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この年齢になってあらたな分野の実験を開始するにあたりわくわくするきもち


はじめに


 大学で学生さんたちの教育や研究のサポートをボランティアでやっている。自由にやってくださいといわれているので、スタッフの方々のお忙しいようすから自分なりにできることをみつける。ゼミ全体がスムーズに進行すればなにより。

今回、手もとにある機材や試薬であらたな実験技術を利用しようと思い至った。元職の頃でもやってなかった技術。はたしてどうなることか。

きょうはそんな話。

そういえば


 もとの職場でもそうだったなと思い出す。その研究室ではいまだ取り入れていない手法を導入。手探りで資料を集め、専用の試薬を取り寄せ、見慣れぬ装置をくみたて稼働させてみる。一部の詳細はあきらかでなく既知の手法の応用とばかり類推でおぎなう。そばに先達のヒトがいない心細さと自信のなさが共存する。

どうにか結果を出せたときにはほっとする。そして何度かやるうちに類推の部分についてそれでよかったと知れる。杞憂だったようだ。そんな身につけた方法を今度はヒトに伝える。そのヒトがきちんと再現できるとやはりうれしい。みずから苦労したことはすでにどこかに吹っ飛んでいる。

研修で


 もちろん安全や効率のため、べつの実験技術をまなびに他の研究施設に研修におじゃますることも。1週間ほどホテル住まいで通い学んだ。そこでなんと上記の手探りで身につけすでに15年ほどの手法が登場。20名ほどいたその場でできるのは講師役の方と研修を受けに来たわたしだけ。当方のほうの経験が長かったので、講師の先生の助手役をつとめた。

こんなことがあろうとは。実地で身につけた手法だけにどこが迷いやすいところか、勘どころはどこかよく知っている。それだけにまわりの実習生の方々は納得していただけたようす。講師の先生からも感謝された。わたしとてこんなところでお役に立てるとは思いもしなかった。

今回も


 今回もこの研究室では持ち合わせない技術。もちろん学んでくればそれなりに教えてもらえるはずのそんなに特殊な技術ではない。資料はそれなりに見つかるし、コツさえつかめばそんなに難しいものでない。

ただしそのコツがどこなのか未経験の場合にはなかなかわからないもの。それにたどりつくまではそれなりに苦労があるのはこれまでの経験からあきらか。今回もおそらくここかなというところを前もって類推を立てて、その部分を中心に予備実験を開始。この週末も家にまで器材を持ち帰り(特に法令上支障のない技術なので)、たしかめるつもり。

身につけるのはたのしい


 あらたな技術を身につけることは何よりたのしい。たいていあらたな技術に出会い、慣れるとこんな応用はできないかと思いはじめる。そこでひとつアイデアをくわえてみる。なかには功を奏して論文にしたものがいくつかあった。世界のどこかで引用していただき使ってもらえるとうれしい。

なかにはその当時では世界でもっとも高感度の分析法として世に出た手法も。世のなかでひろく使ってもらいたいので、あえて特許にはしなかった。

おわりに


 今回、あらたな技法を身につけるようと動きはじめた。ここから未知の事象がわかるかもしれないと思うとわくわくする。実験の醍醐味はそんなところかもしれない。しかもなるべくここにあるものをフルに活用してできる手法ならばなおさら。今回は大掃除でそんなお古のガラス器具が大量にみつかったので、それが後押しとヒントに。

あと動けるのは何年だろう。こうしてあらたな手法のひとつを身につけ、いままでやってきたようにそれをよりよい手法や用途をひろげられればいい。改良できるということはそれが身についた証。悪いことではない。


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