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【第二十五話】ゆとり世代の1987生まれが青春時代を過ごした平成についての思い出を語る【ホログラム/NICO Touches the Walls(2009〜2010年)】


※このnoteをTSUTAYAでともに働いた仲間に捧げる。

2009年から2010年にかけて。
僕はまだ見ぬ世界へ飛び出した。

「青春」とはなにか。
辞書を引くと「若さゆえの輝き、未熟さ、情熱」なんて書かれているけれど、実際僕にとってはシンプルで、音楽と共に過ごした時間こそが青春だ。

どんなところにいても、必ずこの思いは届く。
またみんなで会おう。

そう、僕は懐古厨だ。
でも、この懐古があるからこそ、今の僕があるのだと思う。

懐古厨のゆとり世代と、この気持ちを分かち合うために、このnoteを書き上げる。



まだ見ぬ世界へ

NICO Touches the Wallsの「ホログラム」は、アニメ「鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMIST」の第二期オープニングテーマだ。

「鋼の錬金術師」は今でも漫画を全巻持つほど好きな作品で、当時放送していたアニメも追っていた。
特に、人体練成や義手義足、戦争などシリアスな展開が続く中でも、コミカルでくすっと笑えるギャグが入るあの雰囲気が好きだった。

「ホログラム」はTSUTAYAの同級生たち「いつものメンバー」(いつメン)で行くカラオケで、必ずリクエストされる曲だ。

僕たちの行きつけのカラオケ「JOYSOUND」は、MVやアニメの映像が豊富だった。
そのため、いつも同じ展開になる。
最初の数曲は、デンモクの履歴を参照しながら流行りの曲や2000年代前後のバンドの曲で喉を慣らす。

そして、誰からともなく突然アニソンが始まるのだった。
ふいに始まるハガレン縛り。
「ゴールデンタイムラバー」や「Period」で男性ボーカルの曲を競い合い、入れる曲がなくなると「つないだ手」や「瞬間センチメンタル」しか選択肢がなくて喉を潰す僕たち。

次はガンダム縛りがスタート。
「THE WINNER」や「BEYOND THE TIME」で宇宙世紀の儚さに酔いしれる。
「INVOKE」や「儚くも永久のカナシ」で熱いバトルシーンに歓喜する。
最後はロボットアニメ縛りだ。
「DAYS」や「空色デイズ」でロボットアニメの真髄を見る。
「COLORS」や「O2」とともに、コードギアスの名シーンで盛り上がる。
そして、「モザイクカケラ」で壮絶なネタバレを受ける僕だった。

正直な話、当時の僕はハガレンくらいしかアニメは見ていなかった。
そのため、上記で挙げた曲は一つもわからなかったし、カラオケでのアニソンメドレータイムは、僕にとってドリンクバーの交換タイムだった。
それでも、いつものメンバーとカラオケへ行くたびに、僕はフルコースで洗礼を受けた。
次第に、観てもいないのにアニソンが歌えるようになっていた。
これが洗脳か。

そして当時の僕はといえば、週に一度のゼミ以外はホームセンターでのアルバイトの予定しかなく、時間を持て余していた。
そんな隙間を埋めるように、アニメを見始めたのだった。
確か、友人から「とっつきやすい」とオススメされた「コードギアス 反逆のルルーシュ」をTSUTAYAでレンタルして見始めたのがきっかけだった気がする。
それからは、みんなに追いつこうと必死で、とにかく映像作品を見まくった。
そして、僕の相棒のiPod touchにも、アニソンというジャンルで様々な曲を入れまくった。
カラオケで気になる映像や曲があったらメモ→TSUTAYAでアニメを借りる→主題歌をiPod touchへ同期する、を何度繰り返したことか。

気がついたときには、僕もアニソンメドレーに参加していたし、何だったらノリノリでメドレーをスタートする奴になっていた。

この出来事がきっかけとなり、今ではすっかりロボットアニメが好きだ。
ガンプラを作っているし、たまに友人たちと遊ぶ時にはアニメの話で盛り上がる。
そして、時間が合えば、いつものメンバーで映画を見に行くこともある。

「ホログラム」を聞くと、あの時のカラオケで歌ったアニソンメドレーを思い出す。
当時の僕は、「まだ見ぬ世界へ」飛び出したばかりだった。


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2009年秋。
何かと集まっていた僕たちにとって、思い出のゲームがある。
それは「ポケットモンスターハートゴールド・ソウルシルバー」だ。
※ポケモン「金・銀」をベースにグラフィックやシステムを大幅に強化したリメイク作品。当時の大学生や社会人ゲーマーの間でも「神リメイク」と評され、通信対戦や育成要素の奥深さから“廃人ロード”に踏み入れるプレイヤーが続出した。

リメイクといって侮れないのがHGSS。
僕の人生を振り返っても、これほどまでにゲームに熱中したことはないほど、ポケモンに熱中した。

確か、友人たちが「最近発売されたポケモンにはまっている」と教えてくれて、僕もノリでプレイし始めた記憶がある。
時間だけはあった僕たちは、あっという間にストーリーをクリアして、気がついたら対戦に移行していた。
最初は旅パ同士の対戦だった。
もちろん伝説も準伝説もなし。
6体6のシンプルなルールでゆるーく始まった記憶がある。

けど、そのゆるさを壊したのは僕だった。
友人との対戦に負けて、僕は打ちひしがれていた。
彼らに勝つためにはどうすればいいか。
僕はネットの波をさまよい、ある攻略サイト(ポケモン徹底攻略)に載っていた「種族値」と「努力値」と「個体値」なる存在を知った。
攻略サイトをもとに、孵化による個体値の厳選と努力値振りを丁寧に行い、パーティを組んだ。
そして、攻略サイトに載っていたエースポケモン「ジュカイン」を使い、やどりぎのたね→みがわりコンボで友人たちを撃破した。
この出来事があって以降、僕たちの均衡は崩れた。

次に友人たちに会ったのは、確か1週間後。
その時には、みんな種族値・努力値・個体値をマスターしていた。
全員負けず嫌いかよ。

それから1週間単位で対戦環境が変わっていった。
ブラッキー+ハッサムのバフ全抜きが流行ったと思ったら、ハピナス+エアームドの受けパで対抗。
役割破壊のボーマンダが頭角を表したと思ったら、ガブリアスに対抗できず落ちていく。
ガブリアスに対抗するため、ヌケニンで全抜きを狙った構成もあった。
ヌケニン対策で砂パやステロが流行った。

話は変わるが、僕はといえばゴウカザルを好んで使っていた。
ゴウカザルは、御三家にしては色んな技を覚える。
ガブリアスやボーマンダ対策に頭を悩ませていた僕は、4倍弱点を狙える「めざめるパワー」(通称めざパ)氷の個体を厳選していた。
しかし、その過程は地獄でしかなかった。
性格や個体値が一致するだけでは妥協できない。
めざめるパワーは個体値の組み合わせにより威力・属性が決まるため、さらなる厳選が必要になるのだ。
起きている時間の全てを費やし、何千匹もの卵を孵化→廃棄を繰り返した。
その単調な作業のせいで、何度寝落ちしたことか。

こうした苦労があったおかげで、理想個体が誕生した瞬間はガッツポーズした記憶がある。
それほどまでに、厳選は辛い作業だった。

僕のゴウカザルは思った通りの活躍をした。
しかし、身内環境のよくないところは、一度個体が割れると対策が取りやすいことだ。
それを逆手にとって、僕は「ゴウカザル七変化の術」を思いついた。
厳選過程で誕生した良個体を活かし、色んな型を作ったのだった。
特殊型、物理型、とんぼ返り型、がむしゃら型…。
友人たちからの「こいつ何型なのか」という考察からプレッシャーを与え、戦法で優位に立つのが好きだった。

こうして対戦や育成を繰り返した結果、最終的には全員のプレイ時間がカンストした。
これほどまでにやりこんだゲームを、僕は知らない。

今のポケモンは厳選も努力値振りも楽になった。
ゲーム内のお金で何でも解決できるのは、すばらしい改変だ。
それに比べて、当時の育成環境は地獄でしかなかった。
1週間経っても理想の性格・個体値に巡り合えないことはザラだった。

それでも僕は孵化厳選やBP稼ぎ、努力値振りに費やした時間を二度と忘れない。
理由は全くわからないが、あの時・あの時間をポケモンの育成や対戦のために過ごした瞬間は、決して無駄ではなかった。
そう自信を持って言える。
それほどまでに輝かしい思い出だったと、今では思う。



卒業旅行でも持っている男

2010年の2月。
僕たちは卒業旅行でUSJを訪れた。
確か「ぷらっとこだま」と近くのホテル宿泊がセットになった、学生に優しいプランだった記憶がある。
まだハリーポッターのアトラクションがなかった時代。
僕たちは、スパイダーマンやジョーズ、バック・トゥ・ザ・フューチャーといったライドアトラクションを体験した。
学生の最後の思い出を作るように、僕たちは全力で楽しんだ。

1つだけ、思い出深い記憶がある。
ホテルの下にあるコンビニへ夜食を買いにいった時のことだ。
ポテチやジュースなど、思い思いの品を手に取りレジに並んだ。
当時学生の春休み期間ということもあり、コンビニは混雑していた。
そのため、5つくらいあるレジに別れて並んでいた。
僕たちがレジについて会計をしている矢先、友人の1人が並んでいたレジが閉鎖された。
嘘だろ。

恐らくトラブルがあって閉鎖となったのだろうけど、次が友人の番というタイミングで閉鎖されたため、彼は別のレジに並び直すことになった。
結果、彼は通常の2倍の時間をかけて会計を済ませて店から出てきた。
僕たちは、その友人のことを「持ってる」と評した。

彼は何かと「持っている」奴だった。
例えば、アルバイトのレジ打ちでも、何故か彼のところにクレーマーが来るし、一見してクレーマーでなかったとしても面倒くさい問い合わせは彼に集中していた。

ポケモンでもそうだ。
ボーマンダのりゅうせいぐんが当たって勝ち確の場面も、何度も外している姿を目にしてきた。
ポケモンに絶対という言葉はない。
命中率90%を信用してはいけないのだ。

「持っている」彼は、こうした運命のイタズラに遭遇する度に、天を仰ぎながらこう言うのだ。
「しゃーない」と。

僕たちは、彼の「しゃーない」に何度救われたことか。
運命を受け入れることの寛容さを、彼から学んだ気がする。


もう一度みんなで

僕たちが大学を卒業してから15年がたった。
あのころアルバイトに精を出していたTSUTAYAは閉店し、駅前にあった「JOYSOUND」は廃ビルになった。

地元でTSUTAYAの跡地を見るたびに、あの頃仲間と過ごした光景を思い出す。
遠くに旅立った彼ら、地元に残った彼ら。
みんな元気にやっているだろうか。

僕は、今でもあの時のいつメンと行くカラオケに思いを馳せている。
もう一度、みんなに会いたい。
そして、またカラオケへ行きたい。
もし叶うなら、いつものように「ホログラム」からハガレン縛りのアニソンメドレーを始めようじゃないか。

■第0話(イントロダクション)はこちら。

■まとめ記事はこちらから。

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