訪れた冬の町、星雪町|空想地名祭
( #ショートショート 本文:732字)
梅雨なのに暑すぎるので、冬の町に旅行したくなった。
公民館の掲示板の隣の電柱に貼りつけてあったポスターに、『年じゅう冬の町、星雪町』とあったので、ここに行くことにした。
場所は、雪国のさらに奥にあるという。いったいどこなん? もうちょっとヒントがほしい。いわゆる北の方かな。
そうしたら、ポスターの下の方に小さく、『住所を忘れた人だけがここにたどりつけます(都市伝説)』と書いてあった。これは大きなヒントだ。
忘れることにかけてプロ中のプロの私は、友人の住所を聞いてもすぐに忘れてしまう。すべてスマホの住所録に入力しているが、数時間すると、友人の顔と名前が一致しなくなり、誰の住所かわからなくなる。そういうときは一期一会と割り切り、いつも初対面、すぐに友人になると決めている。
だが、一番困るのは、自宅の住所がわからなくなることだ。仕事の関係上、転勤が多いので、しょっちゅう引っ越ししているためか、まともに自宅の住所を覚えたことがない。終電を逃してタクシーで帰るときは、住所がわからないので、あうんの呼吸で運転手にわかってもらっている。
そんな私だったら、きっと星雪町にもたどり着けるに違いない。都市伝説をかたく信じて、適当に列車で北へ向かった。
やがて列車は『星雪』に停まる。ホームに降りると冬だ。寒いくらい涼しい(いや、やはり寒い)。この町でバカンスを楽しむ。音のない銀の森。都会にはない静かな木々が声を出さずに語りかけてくる。
光片(ひかりへん)という冷たい星のかけらを拾って手に取る。願いを込めればかなうとか、かなわないとか。瓶に詰めてふたを開けると願いを忘れるらしい。
願いごとはたったひとつ。
バカンスをじゅうぶん楽しんだら、迷わず自宅に戻れますように。

はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
こちらの企画に参加します。
PJさん、楽しい企画をありがとうございます。
よろしくお願いします。
主宰: #PJさん
企画: #空想地名祭
訪れた町: #星雪町
訪れた「星雪町」はこんなところ。
静かでいい町です。

創作大賞応募作品( #私の作品紹介 )
では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。

#いつきさん 、 #賑やかし帯 、いつもありがとうございます。
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