ロバート・レッドフォード逝去〜「スティング」そして“もあテン“1位の「明日に向かって撃て!」
私が大学生だった1980年代、俳優で美男(“イケメン“なんていう言葉はなかった)と言えば、アラン・ドロン、ロバート・レッドフォード。少なくとも、妻は彼らを贔屓にしていた。
大阪から東京の大学に進学し、楽しみにしていたことの一つは雑誌「ぴあ」を買って名画座に通うことだった。「ぴあ」は東京地区の情報誌であり、大阪に人間からすると憧れの雑誌だった。
当時、「ぴあ」では読者投票を実施して映画のベスト10を選出していた。発表は3月発売号で、1979年度つまり1980年3月発売、私が最初に手に取った「ぴあ」誌上のそれは、次のような結果だった。
“ぴあテン“1位:「ディア・ハンター」(1978年 日本公開79年)
“もあテン“1位:「明日に向かって撃て!」(1969年)
“ぴあテン“は新作を対象にした通常のベストテン。“もあテン“は、「もう一度観たい映画、名画座になかなかかからない映画」が対象となる。「明日に向かって撃て!」は、言うまでもなくロバート・レッドフォードの代表作の一つである。
マイケル・チミノ監督、ロバート・デ・ニーロ主演の「ディア・ハンター」は、早速「ぴあ」で上映館を探して観に行ったと思う。一方で、「明日に向かって撃て!」はなかなか上映されない。家庭用ビデオは、まだまだ高価だった時代である。結果、先に見たのは「明日に〜」と同じジョージ・ロイ・ヒル監督、ポール・ニューマン共演の「スティング」(1973年)だった。
「スティング」は、いわゆるコン・ゲーム、詐欺ゲームを題材にした映画。オープニングの音楽“エンターテーナー“(原曲はスコット・ジョップリン)がその象徴だが、全編にわたって洒落ていて、展開は痛快、「こんな面白い映画があるのか!」と思った。
本作は、アカデミー賞で、作品賞・監督賞・脚本賞など7部門を獲得。編曲・歌曲賞は、「コーラスライン」のマーヴィン・ハムリッシュだった。ただし、レッドフォードは惜しくも主演男優賞を逃している。
その後、満を持して観た「明日に向かって撃て!」(原題:Butch Cassidy and the Sundance Kid)、ここでもポール・ニューマンとロバート・レッドフォードは名コンビぶりを発揮するが、「スティング」と違い、本作の二人は私自身に迫ってくるものがあった。青春、切なさ、ひとときの輝き。
昨日の朝の通勤途上、radikoで日曜日放送の山下達郎の「サンデー・ソング・ブック」を聴いていた。いつもは、カルトな曲を流す番組だが、今回は、誰でも知っている“ベタな曲“のリクエスト特集“ベタリク“。最初に放送されたのが「明日に向かって撃て」の主題歌“雨にぬれても“。この曲をバックに、ポール・ニューマンとキャサリン・ロスが自転車で走るシーンは、「明日に〜」を観た人は皆覚えているだろう。
ロバート・レッドフォード主演の映画、一本記事にしていた。「コンドル」(1975年)。これも彼の魅力が大いに発揮されていた。
正統派美男子、ロバート・レッドフォード、ご冥福をお祈りします

