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回復期多職種協働ラボ 第1回 おくすりから生活行動を読み解く〜便秘と下剤編〜

ママ薬剤師HONO💊さんとリハビリ看護師イロドリ🐦️でお届けする、『回復期多職種協働ラボ』を開設してみました!!

この記事は、noteで知り合った『回復期病棟勤務』という共通点を持つ私たちが、お互いの現場の「なぜ?」を、それぞれの職種の観点から解き明かしていこうという趣旨の連載です。

記事の素材は同じですが、それぞれの見解をもとにまとめていますので、よろしければこちらを読んだあとに、ママ薬剤師HONOさんの記事の方もご覧になってみてくださいね✨️


🔶第1回目のテーマは『便秘と下剤』


🐦️リハビリ看護師イロドリ

便秘って嫌ですよね〜😮‍💨
スッキリしないし、お腹が張るし……。
便秘が当たり前になりすぎると、
「1週間くらいでないのが普通なんです〜😞」と言う患者さんもいます。

*脊髄損傷で膀胱直腸障害がある人
*慢性便秘で腸の動きが悪い人
*腹圧の弱い高齢者や寝たきりの人
*全身疾患で腸の動きが弱い人

毎日当たり前に出ていた人でも、疾患によっては便秘になることがあります。
患者さんが『便秘』を訴えると、現場で看護師たちは、まず下剤の検討を始めます。
医師や薬剤師と相談して、患者さんに下剤が処方されます。

💊ママ薬剤師HONO

「なぜ出ていないのか」「腸の今の状態はどんな感じか」まで見えてくると、下剤の選び方がずいぶん変わります。

看護師さんの排便記録、介護士さんの「今日はトイレあまり行けていないな」という気づき。
その観察がそのまま薬の選択につながるんです。
チームでこの視点を共有できれば、患者さんの腸の状態を守れる。
それが、今回イロドリさんとコラボ記事を書きたかった理由でもあります。

なんで便秘になってるんだろう〜?

🐦️リハビリ看護師イロドリ

同じ『便秘』という症状でも、スライドのように、薬剤師と看護師では観察するポイントやアプローチが異なってきます。
お互い持っている情報をすり合わせて、患者さんに必要な薬を選択することができるといいですよね〜✨️



🔶下剤の種類をざっくり解説

まずはママ薬剤師HONOさんから、現場でよく選択される下剤の種類と効果についてお伝えしますね。


💊ママ薬剤師HONO

下剤って、「便が出なければとりあえず出す薬」と思われがちなんですが、実はそうじゃないんです。

よく「出ない=とにかく刺激する」という選択になっていることがあります。
でも腸や便の状態によって、どのタイプを使うべきかはぜんぜん違う。
下剤を「なんとなく継続」から「理由を確認して選び直す」に変えると、患者さんの腸の状態がずいぶん変わることがあるんです。


そのためにも、下剤には4つのタイプがあるということを、まず知っておいてほしいと思います。

まずはスタンダードな下剤から

① 便をやわらかくするタイプ

浸透圧性下剤
 酸化マグネシウム・モビコール・ラクツロース製剤など

腸の浸透圧を高めて、外から水分を便の中に引き込みます。
イメージとしては、「押し出す」んじゃなくて「ふやかす」かな。
便が硬い、活動量が少ない患者さんに使いやすいタイプです。

ただし酸化マグネシウムは腎機能低下時に体内に蓄積しやすいため、腎機能の確認がセットで必要です。これ、見落とされやすいんで要注意⚠️ですよ!


② 大腸を刺激して動かすタイプ

刺激性下剤
センノシド・ラキソベロン・大黄を含む漢方など

大腸の腸管神経を直接刺激して、蠕動(ぜんどう)運動を強制的に起こします
術後や長期臥床で腸が止まりがちなとき、背中をぐっと押してあげるイメージです。

即効性がある一方で、毎日続けると腸が刺激に慣れてしまう(習慣性)ため、「何日出なかったら使う」という個別ルールの設定がとっても大切です。


ここまでがスタンダードな2種類。この先の③と④は比較的新しいタイプで、腸への"働きかけの切り口"がまた違います。

腸への働きかけが違う2種類

③ 腸の水分分泌を増やすタイプ

上皮機能変容薬
アミティーザ・リンゼスなど

腸の内側の細胞に直接作用して、腸の中へ水分を「分泌」させます。

①が外から水を引き込むのに対して、③は腸の細胞そのものに水を出させる仕組みです。

浸透圧性下剤が効きにくい方、腹痛を伴うタイプの便秘(リンゼスは過敏性腸症候群にも適応あり)に向いています。


④ 便意や腸の動きを助けるタイプ

胆汁酸関連・漢方
グーフィス・大建中湯など

グーフィスは胆汁酸の再吸収をブロックして大腸内の胆汁酸を増やして、腸の動きと水分分泌を自然に促します。

大建中湯は腸管血流を改善して蠕動を高める漢方で「腸が弱っている・動きが鈍い」状態のときに力を発揮します。

4つ並べてみると、それぞれが腸の違う場所に、違うアプローチで働いていることがわかりますよね。



🔶それ本当に『下痢』ですか?

🐦リハビリ看護師イロドリ

先ほど、HONOさんから下剤の効果についてご説明頂きました。
見ました?
下剤の種類と違い!!わっかりやす~!
私自身、ちゃんと理解できていなかった下剤について、改めて理解できましたよ!!
この企画やってよかった😆✨

そして、今度は私イロドリが、排便ケアで気を付けていることをお伝えしたいと思います。

下剤内服中に「水っぽい排便」があったとしたら。
あなたならどう考えますか?

下痢かな?
下剤が効きすぎたのかも?
それなら下剤を減らすか止めてみよう。

ちょーーーーーっとまったああああああ🖐️!!!

本当に、それ、下痢ですか??

患者さんが「下痢なんだけど……」と言ったときに、私はすぐ下剤を減らすのではなく、一度。

『溢便(いつべん)』ではないか?

を観察するようにしています。

溢便(いつべん)とは、直腸や腸管内に硬くなった便が溜まり、そのすき間から水様便が溢れて出ることを言います。
一見下痢と間違えられやすいのですが……。

nonnon🙂‍↔️
ちょっと違います🫩

これ実は、すっごい便秘の成れの果てに起こる症状なんです……(TдT)

下痢と便秘では、その後の対処が真逆になってしまいます。
だから、まず。
下剤を調整する前に、腹部の状態や便性状を観察しています。

溢便ってご存じですか?

私が溢便を疑っている時に観察していることをスライドにしてみました。

*問診

一般的には、泥状~水様の便が1日3回以上みられると下痢だとされますが、便の性状、量、回数は個人差があるので、普段の排便習慣と照らし合わせて判断するようにしています。

患者さんはお通じが緩くなると、必ずと言っていいほど『下痢になった』と表現されますが、まずは『水様便がでた』=『下痢ではない』ことを頭の隅に置いて、患者さんの訴えを聞いてみます。

溢便の場合は、『便が出たのに直腸内に残っている』状態なので、
『下痢になった』という訴えとともに、

*出たのにすっきりしない
*残っている感じがする
*水っぽい便が少しずつ何度も出る
*出たのにおなかが張っている

なども訴えも聞かれます。
排便の話題は、患者さんも羞恥心や抵抗感が強いもの。
漠然と問いかけるのではなく、ピンポイントの質問を投げかけることで、正しく状況を把握したいですよね🙂‍↕️


*視診

客観的な情報も大切🙂‍↕️!

下痢を訴えているのに、
腹部膨満がある。


相反する2つの状況がある場合は溢便の可能性があると思って、腹部の状態を観察するようにしています。
直腸内に便が残って出し切れていない場合は、肛門括約筋が締まりきらず、開いていることもあるので、排泄ケアをするときに一緒に観察することもあります。

*聴診

聴診器で音を確認すると、下痢の場合は、キュルキュルと高音で活発になっている音が聞き取れます。
しかし、溢便は便秘なので、お腹の動きは弱いか、聴診器でも聞き取れない、という違いがあります。
けっして私の耳が遠いとかそういうことではない……はず😑💦

*触診

触診ではおなかの張りだけではなく、大腸の走行に沿って硬く触れる部分がないかを確認しています。
便秘の場合、腸の出口に近い左下腹部の部分が硬くなっています。

ただし、腸の動きそのものが悪いと、便がたまって右下腹部から硬くなることも多いので、注意して観察しています。
一方で下痢の時は、腹部は全体的に柔らかいのに、不快感や触診したときの圧痛、緊張としてあらわれることがあります。

下痢を訴えているのに、
腹部に硬く便のようなものが触れる


ときは、溢便の可能性を考えるようにしています。

どれかひとつだけで判断するのではなく、問診、視診、聴診、触診すべてを総合的に判断することで、溢便の可能性を見逃さずアプローチできるのではないかと考えています。

すでにカチカチになった便が腸に詰まっている状態で、頼みの綱の下剤を減量、または中止するとどうなるか。
推して知るべし🫩

だが、しかーーし。
カチカチになった便が詰まっている状態で、強い刺激性下剤を安易に使うことも危険です。

ね?HONOさん!

💊ママ薬剤師HONO

はい!少し解説しますね!
高齢の方で「少しずつ便が漏れる」「下痢みたいな便が続く」というときは、腸の出口付近に硬い便がフタのように詰まっていて、そのすき間からやわらかい便だけが漏れている場合があります。

この状態のときに、腸を強く動かすタイプの便秘薬(刺激性下剤)を続けて飲むと、硬い便が内側から腸の壁を強く押しつけてしまい、腸の粘膜が傷つき、穴があく(腸に穿孔ができる)、おなかの中に便が漏れて命に関わる状態になるおそれがあります。

「便秘なのに下痢が続く」
「少しずつ漏れる」
といった症状があるときは、自己判断で便秘薬を増やしたり種類を変えたりせず、まず医師に相談して、硬い便が詰まっていないかどうかを確認してもらうことが大切です。

🐦️リハビリ看護師イロドリ

HONOさんありがとうございます✨️

基本的にはこのようにカチカチになった便が、腸内に詰まるような状況になる前になんとかしたいところですよね〜🙂‍↕️


🔶高次脳機能障害や認知症の人は、訴えること自体が難しい

🐦リハビリ看護師イロドリ

問診でも少しお話ししましたが、排泄に関する話題は羞恥心を伴うので、なかなか自分から話題にしにくいですよね。
それに加えて、疾患や障害で「トイレに行きたい」と訴えることが難しい場合もあります。
そして失敗すると「こんなことすら人の手を借りないといけないのか」と、患者さんの自尊心は傷つきます。

なぜ訴えられないのかは今後別の記事でお伝えするとして、今回は患者さんが「自分で訴えることが難しい」場合、普段私がどう対応しているかをお伝えします。

まずはスライドをご参照ください。

もしかしてトイレに
行きたいんじゃないかな~?

私は勤務のはじめにカルテから、患者さんの排便習慣、前日の下剤使用の有無、最後に出た便がいつだったのかなどを、把握しています。

そして「〇〇さん、今日あたり便が出るかもしれないな」とある程度予測をして、患者さんに関わるようにしています。

現場でケアをしていると「今日あたり便が出るかも」と予測していた患者さんが、なんだか落ち着かないみたい😳

事前に予測を立てておくことで、「あ、もしかしたらトイレに行きたいのかもしれないな?」
と判断することができます。


もちろん排便以外の理由で落ち着かないこともあるので、全てが排泄に結び付くわけではありませんが……。

排泄のサインは、基本的・生理的欲求と言って、人間が生きていく上で不可欠な欲求に分類されます。
脳でじっくり考える前に神経反射で素早く処理される造りになっていて、他の思考を遮断して排泄行動を優先させるほどなんです。

ですから、訴えられない患者さんが落ち着かなくなった時、まずは排泄と結びつけるのは、悪くない判断だと私は思っています。

タイミングを見極めて「トイレに行ってみましょう」と誘うと、患者さんがトイレで排泄ができることがあります。

はじめは空振りかもしれません。

でも、何度か繰り返すと、患者さんの方も『行きたくなったらトイレに行っていいんだ』ということを、頭と身体が思い出していきます。

そして、徐々にトイレでの排泄が成功するようになっていき、最終的にはこちらが誘わなくても、患者さんが自分から「トイレにいきたい」と訴えられるようになってきます。

この成功体験✨️のレールに乗せてあげることが、便秘解消への第一歩であり、排泄行動をもう一度取り戻す支援になるのだと思います。

*その人の排便習慣を知ること。

*下剤の使用状況を確認すること。

*落ち着かなさや表情、動き方の変化に気づくこと。

*「もしかして、トイレに行きたいのかな?」と考えて関わること。

自分から訴えることが難しい患者さんほど、こちらが小さなサインを拾っていく必要があります。

便秘を悪化させないためにも、下剤だけに頼るのではなく、排便のタイミングを見つけて、トイレで出せる機会をつくること。

これも、リハビリ看護師ができる排便ケアのひとつだと考えています。


🔷便秘にならないために

リハビリ看護師イロドリ🐦️

今回は『便秘と下剤』というテーマで、回復期多職種協働ラボを開催してみました。
排便習慣は人によって異なりますが、便秘はなってもいいこと全然ありませんから……😫

穏やかに腸が整うのが1番だと私は思っています。

そのためには腸活✨️推進派ですよ、私は🤣

『便秘』のときに、一時的に下剤に頼ったとしても、長期的に見て下剤を飲み続けてもあんまり良くないな?というのは、長い看護師経験のなかでずっと感じてきたことです。


もちろん疾患の治療として必要なものもありますので、下剤をやめなさいというわけではありません。

でも、安易に下剤を選択するよりも、腸を元気にして、長く元気な腸と付き合っていけるようにしたいなぁ……🤔と、思うのです。
普段から便秘の私が言うのもなんですが😅

腸活について管理栄養士ふじのさんがとっても興味深い記事を書かれていました✨️
私も参考にしたいなぁと思っていますが、皆さんもよろしければ、ぜひ😆👇️


🔶最後に

リハビリ看護師イロドリ🐦️

ママ薬剤師HONOさんとの新企画『回復期多職種協働ラボ』いかがでしたでしょうか?
回復期というところは、それぞれの専門職が、お互いの専門性を持ち寄りながら、ほかの職種と連携して、患者さんにアプローチして、回復を目指す場所です。

今回noteでたまたま知り合ったご縁で、noteでも多職種協働ができたことを感謝しています😊✨️

ママ薬剤師HONOさんありがとうございます!
そして『回復期多職種協働ラボ』はこれからも、いろんな職種の方と連携しながら、記事を投稿していけたらいいなぁ💕と目論んでいたりもします🤭

もし、コラボ希望の方がいらっしゃいましたら、私のところでもHONOさんのところでも構いません。
コメント欄にコラボ希望と、どんなテーマでディスカッションしたいか教えて頂けると嬉しいです✨️

そんなママ薬剤師HONOさんとの、ほかのコラボ記事はコチラ👇️

※ママ薬剤師HONO💊さんのご質問をもとに、リハビリ看護師イロドリ🐦️が服薬管理の時に見ていること、考えていること、実践していることを記事にしています。
よろしければご覧ください😊


それでは『回復期多職種協働ラボ』第2回でお会いしましょう〜👋

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イロドリの詩/KSU事務局・コメント荒らしの女神 応援してくださってありがとうございます😊 頂いたチップは、記事を書く活力の源として、懐かしお菓子🍘シリーズに投資させて頂きます🤭