Photo by
gururi2018
京王線・調布駅|賑やかな街で、カレーとコーヒーを飲む午後
京王線の調布駅で降りた。
急行も停まる、大きな駅だ。
地下のホームは、上りと下りが階で分かれていて、今どこにいるのか少し分からなくなる。改札を抜け、長いエスカレーターを上ると、急に天井が高くなった。地上に出た瞬間、風と音が一気に戻ってくる。
駅前には高いビルと広めのバスターミナル。人の流れは途切れない。ファストフードや牛丼屋は一通りそろっていて、少し歩けば西友もある。男子大学生の姿が目につく。電気通信大学が近いのだろう。どこか、昼間の時間帯特有の軽さがある。
人の多い通りから、一本だけ路地に入った。
音が、すっと落ちる。
マンションの一階で営業している小さなカレー屋。看板は控えめで、意識して探さないと見逃してしまいそうだ。中に入ると、店内は静かで、スパイスの匂いだけがはっきりしている。
手作りのキーマカレー。
派手さはないが、角がなく、安心する味だった。店主も多くを語らない。ここでは、言葉は必要最低限でいいらしい。外の賑やかさが、遠くの出来事のように感じられる。
店を出ると、少し冷えてきた。
夕方に向かう途中の時間帯で、空気だけが先に夜の準備を始めている。路地を抜けた先にセブンイレブンがあり、キリマンジャロを買った。今日はブラックにする。
店内の隅で、コーヒーを飲む。
しっかりした苦みがあって、思ったより美味しい。西日がガラス越しに差し込んで、目を細める。通り過ぎていく人たちは、それぞれ急いでいるようで、そうでもない。
特に結論は出ない。
コーヒーを飲み終えて、少しだけ一服する。賑やかな街の中に、こういう昼下がりがあるのは悪くない。
東京には、こんな場所がたくさんあるのかもしれない。
調布は、そんなことを考えるのに、ちょうどいい駅だった。
