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年末の一人旅は戸隠へ一泊、馬刺しと3種の地酒コースで(中編)

前編

戸隠中社を後に、私は歩き出した。
目的の奥社へは、バスが走っていないからだ。

とは言え、割と車の通りが多い車道。
道の両脇は雪だったので、雪を避けつつ車にも気をつけて、歩いた。こうして歩いていると、改めてリュックの重さが肩にこたえる。
しかし、後に訪れる困難に比べれば、まだまだ序ノ口だった。

しばし歩くと、やがて戸隠奥社の参道入口に到着。そこに来たら、遠くの雪をかぶった山々が雄々しい姿を見せた。私は再び、リュックからカメラを取りだし、露出計を頼りに夢中で撮った。

そして入口近くのトイレでスッキリした後、奥社への参道へ。

戸隠奥社への参道の大鳥居

晴れ渡り、それほど寒くもなく、私は一安心した。道の途中で小用が迫ってきたら、と心配していたのだ。

とりあえず、参道の前半は比較的スンナリ行けた。トレッキングシューズを履いていたにも関わらず、ちょいちょい滑ったのが気になったが、この時点では、さほど心配いらないと思っていた。
私は2台のカメラで、代わる代わる撮りながら道を進んでいった。

やがて道の左右に狛犬、その奥に威風堂々とした門が現れた。カメラに収めつつ、門をくぐると、そこに私が求めていた戸隠の光景が姿を現した。

奥社参道の杉並木

そう、思えば15年前の夏に訪れた時に、この光景に圧倒された。
これぞ、私の戸隠。
やはり、またしても圧倒された。

カメラを構えて撮りまくった。
今こそカメラを使う時だ、と思った。

とりあえず今回の旅の目標を一つ果たしたので、後はひたすらに奥社へと歩を進めるのみ。

やがて、奥社に近づいてきたのか、道が坂になってきた。奥社は小高い山の上だったと記憶している。ここから先はちょっとした山登りになるだろう、と覚悟した。

しかしそこで思わぬ壁が立ちはだかった。
道はいわゆるアイスバーンに近い状態だったのだ。
つまり坂道になると、ツルツルに滑って登るのが困難になる。
道の真ん中は、もはやデンジャーゾーン。下手をすると転ぶのみならず滑り落ちる。周囲の雪がサクサクしている所を何とか登っていったものの、思いのほか時間と体力の消耗が激しい。

現状と時刻とホテルのチェックイン時間を鑑み、私は奥社への参拝を断念し、途中で引き返した。
今度はツルツルの道を下る。
恐る恐る歩くよりも、覚悟を決めて小走りした方が転ばないので、他の客に配慮しつつ駆け下りる。

やがて長い坂道に差し掛かる。
小走りだとツルリと滑るので、さらに腹をくくって加速。距離としてはそんなに長くはないはず。
走る速度が上がると恐怖が襲ってくる。速度を緩めようとすると足が滑る。
私は無我夢中で、映画『カリオストロの城』で急な屋根を猛スピードで駆け下りるルパン三世みたいなスリルを味わった。

幸い、その時はコケず、他の客を巻き込む事なく済んだ。

しかし、その後で派手にすっ転んだ。勢いでリュックの横っちょに入れていた水のペットボトルが落ちたと思われる。
随分後になって気付いたので、もう水は諦めた。
ゴミ増やしてごめんなさい。

そんなこんなで、何とか戸隠奥社入口まで戻り、カメラで夕陽を浴びる雪山を撮った。
そして私は、気を取り直して今夜の宿へと向かった。

続く

2025.12.30

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