「手の届く範囲で」─休日くらい、自分の範囲で生きていい🏡
まだ温かい、柔らかい布団の中、ふと目が覚める。
首元で冷たい空気を感じる。
はやく起きなくちゃ。
…あ、そうだ。
今日は休日だった。
ゆっくりと身体を起こし、
まだ冬物の靴下を履いて、スリッパで歩く。
部屋の窓に向かい、
雨戸をあけた。
ガラガラガラ…と大きな音を立て、
黒色が、
下から明るい景色に変わっていく。
「あ、いい天気…。」
朝のさわやかな空気に、
青空には白い雲が浮かんでいた。
降り注ぐ日光も心地よい。
しかし私は、
その景色を味わうこともなく、
足をすぐに台所へ向ける。
今日は、お出かけ着のことを考えないといけない。
それから、
昨日の仕事の確認も残っている。
はやく朝食を済ませて、
やることをやらないと。
時間は、どんどん過ぎ去っていく。
晴天の休日、
私の部屋は、
パタパタとスリッパの音が響いていた。
顔を洗って、食器洗いや洗濯ものなど、
一通りの家事を済ませる。
「よし…と。
うん、やっぱりこれ買ってよかった。」
この間、Amazonのセールで買った、
新しいランニングシューズを履く。
ライトグレーの靴に、紫のラインが入っている。
オレンジとグリーンのアクセントが、
けっこうおしゃれ。
今日のやることの一つ、ランニングに出た。
「はあ、はあ、はあ…。」
久しぶりに走ると、
身体がきつい。
休日もあって、
ランニングをしている人がたくさんいた。
外の空気が、
この間よりも柔らかい。
色とりどりの花の下で、
小さな鳥が地面をついばんでいる。
虫たちも冬から目覚めているのだろう。
このまま、
近くの大きな公園へ向かう。
木が揺れているのかな。
犬がいるのかな。
人がたくさん来ているのかな。
公園に入ると、
声が一気に近づいてくる。
「はあ、はあ、はあ…。」
友達と遊んでいる小学生。
親子が遊具で楽しんでいる。
キッチンカーも、季節を感じさせるものが売ってるな。
地面には、
道ではあまり見ない植物が、顔を出している。
きらきらと輝く光と、
空色を背景にした桜は、
とてもきれいだった。
だけど私は、
その光景が…なぜか目に焼き付く。
走りながら、その間をすり抜ける。
私の足は、どこにも触れていない気がした。
順調に走り続け、
帰り道、桜が並ぶ場所へ出る。
桜の花が舞っていて、
とても神秘的に感じた。
私はその下をくぐりける。
目の前には、
薄いピンクの花が降り注いでいて、
それが偶然、私の頭にのった。
私は手で振り払い、
花びらが下に落ちていくのをみてる。
「…あ。」

指に触れた花びらが、するりと落ちた。
公園でのことを思い出す。
目の前の友達と、楽しそうにしている子ども。
遊具に触れてはしゃいでいた親子。
お店ので食べ物を選ぶ人。
私はそれを見て、
小さい頃を思い出した。
私は学校の帰り、
近所の友達とボールを追いかけていた。
駄菓子屋で、好きなものを選んでいた。
あの駄菓子は、まだ売ってるのかな。
思えば、
あの時間が、とても満たされていた気がした。
しばらくして、家につく。
家について、私はサッとシャワーを浴びた。
汗を流したあとのこのひと時は、
走った直後にしか味わえない。
私は窓辺のソファーに寄りかかった。
窓から入る温かい光や、
無限に広がる空色を眺める。
なんで私は、
今朝、あんなに焦っていたんだろう。
さっきみた公園の景色を思い出す。
楽しそうな笑い声、
輝く植物、
おいしそうな食べ物。
ぜんぶ、私の目に、耳に、届いていた。
私は手元にあるスマホを見る。
昨日の夜、欲しいと思った商品。
それがどこか遠くに感じた。
「…なんか食べよう。」
走ったせいか、少しお腹がすく。
昨日からコンビニで新発売したお菓子が、
ちらりと頭の中をよぎった。
私は、
キッチンに置いてある棚に向かい、
お菓子を選ぶ。
いつもおいてある、
お気に入りのお菓子。
それを手に取り、袋を破って一口食べる。
「うん。」
やっぱり、これがおいしい。
外の色が今朝よりはっきりと見える。
軽くなった身体で、空気を吸い込んだ。
今日はお休みだ。
久しぶりに、日向ぼっこでもしようかな。
床にお尻をつけ、足を延ばす。
ぐっと伸びをすると、
床の硬さが、
ちゃんとそこにあった。
この日のことを、もう少し言葉で整理したものもあります🌿
感じたあとに、読みたい方へ。
