映画『国宝』に出て来る『積恋雪関扉』を衛星放送で見た
映画『国宝』に出て来る歌舞伎作品について簡単に紹介した下記記事は、今日現在で800以上のビュー数を記録し、私の記事の中で最もよく見られているようだ。
しかし、この記事では映画『国宝』で最初に出て来る歌舞伎『積恋雪関扉』に触れていない。単純に私が録画でも生でも見たことがなく、記事に書く知識がなかったから。心苦しく思っていたのだが、幸い衛星劇場が往年の作品を放送してくれた。
松本幸四郎(現・白鸚)が関兵衛実は大伴黒主、先代中村芝翫が小町姫・墨染。私は先代芝翫の舞台を見たことはなかったが横顔の顎に見覚えがある。
そして、字幕付きなのがありがたい。初見でも台詞が理解できる。
以下、作品紹介にいくつかのリンク。
歌舞伎芝居としてだけではなく、日本舞踊の作品でもあるようですね。
女形が「実は」という趣向。
女形が「実は」という設定で芝居の後半で本性を出すという歌舞伎作品は『道成寺』『黒塚』『日本振袖始』など枚挙に暇がない。
『積雪恋関扉』では傾城・墨染が最初の姿。小町姫、桜の精が実の姿。
映画『国宝』では桜の幹の陰から傾城・墨染が白っぽい衣装で登場する場面からでしたね。「撞木町からきやんした」と。
そして、たおやめである遊女である前半。荒々しい妖魔の気性もある桜の精として、大逆を企む国崩しと戦う後半。
〝女形というのは男が女を真似るのではなく、男がいったん女に化けて、その女をも脱ぎ去ったあとに残る形〟
喜久雄少年が素人の座興という形でこれを演じて女形としての才能を見込んだのは、「男がいったん女に化けて、その女をも脱ぎ去ったあとに残る形」が感じられたのでしょう。
眼福でございました。
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追記。衛星劇場で10月28日にも放送あるので、視聴環境がある方はぜひ。
さらに追記。『積雪恋関扉』は溝口健二の映画『残菊物語』へのオマージュとか、小説『国宝』の女形論は折口信夫の女形論をベースにしているとか、いくつか掘り甲斐のある糸口を見つけたけど、また後日。
