この国、会社みたいに運営したらどうですか?──日本株式会社の初代社長・伊藤博文
明治維新のあと。
日本は大混乱でした。
幕府はなくなった。
藩もなくなった。
法律もバラバラ。
お金の仕組みもバラバラ。
今で言えば、
買収した会社に社員が3000万人いて、
部署ごとにルールが違うような状態です。
普通なら逃げます。
しかし。
伊藤博文は引き受けました。
■ 社長不在の会社
明治政府はできたものの、
誰が責任を取るのか。
誰が最終決定をするのか。
まだ曖昧でした。
会議ばかり増える。
責任者がいない。
意思決定が遅い。
どこかで聞いたことがあります。
■ 「社長」を作ろう
伊藤は考えました。
このままでは国が動かない。
そこでヨーロッパへ渡ります。
ドイツ。
イギリス。
各国の制度を研究し、
帰国後に日本初の内閣制度を作りました。
そして自ら、
初代内閣総理大臣になります。
つまり、
日本株式会社の初代社長です。
■ 会議が仕事の人
伊藤は戦場で活躍するタイプではありません。
どちらかと言えば、
制度を作る人です。
憲法を作る。
議会を作る。
内閣を作る。
とにかく会議。
とにかく調整。
現場から見ると、
「また会議かよ」
だったかもしれません。
しかし、
組織は勢いだけでは続きません。
ルールを作る人も必要です。
■ 社長と人事部長は仲が悪い
ここで前回の山縣有朋が登場します。
人事と組織の山縣。
制度と政治の伊藤。
どちらも長州出身。
どちらも超優秀。
しかし、
仲は良くありません。
伊藤が
「国のルールを作ろう」
と言えば、
山縣は
「まず人を育てろ」
と言う。
山縣が
「軍を強くしよう」
と言えば、
伊藤は
「外交を考えろ」
と言う。
会社で言えば、
社長と人事部長が毎日ケンカしているようなものです。
しかも二人とも会社に必要な存在。
周囲はたまりません。
それでも面白いのは、
この二人がいたからこそ、
明治日本はバランスを保てたことです。
片方だけなら、
どこかで暴走していたかもしれません。
■ 国家経営という仕事
伊藤博文は、
巨大な発明をした人ではありません。
戦争で無双した英雄でもありません。
彼がやったのは、
仕組みを作ること。
責任の所在を決めること。
組織を回すこと。
つまり、
国家経営です。
■ あなたの会社にもいるかもしれない
目立つ営業。
派手な企画。
強い現場。
もちろん大切です。
でも、
それらを支えるルールや制度がなければ、
組織は長続きしません。
伊藤博文は、
そのことを誰よりも理解していたのかもしれません。
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