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一歩踏み出したいのに足が止まる──「変わること」が怖く感じてしまう心のしくみ


はじめに

「このままではいけない。」

そう思いながらも、今の生活を変えられない。
転職したいと思っているのに応募できない。
本当は断りたいのに、いつも引き受けてしまう。
新しいことを始めたい気持ちはあるのに、
結局いつも通りの毎日を選んでしまう。

そんな自分に対して、
「意志が弱い」「勇気が足りない」と感じてしまう人は少なくありません。

しかし、変わることへの不安は、決して意志の問題だけではありません。

人の心には、現状を維持しようとする自然な働きがあります。

その働きは、これまで自分を守ってきた大切な機能でもあります。

だからこそ、「変わりたい」と「変わるのが怖い」が
同時に存在することは、決して矛盾ではありません。

今回は、人が変化を恐れてしまう心の仕組みと、
その不安と向き合いながら少しずつ前へ進むための考え方について
お話しします。


今の状態は「安全」だと脳が判断している

人は未知のものに対して慎重になります。

これは生き残るために身につけてきた本能の一つです。

新しい環境には、分からないことがたくさんあります。

どんな人がいるのか。
うまくやっていけるのか。
失敗しないだろうか。

未来が見えないからこそ、心は警戒します。

一方で、今の環境が多少苦しくても、
すでに知っている世界であれば予測ができます。

嫌な上司がいることも分かっている。
忙しい毎日になることも分かっている。
多少の我慢が必要なことも理解している。

苦しさはあっても、「何が起きるか分かっている安心感」があるのです。

そのため、現状より良い未来が待っている可能性があったとしても、
脳は「分からない未来」より「知っている現在」を選ぼうとします。


失うものばかりに目が向いてしまう

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