【私小説】未知#2
生徒会のメンバーは、
顧問のタケモリを中心に
輪になって、
タケモリの説明を聞いた。
仕事は、
講堂の袖にしまわれている
折りたたみ式のステージを
外側のドアから出すというもので、
ステージは、
グランドで広げ、
翌日の運動部の壮行会で
使用するという。
講堂の外側のドアは、
講堂内部でいう袖の高さ、
つまり、
舞台の高さで、
真希の首くらいの高さだった。
タケモリが
ドアを開け、
卓球台より大きな、
窮屈にたたまれたステージが
引っ張り出されると、
ズルっと、
キャスターが落ち、
近くにいた真希は、
無意識にそれを支えようと、
キャスターの
少し上の脚を持った――と、
ここまでしか記憶がない。
既に意識を失った真希の耳には
何も聞こえなかったが、
さっきの先輩のレポートによれば、
ものすごい音とメンバーの悲鳴とが、
あたり一面轟いたという。
「ものすごい音」が
どのような音だったのか
想像するしかないが、
鉄が一気にくずれ落ちる
金属音ではなかろうか。
それも、
中3の女子生徒の上に――落ちたのだ。
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