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noruniru0826
神保町駅でコーヒーを飲みながら考えたこと|この街の色について
神保町駅の地下は、少し長い。
自分が今どのあたりにいるのか、はっきりしない時間が続く。
青か、緑か、紫か。
案内板の色だけを頼りに歩く。文字はあまり読まない。色を見ていれば、だいたい間違えない。
地下の通路には、花屋やケーキ屋がある。
どちらも目立たないが、そこにあることで隙間が埋まっている感じがする。
地上に出ると、大学があって、飲食店が並んでいる。
人は多いが、観光地の匂いはしない。
この街は、住んでいる人は少なそうなのに、ちゃんと存在感がある。
段ボールの色。
インドっぽい茶色。
少し褪せた、薄いベージュ。
神保町は、そういう色が似合う。
喫茶店に入る。
白いコーヒーカップは、よく見ると縁がほんの少しだけ欠けている。
気にするほどではないが、気づいてしまう。
砂糖とミルクを入れる。
コーヒーは黄土色になり、甘くて、ちゃんと美味しい。
遠くで、本屋と古本屋の匂いがする気がする。
実際に匂っているのか、そう思い込んでいるだけなのかは分からない。
後から、学生が入ってくる。
専修大学の学生らしい。
バイト先の仕事がきついらしい。
声は大きくなく、愚痴というほどでもない。
人生は、たぶん、まだきついこともある。
でも、それを言うほどの距離でもない。
自分は、ただコーヒーを飲む。
街の色と、カップの欠けた縁と、学生の声が、同じテーブルに並んでいる。
神保町は、そういうものを自然に一緒に置いてくれる街だ。
しばらく、席を立たない。
この駅が、
わりと好きだ。
