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宇和島城に登り、夕日を追いかけ九島をチャリで一周した話

四国の鉄道路線が特急も含め3日間乗り放題になる「四国バースデイきっぷ」で四国を巡る旅行記、その3。……といっても今回は鉄分一切なしの王道旅行記である。

前回は松山から特急宇和海で予讃線を突き進み、途中下車で内子を観光したのちに宇和島駅に到着したところまでを扱った。

今回はその続きで、さっそく宇和島観光に繰り出すところからスタート。

とりあえず城に登る

宿にチェックイン後、まずは旅における最強移動兵器ことチャリを確保。そのまま宇和島城へと向かう。駅から徒歩でも 10 分程度だが、チャリならさらに一瞬である。

駐輪場にチャリを放り込み、さっそく入っていく。天守へのルートは「緩やかだが距離のある道」と「短いが傾斜が急な道」の2つあるようだ。

もちろん私は急な方を選択した

宇和島城は平地に突き出した丘を利用して築かれた、いわゆる平山城となっている。そのため、天守まではけっこうな上り坂だ。

そんな急坂が落ち着いた踊り場的な場所に、大きな井戸が設けられていた。

さらに進むと次第に視界も開けていき、立派な石垣が見えてくる。

まもなく上り坂も終了。

ぐるっと正面の方へ回り込み、最後の階段を上ると……

天守とご対面!城の規模の割には、意外と天守は小さめの印象を受けた。

そんなわけで、さっそく内部へ。

ちなみに入館料は現金のみだったが、イオンカード提示で割引になった。イオンカードはなぜか全国の観光施設で時々謎の強さを発揮するため、持っておくとオトクだ。

天守あるあるだが、1階部分は模型や解説パネルなどが並ぶ資料館的な空間になっている。なお、この天守雛形は江戸時代の改修工事の際に作られたもので、これ自体も大変価値の高いものとなっている。

宇和島城は現存12天守のひとつ。木材の軋みや梁の太さ、使い込まれた床板に至るまで、建物そのものから長い年月の積み重ねが伝わってくる。

そして古い建物だからこそ、階段は極めて急な作りになっている。はしごレベルの傾斜なので、上り下りの際には注意が必要だ。

そんな急階段を突破し、最上階へ。

窓から外を覗いてみると……

こんな感じの景色。海が近いこともあって風通しが非常によく、ガッツリ潮風を浴びることができる

反対側に目を向けると、山がすぐ近くまで迫っている。宇和島という街が、海と山に挟まれたわずかな平地に広がっていることがよくわかる景色だ。

それにしても、高層建築がほとんど存在しないため視界が広い。街並みも山も海もしっかり見渡せて気持ち良い。

海側を見ると、湾の入り組んだ地形に沿って港が広がっている。リアス式海岸らしい複雑な海岸線と、その隙間を縫うように作られた街並みが実に味わい深い。

そんなこんなで景色を楽しんで戻ってきた。コンパクトゆえにサクッと見学することができ、天守の所要時間は 20 分程度。入口からの山登りを入れても 25 分ちょいだった。

そして私が出ていくタイミングで、ちょうど学校帰りらしき女子高生(中学生かも?)3人組とすれ違った。地元の学生が帰り道に天守へ寄っていくとは、なかなかエモい瞬間である。……ところであの階段をスカートで上るのはだいぶ危なそうだが、どうなんだろう?

というわけでここからは下山開始。山道や急斜面の農地などで見かける物資運搬用のレールが設置されていたが、もちろん一般人が乗れるものではないのでとほとほ歩いていく。

すると道中で城山郷土館という建物を発見。

江戸時代より現存する武器庫を利用した資料館で、入館は無料だ。かなり充実した内容になっており、今回は時間の都合で軽く見て回るだけで終了。

ちなみにこちらのルートは最初の2択で選ばなかった「緩やかだが距離のある道」にあたる。

石垣に沿ってぐるっと回り込みながら、ゆっくりと位置エネルギーを消費していく。

ここの石垣は城内でも最長の直線距離らしい。

実際、複雑な地形の宇和島城では珍しく「たしかに長い」と素直に感じるレベルの直線だった。

……といった感じで駐輪場まで戻ってきて、再びチャリで走り出す。

城下町をぶらぶら

まず向かったのは、城へ来る途中で気になっていたアーケード商店街。道幅がかなり広く作り自体は非常に豪華なのだが、やはり地方都市あるあるのシャッター街化が進んでおり、どこか寂しげな雰囲気が漂っていた。

ちなみに、宇和島の観光についてはあまり細かな旅程を組み立てておらず、わりとその場のノリでぶらぶらと散策していた。……まあ、いつも通りの旅のスタイルだが。

城内でおすすめ散策ルートとして紹介されていた……ような気がする川沿いの道を進んでみる。道沿いの観光スポットなども紹介されていた記憶があるのだが、私は結局ひとつも見つけられなかった

そのまま中心部から外れていき、少し登ったところで神社を発見。

ひとまず参拝。

そして振り返ると……お!

少し高い場所にあるということで、かなり眺望が良い

宇和島城の天守もバッチリ見える。

小さいゆえに中心部では視界が遮られて見えなかったが、少し離れるとしっかり存在感のある城といった感じだ。

夕日を追いかけて九島へ

で、ここからは進路を西へと変えて夕日へ向かって走り出す。

目的地は宇和島のすぐ沖合に浮かぶ島、九島くしま

この島から宇和海に沈んでいく夕日を眺めようという算段である。

それにしても、島に渡る前からすでに夕焼けが綺麗すぎる

前回の四国旅行記でも幾度となく書いたことだが、四国の夕焼けは本当に色が優しく淡いグラデーションが美しい

……などと景色に見とれつつ、坂を登っていく。

九島と本土の距離は 400m もなく、2016 年に開通した九島大橋によって結ばれている。

ただ、チャリだとこの橋までアクセスするための坂がなかなかキツイので注意が必要だ。今回はギア付きのシティサイクルを使用したが、チャリ用の筋肉を鍛えていないと厳しいかもしれない。

私も最近は全然チャリでの遠出やヒルクライムをしていないため、ヒーヒー言いながらなんとか橋に到着

しかし橋の上を吹き抜ける風はとにかく気持ちが良く、これだけで急坂を登った疲れも癒されるというものだ。

島に上陸後、外周道路へと降りていき時計回りで進んでいく。橋が繋がっている部分がだいたい時計の4時あたりだ。

なお、この外周道路は二輪車以外では一周できないらしい。チャリ勢大勝利というわけだ。

そしてこの外周道路、とにかく景色が良い。ふと見える穏やかな宇和海と、遠景の山と空。あまりにも美しい景色で、チャリをこぎながらこのまま風にのって溶けてしまいたいと思うほどであった。

時計の6時あたりに到着。ちょうど九島の最南端で、ここからは夕日を全力で拝める道になる。

ゆっくりと沈んでいく夕日を横目に、のんびりチャリを走らせる。

なお、このあたりはかなり細い道なのでその点は注意が必要だ。ガードレールなどもないため、あまり景色に気を取られすぎると海へ転落しかねない

7時のあたりに到着。このあたりは小さな島がぽこぽこと浮いており、視覚的にも楽しい。

そしてその島の1つに鳥居を発見。どう見てもゲーム終盤にならないと到達できないやつだ。

で、このあたりで夕日が欠け始めていることに気づく。「あれ……海に沈んでいく想定だったけれど、九州の方にこんな高い山があったっけ?」と思ったが、よく見ると犯人は山ではなく雲のようだ

というわけで予定よりも早い日没に焦りつつ、もう少し先へと進む。

本来は九島最西端、9時の部分で日没を拝む予定だったのだが、雲の暗躍により8時あたりで日没。まあ、自然相手なのでこういうこともある。

とはいえ、日没後の空のグラデーションも大変美しい。

道中、なにやらコンクリートの壁とフェンスの間から力強く飛び出している木を発見。フェンスの向こう側に伸びればよいのに、謎の行動力だ。

しかも根っこもコンクリート沿いに這っており、生命力が強いのか方向感覚が終わっているのか判断に困る光景だった。

そんなこんなで進むうちに、空は少しずつ夜へ切り替わっていく。時計でいう11時あたりまで来ると再び普通に車が走れる道幅となり、釣り人の姿もちらほら見かけるようになった。

そして気づけば、対岸には宇和島市街の灯り。

完全に夜になった頃、ようやく島を一周し終えた。所要時間は、途中で景色をぼんやり眺めたり休憩したりしていたのも含めて 45 分ちょっと。

再び九島大橋を渡る。往路で渡ったときとはまた違った雰囲気の景色となっており、大変趣深い。

九島を振り返ってみるとこんな感じ。

その後、橋の近くに小さな神社を発見。美しい景色を楽しめたことに感謝して参拝しておいた。

夜の宇和島港。点々と煌めく灯りが水面に反射していてなんとも美しい。

そんなこんなで中心部へと戻ってきた。

最後にダメ押しで夜のアーケード商店街を眺めて、この日は終了。

……といったところでキリも良いので、今回はここまでとしたい。

おわりに

九島大橋が開通してからまだ 10 年ということで、観光資源的な意味では九島はまだまだ開発されていない印象を受けた。だからこそ、本土と繋がりながらも離島の雰囲気がしっかり残っており、チャリでのんびり一周しながら夕暮れを眺めるには最高の場所だった。

もし宇和島を訪れる機会があれば、九島まで足を伸ばしてみてはいかがだろうか。

……というわけで次回に続く!

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