楽な育児(9) もう怒らない!子どもが素直になる「愛の型」3つのステップ
はじめに
「愛の型」というのは、一昔前に話題になったコーチング技術の中のひとつの技です。
『楽な育児(2)』では「魔法のセリフ」を紹介しましたが、今回紹介するのは、もっと根本的な「叱り方のフォーム」です。
これは、誰でも簡単に、そして楽に実践できます。効果のほどは…、というよりも、これを実践することで、今まで子どもは訳も分からず怒られていたんだな、ということを知り深く反省しました。私の場合、それが一番の収穫だったかもしれません。
実は、叱る前にまず子どもの状況を確認することは、育児やコーチングの分野でもよく推奨されている方法です。
やり方は簡単です。型(フォーム)に従うだけです。子どもが何か悪いことしたとき、叱りたい気持ちをとりあえずぐっとこらえて、まず何をしたか確認することから始めます。
「今、何した?」
まず最初のステップは、状況の確認です。
例えば、落とした食べものを手でつまんで食べたとき。「こら!」と怒鳴る前に、まず聞きます。
「今、何した?」
「…。わかんない。」
わからないという答えが意外と返ってきます。これは何がいけなくて何がいいかを親がちゃんと教えていなかった証拠です。あるいは、教えていてもまだ定着していない、つまり教えがたりないということでもあります。
そういうときは、いきなり怒るのではなく、ちゃんと教えてあげます。何度か繰り返せば、答えられるようになります。
「今、何した?」
「…落としたもの食べちゃった。」
ちなみに、この段階で子どもが「ごめんなさい」と謝ってきても、それは一旦置いておいて、何をやったかを確認するべきだそうです。謝罪よりも事実確認が先決です。
「なんで、いけないの?」
何をしたかを意識させたら、次のステップです。なぜいけないかの理由を言わせます。
「なんで、食べたらいけないの?」
「…。わかんない。」
意外なことに、最初は全く答えられません。つまり、今まで子どもは理由もわからず、ただ怒られたから謝っていた、というわけです。
答えられなかったときは、親が代わりに子どもにわかるように説明しないといけません。これまた意外と難しかったりしますが、ここが一番のポイントです。
「落としたら汚れてるでしょ。汚れたものそのまま食べたら病気になるかもしれない。わかった?」
「うん。」
何回か説明すると、次からは答えられるようになります。
「なんで、食べたらいけないの?」
「えっと、落ちたの食べたら死んじゃうかもしれないから。」
「うん。そうだね。死ななくても、病気になったりしちゃうよね。」
理由を理解させることで、子どもは自分で考えるようになります。
関係ない話をする
最後のステップは、切り替えです。
確認と説明が終わったら、関係ない話をして話をそらし、終わりです。これも大事なポイントです。いつまでも説教を引きずらないようにします。
おわりに
この「愛の型」を実践するようになって、今まで伝えていなかった「理由」を子どもに伝えられるようになりました。
そして何より、親である私自身が、感情的に怒らないですむようになったと思います。「怒る」のではなく「確認する」という手順を踏むことで、冷静になれるのです。
親が楽になれば、その分ゆとりに回すことができます。ゆとりが出れば、よりよい育児ができるはずです。
ぜひ一度、叱る前に「愛の型」を試してみてください。

