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武蔵小杉駅|東急東横線の街を歩く、タワマンとグランツリーの午後

東京と横浜のあいだにある街には、独特の時間が流れている。
その代表的な場所のひとつが、武蔵小杉駅だ。
東横線は、東京と横浜を結ぶ人気の路線だ。渋谷から横浜までを一直線に結ぶ。車窓を見ていると、都会と住宅地が交互に現れる。

電車が武蔵小杉に近づくと、窓の外に高層マンションが見えてくる。
この街の象徴とも言えるタワーマンション群だ。

改札を出ると、JR側とは少し違う空気がある。
こちらは生活の匂いがする駅だ。スーパーがあり、チェーン店の寿司屋もある。三井住友銀行の店舗が見える。

通りを歩いている人の顔ぶれも、どこか落ち着いている。
通勤客もいるが、それ以上に目立つのは家族連れだ。

ベビーカーを押して歩く若い母親。小さな子どもと手をつないで歩く父親。

この街は、明らかに「暮らす街」だ。

武蔵小杉は、もともと工場の街だった。
今でも思い出す人は多いだろう。
NECの工場のイメージが、このあたりには強く残っている。

しかし、今の武蔵小杉はまったく違う景色だ。

空を見上げると、高層マンションが整然と並んでいる。
ガラスとコンクリートでできた塔が、いくつも立っている。

タワーマンションは、ときどき無機質な印象を与えることもある。しかし武蔵小杉のタワーマンションは、どこか整っていて美しい。

新しい街の風景というものは、こういうものなのだろう。
計画的に作られた都市の景色は、整然としている。

その足元には、ショッピングモールがある。
向かうのは、グランツリー武蔵小杉だ。

大型の商業施設で、運営しているのは
セブン&アイ・ホールディングス

入口を入ると、空気が少し変わる。
モール特有の、少し明るい空気だ。

グランツリーの中を歩くのは、なかなか楽しい。
巨大なショッピングモールというのは、小さな街のようでもある。

おしゃれなパン屋がある。
焼きたてのパンの匂いが漂ってくる。

家具屋もある。木のテーブルや椅子が並び、部屋のイメージが作られている。

こういう店を見て歩くのは、なかなか面白い。
特に何かを買うわけではないが、店を眺めているだけでも楽しい。

洋服の店も多い。洋服にはあまり興味がないが。服を選ぶ時間よりも、街を歩く時間の方が好きだ。

グランツリーには、おしゃれなカフェも多い。
フードコートも広く、家族連れでにぎわっているが今日は、そういう場所には入らない。

代わりに向かったのは、モールの中にある
イトーヨーカドーだ。

大型スーパーの売り場を歩き、コーヒー売り場へ向かう。
そこでインスタントコーヒーをひとつ買う。

棚を見ていて、少し気づくことがある。コーヒーの量が、少し減っている。

値段は上がっている。こういう変化は、スーパーに来るとよく分かる。
物価というのは、こういうところで実感するものだ。

袋を手にして、モールの外へ出る。

武蔵小杉という街は、ここ十数年で急速に発展した。
タワーマンションが建ち、人口が増え、商業施設も増えた。

その結果、この街はよく「住みやすい街ランキング」上位に登場する。ランキングの常連と言っていい。

確かに歩いてみると、その理由は分かる。

交通の便利さ。
買い物のしやすさ。
新しい住宅。

東京にも横浜にも近い。

東横線に乗れば、
渋谷駅へもすぐだ。

反対方向へ行けば、横浜駅にも出られる。

都市の真ん中というより、都市と都市の間。
それが武蔵小杉の位置だ。

しかし、急速に発展した街には、独特の緊張感もある。
人口が増え、駅は混雑し、ニュースになることもある。

それでも、人はこの街に集まる。

夕方に近づくと、駅へ向かう人が増えてくる。
東急東横線のホームにも、通勤客の姿が増える。

武蔵小杉は、東京と横浜の間にある街だ。
巨大都市と巨大都市のあいだに生まれた、新しい住宅都市。

昔は工場の街だった。
今はタワーマンションの街だ。

街は変わる。
そして、その変化を一番よく見せてくれる場所が、駅なのかもしれない。

武蔵小杉駅のホームに電車が入ってくる。

東京へ向かう電車。
横浜へ向かう電車。

そのどちらにも行ける場所に、この街はある。


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