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キャンプを“仕事”にするってアリ?キャンプの資格と仕事、そしてこれから。

こんにちは。国際自然環境アウトドア専門学校(i-nac)です。

この記事では「キャンプを仕事にするってどういうこと?」「資格は必要?」「どんな学びがあるの?」といった疑問にお答えしながら、いま注目されている“キャンプをめぐる働き方”と“これからの可能性”をお伝えします。


実践者インタビュー:小野 彰太 先生(アウトドアガイド学科・学科長)

今回、お話を伺ったのは当校でキャンプ実習を担当したり、学外でもキャンプに関する事業を担当する小野彰太先生です。

2013年当校を卒業。アウトドアブランド「モンベル」での勤務経験を経て、現在はi-nacで野外教育や自然ガイド、アウトドアスポーツやキャンプの指導などを担当。幼児から大人まで幅広い層に自然体験を提供しています。

「自然を伝える」って、知識を教えることじゃない。まずは自分が自然と全力で向き合い、楽しむことがすべての原点だと思っています。

登山・カヤック・SUP・スキーや山菜取り・キノコ狩りなど、プライベート含め、四季を通じて自然を“舞台”にしたプロフェッショナルとして活躍中。アウトドアガイドの本質を「自然の価値を“感じ、伝え、守る”存在」と語ります。

・日本山岳ガイド協会 自然ガイドステージII
・日本キャンプ協会 キャンプディレクター1級
・日本セーフティカヌーイング協会 アドバンストインストラクター(カヤック、SUP)
・日本セーフティカヌーイング協会 ベーシックインストラクター検定員


いま、なぜキャンプなのか?

2020年の新型コロナ禍をきっかけに、キャンプは再注目される存在となりました。密を避けられる自然空間での過ごし方として人気が高まり、それ以降も「体験価値」や「ウェルビーイング」を求めるライフスタイルの流れの中で、キャンプ文化はますます定着しています。

さらに2025年現在、キャンプは単なる“趣味”を超えて、教育・福祉・まちづくり・観光など多分野と接続する“社会的な価値”をもつアクティビティとしても見直されています。


進化するキャンプの楽しみ方と仕事のかたち

キャンプのスタイルも年々多様化。たとえば──

  • ソロキャンプ:一人で自然と向き合う時間を楽しむ

  • グルキャンプ:仲間たちと“非日常”を味わう

  • グランピング:快適性と自然体験を両立

  • ブッシュクラフトキャンプ:サバイバルスキルを駆使した野営スタイル

こうしたトレンドとともに、キャンプを「仕事」にする人も増えてきました。たとえば、

  • キャンプ場の運営・管理

  • アウトドアブランドでの製品開発や販売

  • 教育・福祉現場での自然体験プログラム提供

  • キャンプインストラクターや野外教育指導者

  • SNSやYouTubeでのキャンプ系クリエイター活動

など、キャンプのプロフェッショナル像も多層化しています。


キャンプの資格について

まず国内のキャンプ関連の資格の中で最も認知されているものとして、公益社団法人日本キャンプ協会が認定する、

・キャンプインストラクター(以下:CI)
・キャンプディレクター2級(以下:CD2)
・キャンプディレクター1級(以下:CD1)

という資格があります。CD1が最上位です。

資格の内容としては、

CI:キャンプ指導(技術、知識)を行えることを認める資格。
CD2:キャンププログラムの進行とマネジメントを行えることを認める資格。
CD1:キャンププログラムの責任者を担えることを認める資格。キャンプの普及という点でも社会的な役割を担う。

ここで、確認しておきたいのはこれらの資格に共通しているのは「指導者」としての資格であるという点です。
個人のキャンプスキルや知識を認めるための資格ではありません。 

それぞれの資格は下位から順々に取得可能で、取得方法は次のとおりです。

CI:所定の理論(筆記テストあり)と実践のカリキュラムを受講。概ね2泊3日。

CD2:事前レポート+2泊3日の集合研修(筆記テストあり)。
及び、受講要件としてCI取得後に、アウトドア活動参加経験2回以上と1泊以上のキャンプ指導経験が必要。

CD1:事前レポート+2泊3日の集合研修+認定試験(1泊2日)
及び、受講要件としてCD2取得後に、1泊以上のキャンプ指導経験が2回以上必要。

ディレクターになれば、下位資格(CD2であればCIを。CD1であればCD2を)の指導者養成に関わることが可能となります。

i-nacは日本キャンプ協会の課程認定団体として、CI、CD2の養成を学校のカリキュラム(※)の中で行っています。また、希望する学生は在学中にCD1を取得した実績もあります。
(※アウトドアビジネス学科キャンプギアビジネス学科

これら以外では、国内においては、ブッシュクラフトに関する資格、バーベキューに関する資格など、様々なキャンプに関する民間資格が存在します。

i-nacでは、各資格の社会的な位置付けを踏まえて学生にアドバイスを行っています。


気になるキャンプインストラクターを深掘り!

先ほどもお伝えした通りキャンプインストラクターは、キャンプ協会の資格では入口に当たるものになります。

キャンプに親しんできて、「家族や友達にキャンプのことを教えたい」「子どもキャンプのスタッフに興味がある」といった次のステージが見えてきた方に挑戦して欲しい資格です。

協会では、キャンプインストラクターとして認める条件として、
①18歳以上で、指導者にふさわしい知識と資質を有すること。
②キャンプにおいて、小集団の生活を指導する基礎的な理論と技術を身につけていること。
③日本キャンプ協会所定のキャンプインストラクター養成課程を修了し、所定の試験に合格していること。
と、定めています。

キャンプインストラクターは現在3700名ほどが在籍しており、全国に指導者が存在します。インストラクターになる方々は、自然体験の指導に関わる方や、学校の先生に始まり、大学や専門学校の授業の一環として学生で資格を取得するケースもありますね。

カリキュラムの内容としては、大きく「理論(10時間)」と「実技(10時間)」に分かれています。

一般に開かれている資格講習では、これらを2泊3日のプログラムとして実施するケースが多いです。内容の話しに戻りますが、

理論は、
・キャンプの特性→キャンプとは何なのか?キャンプインストラクターで扱うキャンプについて
・キャンプの対象→キャンプを提供する人の理解。キャンプ環境による様々な影響について
・キャンプの指導→指導者として求められる資質。役割。指導において必要な知識
・キャンプの安全→キャンプ環境でのリスク(危険)考え方。対処法について
の4単元で構成されています。

どれもキャンプを指導する上では、大切な内容です。
受講者はこれらの講義(座学)を受けた後、60分の筆記試験を実施し6割以上の正答が必要となります。(※筆記試験には、理論4単元の全ての内容が含まれています)

実技は、
・さまざまなアクティビティ(5時間)→登山、自然観察、野外ゲームなど協会が定めるキャンプ以外の体験活動の中からいずれかを実践。
・キャンプの生活技術(4時間)→テント設営、野外炊事、ロープワークなど協会が定めるキャンプ技術のいずれかを実践。
・キャンプの安全(1時間)→実践を通してキャンプ活動の安全について考えます。
の3単元の実践を修了することが必要となります。

まとめると、キャンプインストラクターになるには
1、理論の筆記試験に合格(6割以上の正答)
2、所定の実技科目の修了
3、日本キャンプ協会への入会(入会料、年会費が必要です)

というステップが必要になります。
これらの過程を通して、キャンプとは何なのか?人に伝えるとはどういうことなのか?キャンプの魅力は何なのか?ということが整理できると思いますし、また自分の気づいていなかったキャンプの発見があると思います。

資格を取得しようと思った時は、どうすれば良い?

キャンプインストラクターは日本キャンプ協会、もしくは協会が認めた団体(過程認定団体)がキャンプインストラクター養成講座を全国で開催しています。なので、それに参加してください。

問い合わせは、各県ごとにキャンプ協会の支部があります(新潟県キャンプ協会や東京都キャンプ協会)のでそちらに問い合わせるのが良いでしょう。

i-nacは日本キャンプ協会の過程認定団体ですので、ご説明したカリキュラムを年間を通した授業の中で履修することができます。

なので、貴重な休みを使わずとも「授業」として資格を取得できてしまう点は、学校のメリットですね。


キャンプの仕事とこれから

キャンプに携わる仕事として一番はじめに思い浮かぶのはキャンプ場でしょうか。
ただ市場の伸びと共に、就職・仕事についても現在は多様化が進んでいるので、3つに大別してお伝えします。

1、キャンプ場の運営
2、キャンプ道具などの販売
3、キャンプを活用した教育

1. キャンプ場の運営

小規模から大規模まで様々なケースがありますが、基本的にはキャンプ場施設の管理と利用者を増加させるための運営が基盤です。

立地によって、活用できる魅力(海、川、山など)やリスクは異なりますので、その特徴を踏まえた上で、”利用者に快適で安全な環境を提供できるか”手腕が問われます。

また、昨今のブームでキャンプ場の買い手市場も進んでいます。そのため、キャンプ場も差別化を意識し、キャンパーに選んでもらう必要性が出てきます。
キャンプ場オリジナルの体験企画の提供や、より自然へのインパクトが少ないキャンプの仕方の啓蒙など、付加価値を高める動きが盛んです。

一つの例を紹介すると、長野県南部の四徳温泉キャンプ場は面白い例だなと個人的に注目しています。
・キャンプ場でありながら温泉を有する(サウナも)
・野外で環境に配慮した行動を取ることができる活動「Leave No Trace」とのパートナーシップ
など、取り組みとしてキャンプ場を牽引している例と言えると思います。

2. キャンプ道具などの販売

いわゆるアウトドアメーカー・キャンプメーカーが牽引をしてきました。
1990年代の第一次キャンプブームと言われる時代は、コールマンを代表として数メーカーが独占しているような時代でした。

しかし、昨今は国内メーカーであるスノーピークを筆頭にガレージブランドまで群雄割拠の市場状況です。

道具の多様化が進む中で、機能重視なのか、軽量重視なのか、はたまた見た目重視なのか。

”数多くの道具を熟知した上で、ニーズにあった商品を提案できる。”

さらに突っ込むと、

”道具を使って、どんなキャンプ空間や時間を提供できるのか?”
価値の提供ができる人材を目指さないと、今後のAI時代では、仕事が難しくなっていくかもしれません。

その点、スノーピーク社はブランドを通して「アウトドアで人間力の回復」や「自然志向の人生価値」を提供することを目指しています。この点で時代に合ったメーカーと言えるでしょう。

昨今は、スポーツ用品メーカー。ホームセンターなどのキャンプ市場参入が目立ちます。

こういった会社では、幅広いアウトドアの経験と深い思考力があるスタッフは貴重な人材とされるでしょう。

3. キャンプを活用した教育

ここに携わる仕事は、意外と古くからあるものです。
国内でのキャンプによる教育を牽引したのは、ボーイスカウトとYMCAですがその初回のキャンプ活動は、1916年と1920年まで遡ります。
(2019年日本キャンプ協会「キャンプ指導者入門第5版」より)

ここから公害などの問題も相まって環境教育の必要性も高まり、キャンプによる教育活動は盛んになっていきました。

1953年には文部省(当時)が「青少年キャンプ指導の手引き」を刊行するなど、国もキャンプの活動を後押しし、青少年へのキャンプ指導に関わる人々は増加していきます。

そして、社会教育・学校教育の一環として普及したキャンプが近年では、家庭教育や人材教育という分野にフォーカスしてきている印象です。

これに伴って、キャンプを届ける対象も多様化してきています。
いわゆる青少年(小学生、中学生、高校生)だけでなく、幼児、大学生、障害を持った方(スペシャルニーズと呼んでいます)、組織の幹部候補まで。

こういった動きにいち早く対応してきたのは、民間でキャンプ活動を提供する自然学校という組織ですが、多様化するニーズと売り手市場の状況下で、厳しい状況が続いているように見えます。

このように、キャンプの教育分野は新たなフェーズを迎える必要があります。


i-nacでは、2023年4月から、新規事業として、研修事業部をスタートしました。年間3,000名の専門学校生や大学生、企業のビジネスパーソンに向けて様々な野外研修を行っています。


これまでの歴史で育ってきた「キャンプの裾野」を登って、5合目、そして8合目を目指す必要があるのです。

幼児やスペシャルニーズ、またはビジネスパーソンといったより高度なサービスや専門性を持った指導者が必要となってきます。

就職という点では、トヨタ白川郷自然學校のように大きな企業が支援する組織は安心感があるでしょう。
しかし、教育という視点で見れば、活用できる環境は国内のどこにでもあります。

また、家庭教育としてのニーズも今後高まっていくでしょう。その点では、しっかりと教育者としての素養を持って、アウトドア環境を活用できる人材はどこでも活躍できると信じています。

大切なことは、教育こそ時代の流れと変化をしっかりと見据え、それに対応した価値を提供できるかどうかという姿勢だと感じています。


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