見出し画像

【ベルマーレの修正点】「2025 J1リーグ 第23節」ヴィッセル神戸vs湘南ベルマーレ 分析レポート

「2025 J1リーグ 第23節」

ヴィッセル神戸vs湘南ベルマーレ 分析レポート

4-0(前半1-0/後半3-0)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【『柏レイソル2025 ”傾向”と”対策”』販売中!(400円→300円)】

① 90分×複数試合を観ることなく、本記事1本で「リカルド式」を理解できる内容(コスパ・タイパ◎)
② 「無料記事では書けない」”対策”の部分まで完全収録
③ 7月のリーグ中断期間終了日まで期間限定セール中!(100円オフ)

 レイソルのファンサポーターはもちろん、「リカルド式への興味」「後半戦のレイソル対策」という点において、他クラブのファンサポーターの方にもお勧めの一冊となっています。
※ 「2025シーズン前半戦終了時」の戦術分析となっております
※「戦術分析シリーズ」は今後、レイソル以外のクラブでも実施予定

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Ⅰ.「フォーメーション」

 ヴィッセルは「4-1-2-3」をベースに採用。
 前線からのプレス・ブロック時は「4-4-2」。

 ベルマーレは「3-1-4-2」をベースに採用。
 前線からのプレス時は「5-3-2」(2トップがCB/サイドボランチがSBにプレス)。
 ブロック時は「5-4-1」。

 スターティングメンバ―他、出場選手に関しては「Jリーグ公式HP」をご参照ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Ⅱ.「マッチレビュー」

 内容・結果ともにヴィッセルが圧倒。完勝と評して大袈裟ではない一戦。

 ベルマーレに関しては、ヴィッセルの圧力が優れていた一方で、ベルマーレ自身のパワーが不足していた感も否定できないかと思います。
 ただ、不幸中の幸いと言うべきか、日本代表には誰も選出されていないため(淳之介選手の怪我は残念ですが)、中断期間中での再建を期待したいところ。

ヴィッセル

攻撃面

 早い段階での先制点(14分)・後半開始早々の追加点(48分)・試合を決定づける駄目押し点(77分・93分)と、ベルマーレの気勢を削ぐ様な、良い時間帯に4得点を奪ったヴィッセル。
 更には、扇原選手のゴラッソに始まり、目下チーム得点王であり、日本代表に初選出された宮代選手・ヴィッセルのエースナンバー「13」を背負う佐々木選手・途中出場の汰木選手と、取るべき人・取って欲しい人が良い形でゴールを奪えており、点が入る毎にチーム全体が勢い付いていった印象

 なお、覚えている方もいるかと思いますが、1点目に関しては、今節と同じ会場で同じカードが組まれていた、昨シーズン最終節における、ヴィッセルの3点目と同じ構造となっています。
 その構造に関して、簡易的な説明をしておくと、昨シーズン最終節の3点目も、今節の1点目も、ベルマーレは守備時「5-3-2」に可変している中、その「5」(3CB+WB)と「3」(アンカー+サイドボランチ)の計8枚がBOX内に入ってしまっており、人員過剰となっています。そのため、BOX外・ゴール正面でセカンドボールを狙っている扇原選手に寄せ切ることが出来ず、ゴールを許してしまったという形になっています。
 ちなみに22分(21:12~)にも、明らかに酒井選手が同じ形を狙っており、実際にセカンドボールを上記と同じ位置で拾って、シュートを放っています。

 2点目に関しても、宮代選手が素晴らしかった一方で、ベルマーレの守備にも問題があるため、こちらはベルマーレのレビューにて触れさせて頂きます。
 3・4点目に関しては、ベルマーレのビルドアップを遮断してからのショートカウンターということで、守備から攻撃への切り替え・そして高い決定力と、良い意味で無駄のない、ヴィッセルらしいゴールであったと言えるかと思います。

守備面

 まず、前線からのプレスが素晴らしく機能していました。
 守備から攻撃への繋がりという点も含め、守備面に関しては、この点に尽きると言って過言ではない程、良い出来であったと思います。
 なお、ショートカウンターが嵌まったのは後半ですが、真夏の中2日ということで、体力的な問題もあってか、全体的な出来という意味では、前半の方が、完璧に近い形で守れていたかと思います。
 ただ、ベルマーレのビルドアップにも問題があったため、こちらは次章にて解説させて頂きます。

 その前からのプレスが効いていたため、後ろは守りやすかった面もあるかとは思いますが、シンプルにSB裏を狙われた場面でも、山川・トゥーレル選手の両CBがしっかりとカバーしており、決して偶然のクリーンシートではなく、それに値する守備を見せてくれていました。

ベルマーレ

攻撃面

 まず「ヴィッセルの前線からのプレス」の裏返しとなりますが、特に前半、ビルドアップにかなり苦しんでいました。
 
ヴィッセルのプレスが良かったことは確かでありますが、20節のゼルビア戦に続いて、ベルマーレの立ち位置も宜しくありませんでした(詳細は次章)
 ビルドアップが成立しないため、無理に前へと蹴れば、山川・トゥーレル選手に跳ね返され、SB裏もカバーされており、出口・攻め所が見つからない展開の前半であった印象。

 ただ、後半からは、WBにボールが入った際、福田選手がWBの横や斜めでボールを受ける様になり始め、そこから逆サイドのWBまで展開する形(45:25~/51:40~/54:05~)は、ここ最近のベルマーレには見られなかった、良い攻撃の流れであったと思います。

 また、ヴィッセルの2トップ(守備時)が徐々に前から追えなくなっていた中、エリキ選手が明確に、ベルマーレのサイドCBまで出て来る様になっており、ベルマーレとしては、WBにボールをつけやすい状況が生まれていました。
 そのWBに55分以降、石井選手が入り、左サイドCBには左足のキックに定評のある松村選手が入ったため、ここのラインは綺麗にパスが通る様になっていた印象(59:05~/62:25~)

 それでも無得点に終わったことは事実であり、個人的には、前節の『分析レポート』にも書いた通り、「対4バック」に対しては、シンプルにWBからWBへの幅を使ったサイドチェンジ(そこからのDFライン裏・ポケット)を使って欲しかった想いは拭えません。
 ただ、幸いなことに、ここで中断期間を迎えるということで、サイドチェンジを含めた修正や、福田選手に代わって台頭して来る選手への期待を持って、次節のC大阪戦を待ちたいと思います。

 なお、リーグ後半戦は「点ではなく線で見る」をテーマに分析をしているのですが、ベルマーレを線で見るターンは、次節で一旦、終わりにさせて頂く予定です。 

守備面

 まず、1失点目に関しては、ヴィッセルの攻撃面のレビューで詳しく説明した通り、昨シーズン最終節(3失点目)と同じ構造での失点となっており、今節では22分にも同様の形でシュートを許しています。
 ということで、この点は確実に修正が必要かと思いますので、後程、詳しく説明します。

 2失点目に関しても、前節の『分析レポート』内で書いた内容通りに「5バック化する前の3バック脇」を突かれており、この点は構造上の弱点ではあることは確かであります。
 ただ「弱点なので失点は仕方ない」では片づけられない問題であり、「5バック化する前」というのは、基本的に「ネガティブトランジション直後」ということになるため「ボールの失い方」「即時奪回の意識」「WBのリスク管理」この辺りの意識を変えるだけでも、多少なりとも状況は変わって来るかと思います。

 3・4失点目に関しては、共に後方からのボールを引っ掛けられてのショートカウンターという形でありました。
 その中で敗戦濃厚であった93分の4失点目は省略しますが、3失点目に関しては、松村選手が一番悔しい思いをしているはずなので、ひとつ補足説明しておきます。
 松村選手は今節含め、ベルマーレで試合に絡める様になって以降、大半の時間をWBでプレーしていると思いますが、同じサイドでも、WBとサイドCBでは視野もプレッシャーの感じ方も異なります。そのため、この点は少なからず、このシーンに影響があったと考えられます。

 失点シーン以外では、前節の『分析レポート』で説明した通り、今節も「ロングボールへの対応(裏抜けケア)」「5-3-2ブロックの3の脇のケア」といった辺りには不安が残りました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Ⅲ.「ベルマーレ ビルドアップ不成立の要因」

 Ⅱ章でも触れた通り、中2日での試合であったヴィッセルの前線からのプレスが、しっかりと機能していた前半、ベルマーレはビルドアップに苦しんでいました。
 その要因は、ヴィッセルのプレスだけでなく、ベルマーレの選手の立ち位置にもあると考えているため、ヴィッセルのプレス・ベルマーレのビルドの両面の解説を行っていきたいと思います。

ヴィッセル 前線からのプレス

図Ⅰ.ヴィッセル 前線からのプレス

 ヴィッセルの前線からのプレスの要点は、以下の通りです。

① 守備時は「4-4-2」に可変
② 2トップ(佐々木・宮代選手)が背中でベルマーレ中盤の選手を見ながら、CBミンテ選手・CB大野選手にプレス(ボール奪取ではなく、コースの規制)
③ 右SHエリキ選手は、CB大野選手に牽制を掛けつつ、WB松村選手にボールが出次第、プレス(奪い所)
④ 左SH広瀬選手は、(右サイドと異なり)CB大岩選手までプレスを掛ける傾向→WB鈴木雄選手まで左SB酒井選手が縦ズレ→SB裏のスペースは、CBトゥーレル選手がカバー
⑤ 強引な縦パスに対しては、ボランチ扇原・井手口選手が対応
⑥ 苦し紛れのロングボールに対しては、CB山川・トゥーレル選手が対応

 この様な形で、前半は完璧に近いパフォーマンスを発揮し、ベルマーレのビルドアップを抑え込んでいました。

 ただ、Ⅱ章でも書いた通り、後半途中から右SHのエリキ選手が、ベルマーレの左サイドCBまで明確にプレスを掛け始めており、その結果、奪い所であった左WBが浮いてしまい、前半とは打って変わって、良い形でボールが入る様になってしまっていました。
 まあ、これは真夏の中2日という厳しい日程の中、2トップが徐々に追えなくなっており、そのカバーとしてエリキ選手が前に出た結果だと思われるため、エリキ選手を責めることは出来ません。
 また、この時間帯、ベルマーレが複数の選手交代・ポジションチェンジを行っていたため、ヴィッセルとしては、担当の確認がし辛かったという側面もあるかと思います。

ベルマーレ ビルドアップ不成立の要因

 ベルマーレ3バックに対して、ヴィッセル2トップであるため、本来であれば、ベルマーレが数的優位を取れるはずの形でありました。
 しかし、図Ⅰの通り、ヴィッセル左SH広瀬選手が前に出て来るため、実質3トップでプレスを受けるシーンが多々見受けられ、更には、左SB酒井選手・右SHエリキ選手に、両WBも見られてしまっているため、出口がないという状況に陥っていました。
 この状況に対して、基本的にこのままの構図でビルドアップに臨んでおり、個のパワーでは、ヴィッセルに分があるため、中々、前に進めないという展開が、前半の基本形であり、これがビルドアップ不成立の要因であったと考えられます。

ベルマーレ ビルドアップ改善案(エリキ選手の固定)

図Ⅱ.ベルマーレ ビルドアップ改善案(エリキ選手の固定)

 図Ⅱの通り、ヴィッセルから見て右サイドでは、エリキ選手が松村選手を担当していたため、鍬先選手が前に出る必要はありませんでした
 つまり、逆に言えば、エリキ選手を固定さえ出来れば、図Ⅱの楕円の中で松村選手がフリーでボールを受けられる可能性が高いわけであり、僕はここがひとつ狙い目であったと考えています。

 具体的な流れは、以下の通りです。
① アンカー茨田選手が“あえて”エリキ選手に近づき、ボールを要求(エリキ選手の固定)
② 左サイドCB大野選手が外に開き、左WB松村選手を前に押し出す
③ 大野選手から図Ⅱ楕円内で、松村選手がボールを受ける


 ちなみに、ベルマーレも何も工夫をしていなかったわけではなく、GKポープ選手がビルドアップに参加するシーンもあり、この参加自体は良い選択であったと思います。
 ただ、20節の『分析レポート』(ベルマーレvsゼルビア)でも書いた通り、CBの開き方が甘く、効果があまり出ていませんでした
 この点に関する話は、20節と重複するため省略しますので、興味のある方は、リンク先をご参照ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Ⅳ.「ベルマーレ BOX内の人員過剰と失点」

 Ⅱ章で説明した通り、今節のベルマーレの1失点目(ハイライト映像1:00~)は、今節と同じ会場で同じカードが組まれていた、昨シーズン最終節における、3失点目(ハイライト映像6:34~)と同じ構造となっています。
 更には、今節の22分(21:12~)にも、明らかに意図的に、同じ形でシュートを打たれています

 その構造に関しての説明も繰り返しになりますが、昨シーズン最終節の3失点目も、今節の1失点目も、ベルマーレが守備時「5-3-2」に可変している中、その「5」(3CB+WB)と「3」(アンカー+サイドボランチ)の計8枚がBOX内に入ってしまっており、人員過剰となっています。そのため、BOX外・ゴール正面でセカンドボールを狙っている扇原選手に寄せ切ることが出来ず、ゴールを許してしまったという形になっています。

 この様なシーンに対して、チームとして「8枚全員BOX内」という指示が出ているのか「選手が自然と寄って行ってしまった」だけなのか、どちらかなのかは判別がつきませんが、何れにせよ、同じ形で失点している以上、チームとして、例えば「5バック+アンカーはBOX内」「サイドボランチ2枚はバイタルエリア」という様に、明確に役割分担を決めてあげるべきだと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「2025 J1リーグ第23節 ヴィッセル神戸vs湘南ベルマーレ」の分析レポートは以上となります。
 本記事を気に入って頂けた場合「スキ」「フォロー」して頂けると嬉しく思います。
 有難うございました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【記事執筆・分析アドバイザー案件募集中!】

仕事依頼は下記のメールアドレスまでお願いします。
詳細は「仕事依頼に関して」の記事をお読み下さい。
JAF Football Analysis Room
仕事依頼用メールアドレス
jaf.football.analysis.room@gmail.com

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いいなと思ったら応援しよう!

JAF Football Analysis Room noteを含めたフットボール活動へのご支援を頂けると幸いです。