ベライゾン決算 株価は上昇したが、そこまで安心できる状況でもない 高配当は魅力だが、リスクのない投資はない

Q2決算
売上:$34.3B(<予想$35.2B)前年比-0.7%
調整後EPS:$1.30(>予想$1.27)前年比+6.6%
FYガイダンス
調整後EPS成長率:+6~7%(>従前+4~5%)
FCF:+9~10%(>従前+7%以上)
VZの決算は売上は市場予想に未達。一方で利益はガイダンスとともに予想を上回り、株価は+5.8%と大きく反発した。
減収の要因は携帯電話売上の大幅減(前年比-19.7%)。一方で携帯とケーブルのサービス収入(サブスク)は+3.5%と増収を確保。
費用面ではサービスコストが+5.0%、販管費は+15.0%と売上以上の伸び。携帯仕入れコストが-16.4%となり全体の営業費用は+2.8%。結果、営業利益は-12.2%の減益。
FCFは会社プレゼン資料では+16%と大きく伸びているように見える。が、これは投資CFがCAPEXだけで計算されているものであり、買収を含めるとFCFはほぼトントン。(携帯キャリアの場合、既存設備を他の会社から買うに等しいM&AはFCF計算上の投資CFに含めるのが妥当)
配当は順調に拡大しているが、上記の通り余裕あるFCFからの配当ではないため、金利上昇による利払いや借り換えコストの上昇と合わせて、財務CFは前年比+67%と急増。
ということで、Alpha Watcherの見立ては、今日の株価の反応ほど良い決算ではない。下段に財務諸表を寸評付きで掲載したが、はっきり言って余裕はない。今日の株価上昇でSPCX上場やCMCSA分社化による競争懸念で生じた窓を埋めた形となったが、先行きはそれほど楽観できない。
6%を超える配当利回りは魅力だが、逆に言えば、この高い利回りは、これまでの安定配当成長の先行きに疑問が生じている証拠でもある。老後資金に向いている投資先であることは確かだが、そこまで安心して託せる会社でもない。
もちろん明日明後日に崩れる会社ではないのだが、「リスクのない投資先はない」ということは高配当株投資でも変わらない、ということは肝に銘じておいた方が良いだろう。

GAAPベースでは減収減益
サービスコストの伸びはサービス収入を上回る

株主資本減少、負債増加で自己資本比率低下

営業CFの伸びに比べM&Aを含む投資CFの伸びが大きい
財務CFは急増

この安定配当成長は老後資金投資先としては魅力だ
が、これは将来の配当成長を約束するものではない

