「何を感じているのか分からない」──心の声が少しずつ聞こえなくなってしまうとき
はじめに
「今、どんな気持ち?」
そう聞かれても、すぐに答えられないことがあります。
悲しいわけではない。
怒っているわけでもない。
嬉しいわけでもない。
ただ、何となく苦しい。
何となく疲れている。
そんな曖昧な感覚だけが残っていることがあります。
以前は好きだったことに興味が持てなくなったり、
何を選べば自分が満足できるのか分からなくなったりすることもあります。
その状態が続くと、
「自分は何を考えているのだろう」
「本当はどうしたいのだろう」と戸惑うようになります。
感情は誰にでもあるものです。
それなのに、自分の感情だけが分からなくなるのは、
不思議に思えるかもしれません。
けれど、それは心がおかしくなったからではありません。
これまでの環境や経験の積み重ねの中で、
自分の感情よりも優先しなければならないものが
増えてきた結果として起こることがあります。
今回は、自分の感情が分からなくなってしまう背景と、
少しずつ心の声を取り戻していくための考え方についてお話しします。
感情は無くなったのではなく、感じ取れなくなっている
「自分には感情がない気がする。」
そう話す人がいます。
けれど、本当に感情が消えてしまうことはほとんどありません。
心は毎日さまざまな反応をしています。
安心したり、不安になったり、期待したり、落ち込んだり。
その変化は今も続いています。
ただ、その変化を感じ取る前に、
「今は考えている場合ではない」と心の働きを止める習慣が
身についていることがあります。
仕事を優先する。
家庭を優先する。
人間関係を優先する。
そのような毎日が続くと、
自分の感情を確認する時間が少しずつ減っていきます。
すると感情は消えたのではなく、聞こえにくくなっていきます。
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