24.古代ギリシャの嘘⑦
画像は以下のサイトから転載。
プラトンとマギ
プラトンは、イデア論と、著書『国家』の作者として有名です。だれもが賞賛する偉大な哲学者であり、その思想は西洋哲学の主要な源流といわれています。
古代世界では、プラトンとマギのつながりは広く知られていました。
ですがプラトンがゾロアスターについて言及しているのは、著書『アルキビアデスI』だけです。
紀元後三世紀に活躍した哲学史家ディオゲネス・ラエルティオスの著書『ギリシャ哲学者列伝』にはこうあります。
プラトンはマギたちとも知り合いになろうとしたが、アジアでの戦争に阻まれた。
ですが古代ローマの町ヘルクラネウムで見つかった写本によると、晩年にカルデア人と会ったと記されています。
プラトンにマギを紹介した張本人と考えられているのは、友人のエウドクソスです。エウドクソスはイオニア人です。
プリニウスはエウドクソスについてこう記しています。
エウドクソスは、哲学のあらゆる分野の中で魔術が最も輝かしく、最も有益であることを示そうと努めた。
エウセビオスの『福音の備え』には、プラトンについてこのような言及があります。
アリストブルスはフィロメトル(プトレマイオス六世)に送った最初の著書の中で、次のように書いている。プラトンもまた、われわれ(ユダヤ人)の律法に従い、その中のいくつかの戒律を注意深く研究したことは明らかである。
だから、前述の哲学者が多くを借用したことは明らかである。ピュタゴラスと同様に、われわれの戒律の多くを自らの教義体系に移した。
ピュタゴラス派の哲学者ヌメニウスは、はっきりとこう書いている。プラトンとは、アッティカ・ギリシャ語で語るモーセにほかならない。
プラトンのマギ思想は、著書『ティマイオス』で説明されています。そこでプラトンは、マギのテーマである時間、三位一体、汎神論、占星術、四大元素を扱っています。
これまでの集大成という感じです。
プラトンは『国家』の中で理想の国家について述べていますが、師匠のソクラテスが民衆によって刑死したため、民衆があまり好きではありませんでした。
その理想の国家とは、哲学者王、それにつづく戦士階級、さらにその下の生産者階級、という三つの階級に基づく階層社会です。
エルの神話
プラトンは『エルの神話』で、トップの哲学者王がどのように指導されるべきかを記しました。
『エルの神話』については、紀元前三世紀の哲学者コロテスが、ゾロアスターの名前をエルに置き換えた盗作だと非難しました。
カルデアの思想との類似点もあるのですが、おもしろいので概略をお伝えします。邪教の入信儀式と思って読んでみてください。
エルは戦いで死に、ほかの兵士とともに四つの扉がある壮大な場所に導かれます。
そこは生前の裁きの場で、いい魂は天空、悪い魂は地上に送られます。一部の魂、殺人犯やその他の犯罪者の魂は、地上から出ることを許されず、永遠に閉じ込められたままでした。
エルは裁かれることなく、その一部始終を見届け、人類に報告するためにそこに留まるべきだと告げられました。
七日後、みなは女神アナンケ(必然)の紡錘がある別の場所に導かれました。
アナンケは原初の女神で、運命の擬人化です。そこでは魂にくじの番号が与えられ、それに基づいてそれぞれの魂が次の人生をどうすべきかをたずねるよう言われます。
最初の魂は独裁者になることを決めました。そのときその魂は、自分が原因で自分の子供を食べる運命にあることに気づきませんでした。
エルは天空を旅し、別の道を行った罰を受けなかった魂は、次の人生で悪いことを選ぶことが多く、罰を受けた魂はその逆であることに気づきました。
来世を選んだ魂たちは、レテ川(忘却の川)に導かれ、そこで前世を忘れるために酒を飲むように言われます。夜、それぞれの魂が眠りにつくと、新しい肉体に送られ、新しい人生を送ることになりました。
エルの魂はすべて経験せず、レテ川から酒も飲みませんでした。目が覚めると、魂は元の古い肉体に戻っていました。そしてエルはあの世で自分の体験を語ることができました。
壮大な場所に導かれる、一部始終を見届ける、自分の子供を食べる、酒(クスリ)を飲ませて忘却する。留学先のエジプトで体験してきたのでしょうか。
また紡錘のある部屋には、ラケシス、クロト、アトロポスというおなじみの三位一体が玉座にすわっています。
プラトンは紀元前三八七年、エジプトから帰国後まもなくアカデメイアのそばに学園をこしらえます。ピュタゴラスと同じ成功者のパターンです。
国家
それでは民衆が好きではない人が考えた理想の国家を見てみましょう。『国家』からの引用です。
この女たちはみな、すべての男たちの共通の妻であり、だれひとりとして私的に生活してはならない。親はどれが自分の子孫かを知らず、子もその親を知ることがないよう、共有されるべきである。
一読して頭に浮かぶ言葉は、「ディストピア」です。

共産主義ともいえます。イヤミなどではなく、この思想のどこがすばらしいのかを教えていただきたいです。
この男たちを選び、同じように、できるだけ同じ性質の女たちを選ぶ。そしてかれらは、家も食事も共有し、私有財産も持たず、一緒に住み、体操やあらゆる生活や教育において混ざり合い、生来の必然性によって性的結合へと導かれる。
さらにこのように登場人物に語らせています。
最良の男は最良の女とできるだけ多く結ばれ、最悪の男は最悪の女とできるだけ少なく結ばれなければならない。群れを可能な限り完璧なものにするには、一方の子孫は育て、他方の子孫は育ててはならない。
また、群れができるだけ不和にならないようにするには、このようなことがどのように行われるか、支配者以外のだれにもわからないようにしなければならない。
それなら、結婚のたびに最悪の男が、支配者ではなく偶然を責めることができるように、工夫を凝らしたくじを引かなければなりませんね。
これは優生学を推奨しています。優生学とは、どのようにすれば最良の人間を増やせるか、という研究を行う学問です。
実際、十九世紀末から多く研究が行われ、アメリカでは一九五〇年代から、国を上げた不妊治療キャンペーンが展開されました。
たしかに、望まない子供を生まずに済めば、母親も子供も不幸にならずに済みます。
はじめはそのようにまじめに取り組まれていたのですが、関係者はおカネが儲かります。なので不妊治療の対象者を増やそうとします。
「くじ」というのは、ローマのアッティス崇拝などのお祭りで実際に行われていたものですが(くじを引いた兵士が生贄になる)、「工夫を凝らしたくじ」とはプロパガンダのことです。
不妊治療キャンペーンで例を挙げると、レイプされた女性が主人公のドラマなどです。望まない妊娠をし、その後不妊治療を知り、葛藤のすえ赤ちゃんをおろす、という内容です。そのようなドラマを見ると、わたしたちは「不妊治療は大切なのだ」と考えるようになります。
そして実際に妊娠し、考え、不妊治療を決意します。工夫を凝らしたくじを引き、知らずにバアルに生贄を捧げたわけです。
こうすると対象者が増え、さらに儲かります。さらに対象者を増やし、とやっていくうちに、関係者が増えすぎて後戻りできなくなります。
プラトンは赤ちゃん殺しも推奨しています。
しかし、劣った者の子供や、生まれつき欠陥のある子供は、だれにも知られないように、秘密裏に処分されるだろう。
義務教育は、子供たちを親から引き離し、国家の理想を教え込むために現在も実施されています。

このように、暇に飽かせて人間について考えると、どんなにまじめな哲学や研究でも必ず悪い方向に転がっていきます。たとえば肛門が大好きなフロイトから、小児性愛者アルフレッド・キンゼイにつながっていくようにです。
キンゼイは、わずか四ヶ月の赤ちゃんが経験するオーガズムについて詳細に概説しました。もちろん直接観察したうえでの主張です。
またキンゼイは、幼い男の子が効果的な性的テクニックを身につけるには年上の男性からの手助けが必要であり、幼い女の子は大人に触られることを楽しみ、さらにはレイプされることを楽しみ、幼い女の子に触れることはより良い人生を送ることにつながると考えました。
古代ギリシャで小児性愛を合理化したのはプラトンです。
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