「本当は違う」と言えない──本音をしまい込む心が少しずつ疲れてしまうとき
はじめに
「何でも話していいよ。」
そう言われても、本音を口にできないことがあります。
本当は断りたい。
本当は傷ついている。
本当は納得していない。
それでも、「大丈夫です」「気にしていません」と答えてしまう。
その場では何事もなく終わりますが、
心の中には言葉にならなかった気持ちが少しずつ積み重なっていきます。
本音を隠す人を見ると、
「もっと素直に言えばいいのに」と思うことがあるかもしれません。
けれど、その人は好きで本音を隠しているわけではありません。
本音を伝えることよりも、
本音を隠すことのほうが安心して生きられた経験を
重ねてきた可能性があります。
今回は、人が本音を隠してしまう背景と、
その心の動きについて考えていきます。
本音は「言えない」のではなく「言わないほうが安全」になっている
本音を話せない人は、言葉が見つからないわけではありません。
心の中には、伝えたい気持ちがあります。
それでも口にできないのは、
「伝えたあと」の出来事を想像してしまうからです。
嫌われるかもしれない。
空気が悪くなるかもしれない。
面倒な人だと思われるかもしれない。
そうした未来を無意識に予測すると、
本音よりも安心を優先するようになります。
人は利益を得ることよりも、失うことを避けようとする傾向があります。
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