「手話ができなくても大丈夫」――“手話だらけ”の空間が横浜に生まれる
手話通訳士のあらかわいおりです。
手話に関することを幅広く発信しています。
現在7冊の本を出版し、
2026年中に10冊の手話の本を出版するべく執筆中です。
手話通訳のような、ボランティア色の強い仕事をしている方々が、
noteを中心に副収入を得ることで、
より仕事に励むことができる。
そのロールモデルになるべく奮闘中です。
Googleで「手話 あらかわいおり」と検索していただくと、
私の活動がわかります。
今日は「手話だらけ」という楽しそうなイベントを紹介します。
全国ろうあ者大会と同じ日程ですが、富山に行かない人はぜひ行ってみましょう。
勇気を出して、手話でお話ししてみましょう。
「手話が分からないから、行っても大丈夫かな」
そんな不安を持つ人にこそ、行ってみてほしいイベントがあります。
2026年6月6日と7日、横浜・あざみ野で開催される「手話だらけの日 −暮らしをひらくマルシェ−」。
名前だけ聞くと、手話経験者向けのイベントのように感じるかもしれません。
しかし、この催しの魅力は、「手話ができる人だけの空間」ではないところにあります。
むしろ、“手話を知らない人も自然に混ざれる空間”を目指しているところに、大きな意味があるのです。 (横浜市民ギャラリーあざみ野)
手話やろう文化を「特別なもの」にしない
このイベントを企画したのは、横浜市青葉区の菓子店「めめ菓子工房」の店主であり、ろう者でもある伊藤ホサナさん。
記事の中で伊藤さんは、
「手話を特別なものでなく、普段の暮らしの延長に感じてほしい」
という思いを語っています。
私は、この言葉にとても共感しました。
手話というと、どうしても「勉強するもの」「難しいもの」「特別なコミュニケーション」というイメージを持たれやすい。
しかし本来、手話は“生活の言葉”です。
買い物をする。
おいしいと言う。
困ったと伝える。
笑い合う。
そうした日常の中にあるものです。
今回のマルシェは、まさにその「暮らしの中の手話」を体験できる場なのだと思います。 (横浜市民ギャラリーあざみ野)
「通じ合いたい」が人を動かす
イベントでは、雑貨やおやつ、食事など全国から21団体が出店予定とのこと。
さらに、絵本手話語りやクイズラリー、Tシャツ絞り染めなど、子どもから大人まで楽しめる企画も用意されています。
特に印象的だったのは、
「来場者自身が工夫してコミュニケーションを取る」
という考え方です。
つまり、「手話ができないから無理」ではなく、
身ぶりでもいい。
指さしでもいい。
スマホに文字を打ってもいい。
まずは「伝えたい」と思うことが大切なのです。
これは、手話の世界だけの話ではありません。
人と人とのコミュニケーションの本質そのものだと思います。
記事の中で担当者が語っていた、
「おいしいものを食べたいと思うと、何とか思いを伝えようとする」
という言葉も、とても印象的でした。
人は、“通じ合いたい”と思った瞬間に、工夫を始めるのです。 (横浜市民ギャラリーあざみ野)
「聞こえる・聞こえない」を分けない空間
このイベントの素敵なところは、「支援」や「福祉」を前面に押し出しすぎていないところだと感じます。
もちろん、ろう文化や手話への理解は大切です。
しかし、「理解しなければならない」という空気が強すぎると、人は構えてしまうことがあります。
その点、このマルシェは、
「まずは楽しもう」
という入口になっています。
おいしいものを食べる。
かわいい雑貨を見る。
体験を楽しむ。
その延長線上に、自然に手話がある。
この“自然さ”が、とても大事なのだと思います。
「聞こえる人」「聞こえない人」を分けるのではなく、同じ空間で一緒に楽しむ。
そこに、新しいコミュニケーションの形があるのかもしれません。
手話は「できる・できない」だけではない
普段、ろう者のお店では、筆談や身ぶり、スマートフォンなどを使ってやり取りをすることも多いそうです。
これは、手話通訳の現場でもよく感じることですが、コミュニケーションは“言語能力だけ”ではありません。
相手に伝えようとする姿勢。
分かろうとする気持ち。
それだけでも、空気は大きく変わります。
逆に、どれだけ言葉を知っていても、相手に関心がなければ、通じ合うことは難しい。
だからこそ、このイベントは「手話を学ぶイベント」である以上に、
「人とつながる感覚を体験するイベント」
なのではないかと思いました。
「手話だらけ」の未来は、きっと優しい
「右を見ても、左を見ても、どこを見ても手話だらけ」
そんな空間を想像すると、なんだか少しワクワクします。
でも本当に素敵なのは、“手話だらけ”なのに、誰も排除されていないことです。
手話ができてもいい。
できなくてもいい。
うまく伝えられなくてもいい。
それでも、「関わってみたい」という気持ちを歓迎してくれる。
そんな空間は、きっと優しい。
こういう場所が全国に少しずつ増えていったら、手話やろう文化は、もっと自然に社会に溶け込んでいくのかもしれません。
「手話ができないから行けない」
ではなく、
「手話を知らないからこそ行ってみたい」
そんな人が増えていくといいなと思います。
イベントの詳細は、手話だらけの日 公式ページ から確認できます。 (横浜市民ギャラリーあざみ野)
伊藤ホサナさんの映像
伊藤ホサナさんのお店
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