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相鉄・いずみ中央駅|横浜ネイビーブルーと、ロードノイズの午後

泉区にある、相鉄いずみ野線・いずみ中央駅。
「いずみちゅうおう」という読み方は、仙台の泉中央駅、大阪の和泉中央駅と同じ音だ。だからここは、ひらがなで「いずみ中央駅」と書くのだろう、たぶん。鉄道に詳しいわけではないけれど、名前の表記ひとつに、その土地のポジションがにじむ気がする。

ホームはリニューアルされていて、相鉄のブランドイメージそのものだった。
横浜ネイビーブルーを基調にしたシックな色調。
昔の「ちょっとダサいけど、それが味だった」相鉄の駅の記憶は、もうない。
いまの相鉄は、明確に“かっこよさ”をデザインしている。

電車が走り去ったあと、ホームには無音が落ちる。
空間だけが残り、音が消える。
さっきまであったはずの気配が、きれいに引き抜かれたような静けさ。

改札を出ると、相鉄ローゼン。
ここは相鉄の街だ、とはっきりわかる。
企業の名前が風景になっている場所。

外に出ると、泉区らしい景色が広がる。
高架下の道路は、ロードノイズが大きく、騒々しい。
タイヤとアスファルトが擦れる音が、連続音として空気を満たす。
車の流れは途切れず、静寂は生まれない。

匂いはガソリンスタンドの匂い。
揮発油とオイルの混じった、あの独特の匂い。
なぜか嫌いではない。
人工的で、少し無機質で、でも街の生活の匂い。

歯医者、整骨院、薬局、ガソリンスタンド、石材屋。
生活インフラの看板が、淡々と並んでいる。
高齢の人たちが歩いているけれど、
どこへ向かっているのか、どこから来たのかは分からない。
目的が風景に溶けている。

ふと視界を横切る、横浜ネイビーブルーの車体。
相鉄の電車が走り去っていく。
色だけが、記号として残る。
動いているのに、静かに見える不思議な存在感。

駅に戻る。
構内の静けさと、外の騒音のコントラストがはっきりしている。
音のレイヤーが違う世界。

モスバーガーに入って、コーヒーを飲む。
特別なことは起きない。
観光地でもない。
物語性も強くない。
でも、ちゃんと「街」がある。

派手さはない。
記号性も弱い。
ランドマークもない。

それでも、
相鉄のブランド、
泉区の空気、
ロードノイズ、
ガソリンの匂い、
無音のホーム、
ネイビーブルーの車体。

それらが重なって、
「いずみ中央」という場所が、ひとつの風景になる。

これは観光の駅ではない。
これは生活の駅だ。
だからこそ、記憶に残る。


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