さよならバックパッカー inカンボジア⑦
カンボジア3日目。
昨日まで比較的すごしやすかったのだが、急に熱帯らしい暑さになった。
明日はバンコク経由で日本に帰国しないといけない日なので、今日がバックパッカーとして本当に最後の日になるだろう。
今日もバイクタクシーのKさんはニコニコしながら、あまり観光客がいかないようなスポットを、いろいろ回ってくれる。
まだ修復されていない、ある寺院では、現地の人々がお祈りをしている時間に中に入ることができた。
観光用の寺ではなく、現地の人々の日常の現場という空気感だった。
決して派手ではない仏像の前で、名前も分からない民族楽器の音色が、エンドレスで流れている。
何本もの線香の煙が揺らめいている中で、老若男女がじっと祈りを捧げている。
その中の剃髪をした二人のおばあちゃんが、僕と目が合うと、にこっとして果物を手渡してくれたので、遠慮なく受け取った。
まるで、初めて会った孫にちょっとお小遣いを渡すような、染み入るようないい笑顔だった。

広場では、『トトロ』に出てくるような手押しポンプ井戸の周りで、はだしの6~7歳くらいの子どもたちが、びしょぬれできゃっきゃと遊んでいた。
もちろん、主な遺跡周辺の地雷は、最優先で除去されているそうだが、郊外ではまさにこのような子どもたちが、現在進行形で死傷し続けているのだ。
大人が「入っちゃいけない」と言う場所に入りたがるのが子どもだし、見慣れないものが落ちていれば、大人がどんなに警告しても近づいてしまう。
救いがない…。

その横には、オレンジ色の「僧衣」らしき布を巻かれたパパイヤの木が、何本も立っていた。
南米生活のころから、パパイヤの実には、とてもお世話になった。
単に実が落ちないようにぼろ布で包んでいるのか、それとも何か宗教的な意味でもあるのか、Kさんに聞きそびれてしまったのが残念だ。

さよならバックパッカー inカンボジア⑧ に続く。
