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自分を責めてしまう朝に|消しゴムのかすが残る机の前で


心に、ひと呼吸の余白を。

こんにちは、ゆきのです。
 


自分を責めてしまう朝、心の採点表が開くとき


朝、鏡の前に立った瞬間。
まだ何も始まっていないのに、胸のあたりが少し縮むことがあります。
洗面台の白さが、少しだけ眩しい朝です。


昨日残してしまった家事。
返せなかったメッセージ。
中途半端なまま閉じたノート。

そういうものが、朝の光と一緒に、急に並んで見えてくる。


誰に頼まれたわけでもないのに、
心のどこかで、もう採点が始まっているのかもしれません。


「今日は思うように起きられなかったから、減点」
 


まだ何もしていない朝に、
もう点数がついている。

そんな日があります。

今日は、その採点表を破らなくていいから。
ただ、机の端に置いてみるだけの話をさせてください。
 


自分を好きになれない朝、採点だけを少し休ませる


「自分を受け入れる」と聞くと、
自分を好きにならなければいけないように感じることがあります。


前向きにならなければ。
自分を褒められるようにならなければ。
もっと明るく、整った人にならなければ。

そんなふうに思うほど、
かえって心が遠ざかってしまう朝もあります。


でも、自分を好きになれないことと、
自分に点数をつけなければいけないことは、
同じではないのかもしれません。


好きになれない朝は、あります。

鏡の中の自分に、
うまく声をかけられない日もあります。

それでも、採点だけは少し休ませてみる。


好きになる前に、
点数をつける手を、ひと呼吸ぶんだけ止めてみる。

それだけのことが、
朝の光を少しだけ変える日があるのかもしれません。
 


消しゴムのかすは、向き合った跡かもしれない


ある夜、ノートを開こうとして、
机の上に消しゴムのかすが散らばっているのに気づきました。

白くて、小さくて、軽い。

指の腹で集めようとすると、
少しだけくっついて、すぐには落ちない。

いつ書いたのかも覚えていない。
何を消したのかも、もう思い出せない。

でも、かすだけが残っている。

ふと思いました。

何も書かなければ、かすは出ません。

書き直そうとしなければ、
机はきれいなままです。

かすが残っているのは、
何かをしようとしていた跡なのかもしれません。

うまく書けなかった。
途中で消した。
言葉を選び直した。

それが何だったのか、今は思い出せなくても。

その小さな白い粒は、
失敗の跡というより、
何度か今日と向き合おうとした時間の跡だったのかもしれません。
 


指先で、かすをひとつずつ机の端に寄せていく。

きれいに片づけようとしていたのではなく、
ただ、指を動かしていただけだったのだと思います。

でも、その数秒のあいだだけ、
頭の中の採点が、少し遠くなっていました。
 


人は作品じゃない|下書きの日にも、文字は残る


心がとても苦しかった頃、
相談先で、ある精神保健福祉士さんが、こんなふうに言ってくれました。


「ゆきのさん。あなたは作品じゃないんですよ」

「作品は評価の対象かもしれない。
でも、人間は、ただ在るだけでいい存在なんです」
 


そのとき、椅子の座面が、少しだけ柔らかく感じられました。

ずっと背筋を伸ばしていたことに、
その瞬間まで気づかなかったのです。


私はどこかで、
自分を提出前の原稿みたいに扱っていたのだと思います。

きれいにまとめなければ。
人に見せられる形にしなければ。
完成していなければ、ここにいる意味がない。

そんなふうに、
自分の存在そのものにまで赤ペンを入れていました。

でも、人は作品ではありません。
今日というページが下書きでも、
あなたの価値まで下書きになるわけではない。


清書というものが、
そもそもどこにも存在しないのだとしたら。

今のこの書きかけの一行が、
そのまま、今日のあなたの文字なのかもしれません。
 


下書きのまま閉じたノートにも、まだ温度がある


日によっては、
今日というページそのものが、まだ下書きのままに思えることがあります。

うまく伝えられなかった言葉。
途中で時間切れになった仕事。
まだ自分でも形のわからない気持ち。

そういうものを見ていると、
引き出しにしまいたくなる夜があります。


でも、閉じたノートに手を置いてみると、
表紙が少しだけ温かい。

さっきまで開いていたから、
紙がまだ体温を覚えているのかもしれません。

まとまらないまま閉じたページにも、
何かがまだ残っている。

終わったのではなくて、
まだ途中にあるだけなのかもしれません。
 


下書きのまま閉じたページにも、まだ続きが残っているのかもしれません。

今日というページが下書きのままでも、
そのページに触れた手の温度が、まだ少し残っている気がします。
 


自分を採点しない夜に、置いておける一行


今夜、もし心が向いたら。

何か「できたこと」を探さなくてもいい。
前向きな言葉を用意しなくてもいい。

ただ、息をひとつだけ、ゆっくり吐いてみる。

それから、心の中に一行だけ置いてみます。


「今日は、ここまで来た」
 

それ以上、続きが書けなくても。


布団の重さ。

手のひらが触れている温度。

部屋の静けさ。


その中にいるだけで、
今日というページは、もう白紙ではありません。


消しゴムのかすが残るほど、
何度も今日と向き合おうとしていたこと。

下書きのまま閉じたノートが、
まだ少しだけ温かいこと。


点数をつけなくても、
あなたはもう、ここにいます。


咲かなくても、あなたは美しい。


ゆきの



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