【ビジネス塾という名の、閉ざされた迷宮。】「このマニュアル通りにやれば、絶対…
「このマニュアル通りにやれば、
絶対に稼げます。」
数年前、
私が足を踏み入れたのは、
そんな甘い言葉が飛び交う、
「ビジネス塾」の世界でした。
今の仕事に将来性を感じられず、
かといって、
何をすればいいかも、
分からない。
そんな当時の私にとって、
その場所は、
唯一の希望のように、
見えたのです。
高額な入会金を払い、
手渡されたのは、
分厚いPDFの束。
そこには、
ターゲットの選定方法から、
見込み客をリスト化し,
教育し、
刈り取るための手順までが、
詳細に書かれていました。
私は必死でした。
朝から晩までPCに向かい、
教わった通りの定型文を、
SNSに、
投稿し続ける毎日。
でも、不思議なことに、
どれだけ作業を重ねても、
心は満たされず、
それどころか、
自分自身が、
どんどん何者かへと、
作り変えられていくような、
薄気味悪さを、
感じていたのです。
【「成果」を追い求めた果てに見えた、虚無感。】
当時の私の仕事は、
とにかく、
「数字を増やすこと」でした。
塾の教えでは、
相手の心に寄り添うことなど、
二の次です。
まずは数撃ちゃ当たる精神で、
大量のリストを、
かき集める。
そして、
システムを使って、
自動でメッセージを送りつけ、
反応があった人だけを、
拾い上げる。
それはまるで、
広い砂浜で、
砂金を探す作業のようでした。
効率はいいのかもしれません。
でも、
そこに「人」との交流は、
存在しません。
ある時、
私の投稿を見た方から、
切実な悩みを綴った、
返信が届きました。
本来なら、
その悩みに耳を傾け、
対話をするのが筋でしょう。
でも、
マニュアルには、
「返信はテンプレートで、
対応せよ」としか、
書かれていません。
私は結局、
目の前の切実な声に対して、
コピペの返信を、
送ってしまいました。
送信ボタンを押した瞬間に、
感じた、
あの嫌な冷たさを、
今でも忘れられません。
自分は、
ただの作業機械になって、
しまったのだと、
思い知らされた瞬間でした。
【効率化の先に、本当に守りたいものはあるか。】
もし、
あなたが今、
ネット上のノウハウに従って、
作業することに、
違和感を抱いているのなら。
それは、
あなたの感覚が、
正常であるという証拠です。
効率を追い求めて、
自分自身の感情や、
目の前の人に対する、
誠実さを殺してまで、
手にする「月収数万円」には、
果たして、
どれほどの意味が、
あるのでしょうか。
私はあのビジネス塾を、
辞めました。
効率や数字を追いかけることを、
やめ、
ただ自分が、
「これなら誠実に、
語り合える」と思えることだけを、
大切にするようにしました。
結果として、
時間はかかりました。
でも、
今私の周りにいるのは、
数字ではなく、
確かな信頼関係で、
結ばれた人たちだけです。
泥臭い、
非効率で、
時間のかかる、
かもしれない。
でも、
今の私には、
その方が、
ずっと人間らしい生き方だと、
胸を張って言えます。
【あなたは、自分の意志で選んでいますか?】
今のあなたは、
誰かに指示された、
「効率的な手法」で、
動かされてはいませんか。
もし、
画面の向こう側の、
数字を追いかけることに、
疲れたのなら、
一度立ち止まってみてください。
あなたが今、
最も大切にしたい、
「自分自身の美学」は、
何ですか。
そして、
その美学は、
今の副業活動の中に、
少しでも残っていますか。
ぜひ、
あなたの正直な思いを、
私にも、
聞かせてくれませんか。
