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――その涙の理由は。

わたしは自ら選んだ道を歩むことさえもできないのでしょうか
越えたと思った壁が今また目の前にあるようです
それとも そう思わせる別の何かがあるのでしょうか
わたしの中にいると知りながら見ぬふりをしていたあの魔物が
もう一度それを味わえと冷笑している
今までにない残酷な形で
その道を捨てろ、と
楽になればよいと、
おまえは自分が万能だとでも思っていたのか、
できないのだからやめてしまえば良いと

ずっと先を歩く方々が眩しすぎて
それに比べ何者でもない自分が現実にここにいた
「正しく歩んでいけば自分もいつか、そう成れる」と
そう信じて自らの糧とすべきであるのに
感情がそれをよしとしなかった

昨日まではできていたことが今朝はできなかった
焦りと、まちがった劣等感が追い打ちをかける


しかしこの流れ続ける涙は、なんのためなのか
心は血を流していても、この手に受けた涙は澄んでいて


この時がくると、わたしは知っていました
これは、試練なのだと…

とめどなく流れる涙を祈りにかえて


わたしはこれを越えてみせましょう

だからどうか、今はその手を
ほんの少しだけ、貸してください






読んでくれて、ありがとう。




2025.07.16 追記しました

音声配信をされている音羽しーなさんに、朗読していただきました。

やわらかく包みこんでくれる素敵な声。

言葉ひとつひとつがより深く、心に響く。
何度でも味わいたい。

しーなさん、ありがとうございました!

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