嵐を抜けて「Buy & Homework」の実装へ。投資初心者が米国グロース株でポートフォリオをリビルドするまで
写真:先日の韓国出張時の夕飯「コングクス」。体調悪かったのでおなかに優しいものを食べたく、調べた結果こちらに。豆がベースとなったスープでつくる韓国の冷たい麺料理で、日本ではあまり見かけない。優しい味で狙い通り!
■ 1. 嵐の1.5ヶ月間を「静観」という仕様で乗り切る
前回の記事では、投資を始めてから初めて直面した「含み損」というエラーを前に、自分なりのルール(生存仕様)を再定義するまでのプロセスを書きました。
あれから約1.5ヶ月。イラン情勢の緊迫化など、市場を揺るがすノイズはありましたが、私の監視指標であるVIX指数(恐怖指数)が「公差外」の50を超えることはなく、致命的な大暴落には至りませんでした。
この期間、私は基本的に「静観」という仕様を選びました。
樹脂成形において、金型温度が安定しないときに慌てて条件を変えると、かえって不良品を量産してしまいます。
相場も同じで、嵐の最中には無理に動かず、熱が冷めるのを待つのが鉄則だと考えたからです。
具体的に動いたことといえば、逃げ遅れて含み損になっていた日本株がプラスに転じたタイミングでの売却、銀を少々、そして米国株を数株スポットで購入した程度です。
投資初心者なりに、システムが安定するまで「待つ」というデバッグ作業ができた1.5ヶ月でした。
■ 2. システム不安定時のハック:一次情報への立ち返り
4月中旬に入ると、地政学リスクに対して市場の反応が少しずつ鈍くなり、「定常運転」に戻りつつある空気を感じました。そろそろ新しいポジションを取るべきか、我が家の最強の軍師(妻)とも協議を重ねていました。
実は、ただチャートを眺めていたわけではありません。ポジションを持たないこの1.5ヶ月間、私は投資に関する本を片っ端から読み漁っていました。
エンジニアの性分として、システムが不安定な時はマニュアル(一次情報)を読み込み、次のアーキテクチャを構想するのが一番しっくりくるのです。
そして、この期間に得たインプットが、私のポートフォリオ設計に大きな「仕様変更」をもたらしました。
■ 3. 攻めの投資設計:「Buy & Homework」の導入
特に大きな影響を受けたのが『ジムクレイマーの株式投資大作戦』です。
本の表紙は何か胡散臭いし、字が細かく読み解くのに骨が折れましたが、普段から一次情報としてYouTube動画を見ているアクティビストの田端信太郎氏の推薦もあり、食らいつきました。
ここから得た最大の学びは、
「Buy & Hold(買って放置)」ではなく、「Buy & Homework(買って勉強し続ける)」
を実装すべきだという点です。
株を買って終わりではなく、常にその企業の業績や動向を「検図」し続けること。それができないなら、個別株の運用は諦めて、おとなしく投資信託(標準品)を買いなさい、という厳しい仕様要求です。
さらに興味深いのは、「投機もすべきだ」とリスクを取ることを推奨している点です。
リターンを得るにはリスク(公差の振れ幅)を許容する必要があり、そのリスクを最小化するための手段が日々の「Homework」なのです。
例えばキオクシアの上場前2024年3月期は2,437億円の赤字であったのに対し、2025年3月期には2,723億円の黒字。上場時の公開価格は1,455円が今では。。この時に安値で仕込めていた人は、リスクを取って今があるんだと思います。
この本を読み、私は決断しました。
これまで手を出していたコカ・コーラやベライゾンといったディフェンシブな銘柄だけでなく、本格的に「戦略的グロース株」への投資を開始しました。
リスクを取り、日々の検図をこなしながら、米国株の深淵を覗きに行っています。
なぜ米国株なのかは、以下記事で紹介した通り、日本資産(円建て)の比率を減らして分散したいのと、米国株にはストップ高という概念がないので、上がるときはがつんとあがる、グロース株の破壊力が違うと思うからです。
もちろん生活防衛資金には手を出しません。
■ 4. 資産構築システムの次世代への継承
二冊目は大ベストセラー『金持ち父さん貧乏父さん』です。
この本が教えてくれるのは、収入を消費に回すのではなく、まず「資産」に振り分け、「資産から収入を生み出す回路(ルート)」を構築するという、極めて論理的な思想です。
なぜ投資をやるのかという根本的な問いに対する、最も美しい設計図がそこにありました。投資を始める一番最初に読む本としておすすめです。
この強力なロジックを、私一人の中に留めておくのはもったいない。そう考え、長女と次女にできるだけ噛み砕いて説明しました。
ちょうど良いタイミングで、三姉妹の楽天銀行と楽天証券の口座開設が完了しました。来年から始まる「子どもNISA」に向けた、インフラの構築完了です。
長女は今年で小学5年生。これからは、単にお金を貯めるだけでなく、「お金の勉強」としてどう資産運用というシステムを回していくかを、最強のチームである家族全員で考え、最小単位でテスト(Do)していこうと思っています。
■ 5. 現在の資産ポートフォリオ(As-Is)とこれから(To-Be)
読書によるインプットと、それに基づく設計思想のアップデートを受け、私のポートフォリオは大きく姿を変えつつあります。
5/13付の株式投資における資産割合(As-Is)は以下の通りです。

国内株式はNISAの成長投資枠以外はほとんど持ってない。
・日本株:52.62%
・米国株式:24.77%
・預り金など:14.14%
・投資信託:8.18%
以前の記事で書いた「全資産の9割が日本」という、冗長性を欠いた一本足打法の危うい設計からは脱却し、外貨(米国株)の比率が約25%まで成長しました。
これからは、ディフェンシブな守りだけでなく、米国グロース株への投機という「攻め」の仕様も組み込んでいきます。もちろん、日々のHomework(検証)を欠かさずに。
嵐をやり過ごし、読書で新たな武器(ロジック)を手に入れました。投資初心者としてのデバッグ期間を終え、ここからが本当の意味での資産構築システムの稼働だと信じています。

