【憲法入門#1】憲法とは何ですか?(憲法総論)
憲法の学習を始めるにあたって、まず「憲法とは何か」についてわかりやすく解説します。
憲法とは何か説明できますか?
「憲法」という言葉を聞いて皆さんは何をイメージするでしょうか。突然、あなたの目の前にいる人から「『憲法』とは何か説明してください。」と言われた時に自他ともに納得する説明ができるでしょうか。憲法は、その国の統治の土台となる最高法規です。一人一人がしっかりと理解しておくことが大切ではないでしょうか。
早速「何がわかりやすくだ。ちっとも分かりやすくないじゃないか。」という声が聞こえてきそうですので、以下でもう少しわかりやすく説明します。
「憲法」という言葉の定義
憲法とは、「国の基本を定め、人権を守るために国家権力を制限する“法の中のトップ”」です。例えば、A国では、憲法がなく王(君主)が自由に政治をしています。そうなるとどうなるのでしょうか。王(君主)は自由に国民を制限する法律を定め、運用し、そしてそれに従わなかった人々を自由に処罰していきます。この事態の恐ろしさは皆さんお分かりなると思います。そうです、王の気に食わない人物は簡単に処罰されてしまいます。もちろん、良心的な王ならばそのようなことにはなりませんが。しかし、良心的な君主ばかりとは限りませんので、どんな王が君臨しても「国民の最低限の人権を守る」ために憲法を制定することで権力を制限するのです。つまり憲法は、「権力に対する法」という側面があるのです。
近代憲法の特質
またも難しそうな言葉がでてきました。言葉の圧に対して中身はそれほど複雑ではありません。以下の3つがあります。
①自由の基礎法
国家権力から国民の人権を守るために「権力を制限しよう」という目的のもと制定される法のことです。
②制限規範
国家権力を制限し、国民の権利を守ろうとする規範のことです。
③最高法規
国の法の中では最も大きな力を持つことです。
①〜③でわかるとおり、憲法には「国民の人権を守るために国家権力を制限する法の中のトップ」という意味が内包されていることがわかります。
法の支配
「法の支配」という言葉を聞いたことはありますか。簡単にいうと、「人を支配するものは法律であり、個人ではない。」というものです。以下の4つがあります。
①憲法の最高法規性
先ほども触れたとおり、憲法が国の法律の中では最も大きい力があるという原則です。
②人権の不可侵性
人の人権は国家はもちろんのこと、他の団体や個人から侵害されたり奪われたりすることがないという原則です。
③適正手続きの保障
国家が個人に対して、何か不利益な処分(刑罰など)を加える際には、恣意的な運用を避けるためにあらかじめ定められた適切なルールの元、適切な処罰の方法をとらなければならないという原則です。
④裁判所の役割の尊重
司法(裁判所)が政治(立法)や行政からの干渉を受けず、公正な裁判を通じて国民の人権を守ることを尊重するという原則です。大津事件が有名です。
【大津事件】
1891年(明治24年)5月11日、日本を訪問中のロシア帝国皇太子ニコライ(のちのニコライ2世)が、滋賀県大津市で警備の巡査・津田三蔵に突然斬りつけられ負傷した暗殺未遂事件。当時の日本政府は外交問題への発展を恐れ津田に対する「大逆罪」の適用とそれに伴う死刑判決を出すように司法に圧力をかけた。しかし、大審院(現在の最高裁判所)の児島惟謙院長らは、日本の皇族に対する罪である「大逆罪」を外国皇族にまで拡大解釈するのは法治国家として許されないと判断し、「謀殺未遂罪」を適用して無期徒刑(無期懲役)の判決を下した。
本回のまとめ
憲法とは「国家の土台を定め、国民の人権を守るために国家権力を制限する最高法規」である。
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