ファンから見た新日本プロレスの暗黒時代と復活④
矢野通と結婚し、CHAOSを結成した中邑真輔。
この頃は殺気を前面に出したスタイルとなり、中邑真輔の“ストロングスタイル"が徐々に生まれ始めた頃だ。
特筆すべきは今もフィニッシャーとなっている“ボマイェ(現・キンシャサ)"が誕生したことだろう。
棚橋がフロッグスプラッシュというシンプルな技を必殺技にまで昇華したように中邑も膝蹴りを必殺技に昇華した。
中邑はある年のG1で突然、キャラクターが変わった。
今までの殺気も併せ持ちつつ、少し前から始まっていたクネりが強調され、モヒカンにライダースといういで立ちになった。
見た目やパフォーマンスも変わったが、何より変わったのは本人が楽しそうにプロレスをしていた。
今まで、猪木の幻想にとらわれ、どこか窮屈そうだった中邑が本当に解放されたように見えた。
そして、中邑は自分自身を縛りつけていた"ストロングスタイル"という鎖を自ら断ち切った試合がある。
それは中邑vs桜庭和志のICタイトルマッチだ。
この頃、自身のスタイルをほぼ完成させた中邑真輔は、MMAで確かな実績を残した桜庭とのタイトルマッチを迎えた。
中邑もMMAの実績はある。
桜庭と中邑、この2人の試合だからこそ感じる究極のスリル。
格闘家であり、プロレスラーである2人だからこその究極のリアリティ。
桜庭のテクニックに対抗する中邑、この試合で"ランドスライド"というプロレス的な技を解禁したのも痺れた。
おそらく、アントニオ猪木や前田日明、高田延彦が夢見たプロレスの完成系がこの試合だったと思う。
中邑真輔はストロングスタイルにたどり着き、"キング・オブ・ストロングスタイル"となった。
棚橋と中邑。
新日本プロレスを背負う2人がそれぞれ自身のスタイルを完成させた。
そして、金の雨を降らせる男が突然、現れた。
