【油絵日記】夜22時の、終わらない贅沢。2枚目の油絵を「一旦」描き終えて。
はじめに
現在、我が家には5歳の娘が一人。そしてこの3月には、いよいよ新しい家族となる長男が生まれる予定です。 新しい命を迎えるワクワクと、「また賑やかになるなあ」という少しの緊張感。そんな“嵐の前の静けさ”のような夜に、ひっそりと続けている楽しみがあります。
それが、「油絵」です。
家族が寝静まったあとの、夜22時。リビングのテーブルに新聞紙を敷き、絵具を広げる。 今回は、そんな僕の深夜の密かな趣味と、2枚目の作品(写真の黄色い花の絵)についてのお話です。
1. 「30分だけ」のつもりが、つい……
正直に言うと、油絵をがっつり描く時間を確保するのはなかなか大変です。 準備も片付けも手間がかかるし、娘が起きている間は絵具を触らせるわけにもいきません。
そこで僕は、自分の中でルールを決めました。 時計を確認しながら、「よし、今日は30分だけ描こう」と決めてキャンバスに向かうのです。
ところが、これがなかなか守れません(笑)。 静寂の中で、ペインティングナイフがキャンバスを擦る音だけが響く。色を重ね、質感を整えているうちに、いつの間にか「没頭」のスイッチが入ってしまいます。「あと少しだけ」「ここを直したら」と繰り返しているうちに、気づけば日付が変わっている……。
翌朝の眠気と引き換えに手に入れる、この「夜ふかし」の時間。誰かのパパでもなく、ただの「絵を描きたい自分」に戻れる、僕にとっては代えがたい贅沢な時間です。
2. 「書き直し」ができるから、終われない
今回、2枚目の作品を描いていて、改めて油絵の面白さと難しさを感じました。それは、「何度でも書き直しが効く」という点です。
油絵は乾くのが遅いので、気に入らなければナイフで削り取れるし、上から別の色を重ねて隠すこともできます。 「花びらをもう少し厚く盛ってみようか」「背景の黒に、もう少し深い緑を混ぜてみようか」 そう思って筆を動かし始めると、もう止まりません。
「いつでもやり直せる」という安心感があるせいで、どこで筆を置けばいいか、いつ完成とすればいいかが、本当に分からなくなる。これが油絵の、甘く危険な沼ですね。
3. 一旦「完成」……だけど、また描きたくなる
そんなわけで、この黄色い花の絵も、毎晩のように「もうこれでいいのか? いや、まだいけるか?」と自問自答を繰り返してきました。
最終的に、「今の僕の精一杯はこれだ」と自分に言い聞かせ、一旦は完成ということにしました。 何度も塗り直したことで、花びらには独特の重厚感が出て、1枚目よりも力強い表情になった気がします。

でも、実を言うと、今リビングに飾っているこの絵を眺めながら、「やっぱりあそこをもう少し変えたいかも……」なんて考えている自分がいます。 油絵は、乾燥したあとでも上から重ねて描けるのが魅力。だから、数ヶ月後、また全然違う色を重ねてしまうかもしれません。
最後に
パレットを洗うのも面倒な趣味ですが、僕はこれからも、細く長くキャンバスに向かおうと思います。
「なかなか完成しないんです」と笑いながら、長い時間かけて一枚の絵を書き直していくのも、それはそれで贅沢な趣味かもしれません。
さて、次に筆を握る時は、どんな気分で色を選んでいるでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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