。自分がやっていることの重要さが。山は僕のすべてですが、その山のせいで、人が死んだり傷ついたりするのは、何より嫌ですから」
そして、アンモナイトの化石の発掘を長年やっている男性の言葉が、研究者の思いを言い表しているようでした。
「やるのは誰でも構わんが、何年、何十年かけてでも散々やってみて、それでもダメなら、ここはダメだということがわかる。そして、次の場所へ行く。わかることではなく、わからないことを見つけていく作業の積み重ねだよ」
そうそう、雪の結晶ってマクロレンズ(100均でも購入可能)があれば、スマホやデジカメでも撮影可能だそうです。
やってみたい!(この冬は無理かもですが💦)
あと、ISS(国際宇宙ステーション)、肉眼で見えるそうです!
「#きぼうをみよう」で検索したら、軌道情報が載っていました。
本書の中で、女性がISSに向かって「おーい」と呼びかけるシーンがあります。宇宙船に呼びかけている、彼女は宇宙人だ、と子供に勘違いされるのですが(笑)
でも、ステキじゃないですか。
わたしも夜空を動くISSにむかって
「おーい」と呼びかけたいな。
