【動くリビング】の良さを伝える方法
前回のnoteで「ヨロン島を、自分だけの特等席で味わう」というコンセプトを紹介した。
今回は、その奥にあるもう一つの言葉について書いていきたい。
その言葉が「動くリビング」である。
窓の外に絶景、手元にドリンク、そこに優越感
気に入った場所に車を停める。エアコンの効いた車内で、ゆったりとしたソファに腰を下ろす。目の前にはドリンクがあり、窓の外には海が広がっている。
乗用車の窓からも、同じ景色は見える。だが、そこにくつろぎはない。運転席に座ったまま、絶景を眺め続けることはできないからだ。
キャンピングカーだけが、
動きながら景色を選び、気に入った場所に停まり、ソファに座ったまま、その景色を独り占めできる。
この体験が生む感覚を、一言で言えば優越感である。同じ絶景を見ていても、味わい方がまったく違う。これは、キャンピングカーでしか作れない感覚だ。

ホテルも、民宿も、レンタカーも出せない言葉
ヨロン島には一泊10万円以上の、高級な一棟貸しの宿がある。豪華な内装、ぜいたくを尽くした設備、非日常を演出する空間。だが、その宿も動けない。どれだけお金をかけても、窓の外の景色までは選べないのだ。
レンタカーは、動けても、くつろぐという発想を持ち合わせていない。目的地まで運ぶことはできても、そこに留まる快適さまでは用意されていないのである。
キャンピングカーだけが、動けて、くつろげるという二つの価値を同時に持つ。
「動くリビング」という言葉を考えたとき、宿でもレンタカーでも出せない、キャンピングカーだけが持つ魅力だなと確信した。
ここで一つ捕捉したいことがある。
私は何が何でもキャンピングカー推しというわけではない。
ホテルにはホテルの良さがあり、民宿には民宿の良さがあり、キャンピングカーにはキャンピングカーの良さがある。
「旅の選択肢を増やす」
これが私に課せられた使命だと思っている。
だからこそ、まだ文化として島に根付いていないキャンピングカーを分かりやすく紹介し、多くの人に知ってもらう、これが重要だ。

地域には、名前のない良さが埋もれている
地域の現場でよく見かける失敗がある。良い商品、良い体験を持っているのに、それを一言で言い表す言葉がなく、他の観光資源に埋もれてしまうという失敗だ。
この鹿児島県最南端の離島「ヨロン島」にも、名前を持たないまま眠っている資源はまだ多い。「動くリビング」という一言も、キャンピングカーという乗り物を売るためではなく、キャンピングカーでしか味わえない体験を売るために生まれた言葉である。名づける作業は、地域の現場でこそ、後回しにされがちな工程だと感じている。
結局、ビジュアルが正義
どれだけ良い言葉を用意しても、体験したことがない人には届きにくいという壁がある。文字だけでは、ソファに座る感覚も、目の前に広がる海の色も、伝えきれないからだ。そこで選んだのが、このnoteをはじめ、SNSで写真や動画を見せるという施策。

一人旅は不安だと思われがちだが「動くリビング」があれば、宿を探す不安からも解放される。キャンピングカー自体が、元は軽自動車なので、運転もしやすい。

女性三人旅。友人と過ごす貴重な時間そのものが「動くリビング」で快適に過ごせる。
これらの写真を見て「なにこれ??」と思った人が、その先で出会う言葉として「ヨロン島を、自分だけの特等席で味わう」「動くリビング」を置く。ビジュアルが好奇心をつくり、言葉がその好奇心に応え、刺す。この順番を、丁寧に設計した。
好きな場所に停めて、ソファから眺めるヨロン島の絶景は、あなただけの特等席になる。クーラーの効いた「部屋」で、海や夕日を眺めるぜいたくが、ヨロン島では味わえるのだ。
名前は、まだ生まれたばかり
「動くリビング」という言葉も、「ヨロン島を、自分だけの特等席で味わう」という言葉も、生まれてまだ間もない。それでも、こうした概念づくりの手順は、商品・サービス開発には欠かせない。
その前に本事業の全体を総称するキャッチコピー「ヨロキャン」という言葉を作った。「ヨロキャン」が大項目としたら「動くリビング」「ヨロン島を、自分だけの特等席で味わう」は中項目のイメージだ。
本事業から生まれた言葉が育っていく過程を、これからも見届けていきたい。
次回は、この「動くリビング」という言葉の先にある「提供価値」、つまり何を売るのかについて執筆する。
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