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複数言語のあるAnthem ~ カナダ編

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北中米W杯が3ヶ国共催で開催中である。
このうち、メキシコは最多の3回目('70 '86 2026)、 米国は2回目('94 2026)に対し、カナダは今回が初開催となる。

カナダという国

米国と一緒にしないで

カナダといえばどんなイメージだろうか。
米国の北にあるデカい国で米国と同様に英語圏、MLBやNHLやNBAでは米国と同一のリーグに参加しているからもはやほぼ米国じゃね?―

多分これ言ったらカナダ人はまあまあイラッとするはずだ。というのも現在のカナダは、連合王国ユニオンジャック三色旗トリコロールの両方に忠誠を誓っている国だからだ。ブリテンと喧嘩別れをした米国とはまず歴史が違う。アルバータ州では昨今「米国の51番目の州に!」みたいな声があるとのことだが、これらは基本的にはキワモノ扱いと思って差し支えない。51st Stateは日本と韓国だけで充分だ。

決して無視できないフランス語話者

ご存知の方も多いが、カナダという国は東部ケベック州を中心にフランス語圏だ。というか、最初に欧州の移民でカナダにいついたのはフランスだし、何なら150年以上フランスだった。英国がやって来たのはその後だ。
その辺の経緯はきちんとした教科書で学んでいただくとして、1763年のパリ条約によって、カナダは正式にフランス領から英領へと移行する。
英領になった後も、引き続きケベック州を中心にフランス系の住民が居住し続けた結果、現在に至っている。現在の英語話者とフランス語話者の割合は大体3:1程度。自国民の4人に1人と考えればまあまあボリュームがあるのではないか。カナダではどちらかの話者であれど、公職につくには英語とフランス語の両方を話せないといけない

そんなカナダだが、国歌はどちらの歌詞かといえば、これも何と両方である。しかも、英語とフランス語でメロディは同じで意味が変わる。

まずは英語ver.

O Canada!
おおカナダ!
Our home and native land!
我がふるさとよ、我が祖国よ!
True patriot love in all of us command.
真の愛国心は我々すべてに宿る
With glowing hearts we see thee rise,
我々は光輝く心をもって、汝が昇るのを見つめる
The True North strong and free!
真の北国は強く自由だ!
From far and wide,
四方八方から
O Canada, we stand on guard for thee.
おおカナダ、我々は汝のために守り立ち上がる
God keep our land glorious and free!
神よ、我々の土地を栄光と自由あるよう守りたまえ
O Canada, we stand on guard for thee.
おおカナダ、我々は汝のために守り立ち上がる
O Canada, we stand on guard for thee.
おおカナダ、我々は汝のために守り立ち上がる

National anthem of Canada - Canada.ca
筆者拙訳

続いてフランス語

𝑂̂ 𝐶𝑎𝑛𝑎𝑑𝑎! 𝑇𝑒𝑟𝑟𝑒 𝑑𝑒 𝑛𝑜𝑠 𝑎𝑖𝑒𝑢𝑥,
𝑇𝑜𝑛 𝑓𝑟𝑜𝑛𝑡 𝑒𝑠𝑡 𝑐𝑒𝑖𝑛𝑡 𝑑𝑒 𝑓𝑙𝑒𝑢𝑟𝑜𝑛𝑠 𝑔𝑙𝑜𝑟𝑖𝑒𝑢𝑥!
𝐶𝑎𝑟 𝑡𝑜𝑛 𝑏𝑟𝑎𝑠 𝑠𝑎𝑖𝑡 𝑝𝑜𝑟𝑡𝑒𝑟 𝑙'𝑒́𝑝𝑒́𝑒,
𝐼𝑙 𝑠𝑎𝑖𝑡 𝑝𝑜𝑟𝑡𝑒𝑟 𝑙𝑎 𝑐𝑟𝑜𝑖𝑥!
𝑇𝑜𝑛 ℎ𝑖𝑠𝑡𝑜𝑖𝑟𝑒 𝑒𝑠𝑡 𝑢𝑛𝑒 𝑒́𝑝𝑜𝑝𝑒́𝑒
𝐷𝑒𝑠 𝑝𝑙𝑢𝑠 𝑏𝑟𝑖𝑙𝑙𝑎𝑛𝑡𝑠 𝑒𝑥𝑝𝑙𝑜𝑖𝑡𝑠.
𝐸𝑡 𝑡𝑎 𝑣𝑎𝑙𝑒𝑢𝑟, 𝑑𝑒 𝑓𝑜𝑖 𝑡𝑟𝑒𝑚𝑝𝑒́𝑒,
𝑃𝑟𝑜𝑡𝑒́𝑔𝑒𝑟𝑎 𝑛𝑜𝑠 𝑓𝑜𝑦𝑒𝑟𝑠 𝑒𝑡 𝑛𝑜𝑠 𝑑𝑟𝑜𝑖𝑡𝑠.
𝑃𝑟𝑜𝑡𝑒́𝑔𝑒𝑟𝑎 𝑛𝑜𝑠 𝑓𝑜𝑦𝑒𝑟𝑠 𝑒𝑡 𝑛𝑜𝑠 𝑑𝑟𝑜𝑖𝑡𝑠.

Hymne national du Canada - Canada.ca

筆者はフランス語はさっぱりなので英訳を
(筆者は英語以外のラテン文字言語はイタリック使用派閥なので早くnoteでも実装してほしい…)

O Canada!
おおカナダ!
Land of our forefathers,
私たちの先祖の土地よ
Your brow is crowned with glorious laurels!
額に輝く栄光の月桂冠!
For your arm knows how to wield the sword,
その腕は剣の振り方を知っている
It knows how to bear the cross!
十字架の背負いかたも知っている!
Your history is an epic
その歴史は
Of the most brilliant feats
最も輝かしい偉業の叙事詩である.
And your valour, tempered by faith,
その勇気は、信仰により裏打ちされ、
Will protect our homes and our rights.
我々の家と権利を守る
Will protect our homes and our rights.
我々の家と権利を守る

仏→英 DeepL翻訳:高精度な翻訳ツール
筆者拙訳

引用元のカナダ政府公式サイトもご丁寧に二か国語対応となっている。

何というか英語ver.はプロテスタントみと愛国心パトリオットを、フランス語ver.はカトリックみと権利の主張を感じないだろうか。
やはりカナダは連合王国ユニオンジャック三色旗トリコロールの2つの伝統を継承している。米国とは似ても似つかない

カナダサッカー事情

そんなカナダだが、実は米国と比べるとサッカー熱は高い。そもそもG7で見てもカナダは移民が多く、彼らのサッカー人気がそのまま反映されやすい環境なのだ。

米国のサッカーリーグであるMLSにもカナダから3チームが参加しているが、それ以外にも更にカナダ1部リーグに相当するCPL (Canada Premier League)が存在する。MLSとCPLの直接対決の場もあり、天皇杯さながらのジャイキリが起きた日には、大いに盛り上がる。

国技であるアイスホッケーは防具一式、スケート靴、リンクの使用料などもあり親の経済的負担が大きく、そのあたりもサッカーの競技人口の押し上げに繋がっている。そこは日本の野球の競技人口減少と似た現象と言えそうだ。

代表チームはどうだろう。
かつてバイエルン・ミュンヘンやマンチェスター・ユナイテッドといった名門チームにも所属していた元イングランド代表、オーウェン・ハーグリーヴスという選手がいる。英国人の父とウェールズ人の母の間に生まれたハーグリーヴスは、その出身はカナダ・アルバータ州のカルガリーだ。二重国籍であった彼がイングランド代表を選択したときは、カナダのサッカーファンを敵に回してしまったほどだ。
移民の多いカナダは、二重国籍となる選手がカナダ代表を選択しないという構造的な弱点を抱えているのだ。

そんなカナダ代表は先日、ホームのバンクーバーで前回開催国のカタールを6-0で破り、悲願のW杯初勝利を挙げた。

英語とフランス語、二つの言語を抱える国が自国開催のW杯で初勝利を挙げたのだ。
O Canada が両方の言葉で歌われる日も、そう遠くないのかもしれない―

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