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氷河期世代AD、テレビの片隅で。#26余談「遺言。いや、まだまだ生きるけど!僕の物語は続くけど!」

この作品を書いていて思った。

僕は本当にたくさんの人に支えられて生きてきた。

なので、

今もし手紙を書くなら、

こんなことを書くのかもしれない。


妻へ。

当時フリーランスで、

いつ仕事がなくなるか分からない僕と結婚してくれてありがとう。

あなたくらいの女性なら、

もっといい人もいたと思う。

お金持ちとか。

イケメンとか。

少なくとも、

消費者金融で寿司をご馳走するような男性ではなかったと思う。

それなのに、

僕を選んでくれてありがとう。

あなたと出会ってから、

僕の人生は明らかに良い方向へ進み始めた。

感謝してもしきれない。

誕生日が一日違いだったからなのかな。

娘たちも大きくなってきた。

これからも、

旅行に行ったり、

美味しいものを食べたり、

いろんな経験を一緒にしたい。

そういえば、

この前、

あなたは柿ピーを食べていて、

残り少なくなったから袋を持ち上げて

一気に口へ流し込んでいたね。

その結果、

柿の種が鼻に入って耳鼻科に行っていたね。

人生で初めて、

「柿の種が鼻に入って病院へ行く人」

を見た。

本当に面白かった。

どうかこれからも、

韓流アイドルを追いかけるのはほどほどにして、

柿の種の流し込みにも気を付けてください。

そして、

ほんの少しだけでいいので、

たまには僕のことも見てください。


娘たちへ。

長女へ。

君は、

子どもの頃の僕によく似ています。

自分の考えをしっかり持っている。

納得しないことは簡単には曲げない。

だから時々、

頑固だなぁと思うこともあります。

でもそれは、

自分をちゃんと持っているということだと思います。

世の中には、

周りに合わせすぎて苦しくなる人もたくさんいます。

だから、

自分の考えを持てることは、

君の大きな強みです。

そして君は、

小さい子の面倒を見るのが本当に上手です。

困っている子がいると、

自然に声をかけています。

正義感も強い。

誰かが嫌な思いをしていると、

見て見ぬふりができない。

それはとても素敵なことです。

もちろん、

時々損をすることもあるかもしれません。

でも、

僕はそんな君を誇りに思っています。

今のままで大丈夫です。

そのまま成長していけば、

きっと素敵な大人になります。

お父さんはそう思っています。


次女へ。

君は本当にしっかりしています。

周りをよく見ています。

空気も読めるし、

人の気持ちにもよく気付きます。

友達から頼られているのも、

お父さんは知っています。

きっとみんな、

君といると安心するんだと思います。

でもね、

少しだけ心配なこともあります。

君は優しいから、

自分のことを後回しにしがちな気がします。

だから、

もっとわがままでもいい。

もっと自分の気持ちを優先していい。

もっと甘えていい。

周りの人は、

そんな君のこともちゃんと好きでいてくれるから。

しっかりしている人ほど、

一人で頑張りすぎてしまう。

だから困った時は、

ちゃんと誰かを頼ってください。

お父さんでも、

お母さんでも、

お姉ちゃんでもいい。

もちろん、

お父さんはいつでも大歓迎です。

君の優しさと冷静さは、

きっとたくさんの人を助ける力になります。


娘たちへ。

学校の勉強も、

最低限はちゃんとしてほしい。

お父さんも偉そうなことは言えないけど。

でも、

勉強だけじゃなくて、

自分の好きなことを探してほしい。

夢中になれるもの。

楽しいと思えるもの。

仕事でも、

趣味でも、

何でもいい。

好きなものを見つけられると、

人生は本当に楽しくなる。

ただ、

好きなことを見つけたとしても、

嫌な人はいる。

理不尽なこともある。

頑張っても報われない日もある。

それはたぶん、

どこの世界でも同じだ。

だから、

もしキツくなったら、

逃げてもいい。

環境を変えてもいい。

何度でも逃げていい。

でも、

好きなことそのものは、

できればやめないでほしい。

逃げながらでもいい。

続けながらでもいい。

そうしているうちに、

必ず君たちの味方が現れる。

お父さんは知っている。

世の中、

嫌な人もいるけど、

本当にいい人もたくさんいる。

だから大丈夫。

そして、

何があっても、

お父さんは君たちの味方だ。

もし君たちに嫌なことをするヤツがいたら、

お父さんがミドルキックと左フックをお見舞いする。

すると豚箱にぶち込まれるかもしれない。

なので最終的には、

お母さんに相談してください。

娘たちからの手紙

お父さんとお母さんへ。

子どもの頃、

わがままだった僕を育ててくれてありがとう。

いろんな所へ連れて行ってくれてありがとう。

野球の練習に付き合ってくれてありがとう。

お弁当を作ってくれてありがとう。

何度も助けてくれてありがとう。

お父さんとお母さんのおかげで、

僕は本当に楽しい人生を送れています。

あなたたちが僕にしてくれたことを、

今度は僕が自分の家族に返していくよ。

お父さんとお母さんの子どもに生まれて、

本当に良かった。


天国のおじいちゃん、おばあちゃんへ。

夏休みになると、

ファミコンソフト目当てで泊まりに行っていた僕を、

あんなに可愛がってくれてありがとう。

泊まりに行ったくせに、

夜になると寂しくなって、

「帰りたい」

と言ったこともあったね。

おじいちゃんは、

そんな時でもニコニコしていた。

今思うと、

本当に優しかった。

おばあちゃんの作る、きな粉餅、

本当に美味しかった。

今でも覚えている。

新宿で寿司を食べた時は、

消費者金融から借りたお金だった。

あの時はごめん。

今ならちゃんと、

自分で稼いだお金でご馳走できるのに。。。

でも、

あの時、

すごく喜んでくれたから、

それだけは良かったと思っている。


追伸

AD時代の僕へ。

消費者金融の前に立っている君へ。

左目を殴られている君へ。

会社を辞めて無職になった君へ。

大丈夫だ。

君は思っているよりしぶとい。

逃げる。

また逃げる。

でも、

テレビの仕事だけはやめない。

そのうち結婚もする。

娘も生まれる。

戦友みたいな友達もできる。

そして、

意外と楽しく生きている。

だから、

もう少しだけ生きてみてほしい。

頑張れなくなったら、

頑張らなくていい。

逃げろ。

君は逃げるのが結構うまい。

その能力、

後でわりと役に立つ。


こんなことを書いていたら、

なんだか遺書みたいになってしまった。

僕、

死ぬのかな。

いや、

死なない。

嫌なことがあったら、

また逃げる。

環境も変える。

でも、

生きることだけはやめない。

せっかくここまで来たんだから。

まだまだ面白いことがありそうだ。

僕の、物語はまだまだ続く。


#テレビ業界 #創作大賞2026 #お仕事小説部門 #実話

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#27 (余談) 「BreakingDownに出るなら倒したいアノ3人」

キックボクシングを始めた理由は「家族を守るため」。
でもサンドバッグを蹴っていたら、倒したい相手が3人思い浮かびました。
最後に倒れたのは、その3人ではなく僕の腰でした。


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