【遊びの中で育つ子ども】「これは、カマキリのごはん。」 園庭の小さなハンターが教えてくれたこと
園庭に出ると、虫かごを持った男の子が、目を輝かせながら私のところへ駆け寄ってきた。
「見て!」
虫かごの中には、元気なバッタが入っていた。
自慢げで、少し興奮した表情。きっと「飼いたい」と言うのだろうと思っていた。
ところが、彼の目的は違っていた。
「カマキリを見つける。これは、そのごはん。」
私は思わず驚いた。
私の想像を軽々と飛び越えて、彼はすでに立派なハンターだった。
ただ虫を捕まえて喜んでいるのではない。
カマキリが何を食べるのかを知り、どうすれば出会えるのかを考え、自分なりの作戦を持って園庭に立っている。
その眼差しが、なんだか胸にささった。
去年の彼は、まだ言葉もたどたどしく、自分の思いをここまではっきり伝えることはできなかった。
それが今では、自分の目的を持ち、考えを言葉にし、目を輝かせながら世界を探検している。
こどもは、育っている。
毎日の遊びの中で、ちゃんと少しずつ育っている。
虫かごをのぞき込みながら、そんなことを感じていた。
園庭の片隅で、感慨に浸る45歳のおっさんでした。

