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もとの家の庭先でなんとか生き残ったバレンシアオレンジの実が大きくなりはじめた


はじめに


 接ぎ木苗でも果実を実らせるまでしばらくかかる。木が充実してないと負担が大きくしばらくは花を咲かせてもおとしてしまう。もとの家の庭に、植えて6年ほどの柑橘苗が1本。知人の方が手づくりするクリスマスのシュトーレンに最適のオレンジピール。国産のバレンシアオレンジならば最高なんだけどという言葉にあわせて購入した苗。

春に花がついたのでそろそろいいかなとそのままにしておいた。多少の落花はあったものの・・・。

きょうはそんな話。

流行り病の前に


 まだ農業で生産と販売までしていた頃。ちょうど流行り病の前年だった。あまりに畑の維持がたいへんだと思い、畑の一画を果樹園にしようとこころみた。選んだのは梅と栗が多い。梅は花時期のそろう品種を近くにまとめて。ほかにあんず、なし、さくらんぼ。いずれも気候変動のなかでむずかしいかもしれないし、わたしの齢で残る体力を考えるともはやそんなにチャンスはない。そこで思いきってやってみた。

じつはそのまえの数年間で各種の柑橘にチャレンジしたが、いずれも植えた苗のみならず、既存の何十年来実りつづけた樹すら枯れてしまう現象が起こり断念。庭にかろうじてのこった接ぎ木のレモンすら枯れてしまった。畑に残るはアボカドとボンタンのみ。庭の柑橘は上で記した庭のバレンシアオレンジの苗木だけ。

なぜか生き残る


 この樹は庭でいちばんよい陽あたりよく、つめたい北風を家がさえぎってくれている。いわばどんな果樹でもおそらくそだてやすい陽だまりの場所。

ここで枯れてしまえばどんな果樹もおそらく無理だろう。あきらめもつく。ひとむかし前まではここでさまざま野菜をそだてた。家のそばで収穫できると重宝する。離れたはたけまで出向かずともここで1食分の家族の野菜ぐらいはなんとかなる。そんな場所もいまは宿根草や常緑樹だけが占める場所に。ぽつんとこのオレンジの樹が胸の高さまで育つ。

落花


 この樹はわりと花つきがよいと植えてすぐに気づいた。果樹としてはめぐまれた性質。だが花がついたからといって喜んでばかりもいられない。場合によっては開花してもあるいは開花させずにおとしたほうがいいかもしれない。その心配をせずともよかった。この木は、心得ているのか放っておいても自然に落花した。

この地で小さいなうちは実になるのは無理と判断して落花した模様。柑橘の若木はそんなに急に大きくなりにくいもの。うっかりしやすいわたしにはじつに世話いらず。とはいえ周囲の雑草を刈り、アゲハの幼虫をとりのぞき、花の時期に合わせて堆肥をまわりに入れるなど最低限の世話をつづけた。

ことしの花


 この春は花つきがよかった。さてどうなるかと思ったが、ちょうどいいぐらいの数の花後の子房がふくらんできた。このあとも落ちてしまうかもしれないと危惧したがどうにかそのまままん丸くなってきた。オレンジ特有の丸さ加減。すでにテニスボールほどに。

もとの家の庭になるバレンシアオレンジの実

以前とすると大きな葉がふえてきたなと気づいて根からすこしはなれた個所に肥料を置いていた。すこし効果があったのかもしれない。葉がひろがりはじめたならば、そのぶん地中の根もひろがりつづけているはず。けっこう離して施肥してもよさそう。

おわりに


 以前はこのあたりの土地には柑橘がいちばん合っていると思いつづけていた。それにもかかわらず、なぞの病気?で大部分を枯らしてしまった。この庭のまわりもいきなり枯れる樹木がめだつ。一時期まえにもぐらが増えて地中にトンネルを築き、植え付けて数年後にいきなり枯れることが続いた。掘るとよくわかる。根が地中で浮いてしまい水が吸えない。

あるいは水の通り道が変わり枯れるのだろうか。あきらかに変だしすこし不安なきもちになる。そのなかでかろうじてこうして生き残るもの。声援したくなる。はたしてオレンジ色まで熟すだろうか。以前からあったタンカンなどから予想すると色づくのは年明け後しばらくしてからのはず。

たのしみに待とう。


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