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【私小説】未知#5

いつもは

どっしりと構えている敏江だが、

学校からの電話には

衝撃を受けたようだ。


電話の後、

きちんと受話器を戻すことができず、

家の電話はその後「話し中」となった。


敏江は、

ストレッチャーに横たわる真希を見つけて、

前かがみの小走りで真希に駆け寄る。


「真希ちゃん……。」


その後ろから、

いくらか重い足取りで歩いてくる文雄は、

自分のほうがケガでもしたような

痛々しい顔をしている。


真希は、

やるせないような、

その文雄の表情を見て、


これまで

そんな顔で

見られたことが

あっただろうか

と思った。


敏江と文雄は、

もしかして、

この時、

立っているのも

やっとだったかもしれない、と、

真希は大人になってから思った。




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