にぎやかな密会
「愛してる」
「ぼくも……」
「ぼくも……の続きは?」
「あおーん」
どこからか聞こえてきた獣の遠吠えに合わせて彼が吠える。
「ぼくも……の続きは?」
もう一度、彼に問う。
「お二人さん、いつもアツアツだね」
どこから現れたのか、酔っ払いが声をかけてきた。
「先輩、ぼくの部屋で飲みなおしますよ」
「わかった。行く」
絡むのをやめてくれて助かった。
彼がかばんの中からプレゼントを差し出した。
「高級品を手に入れたんだ。君の大好物だろ」
「まあ、うれしい。ありがとう」
キャッキャと喜ぶ。これには目がない。
どすんどすん、と大きな物音がする。
「どけ! じゃまだ! やせろ」と厳しい声がして、物音の主は、ふうーっとため息をついた。
「あなた。お風呂にいっしょに入りましょうか」
「いや、風呂キャンセル界隈に住んでるから、ごはんがいい」
「いっしょに露天風呂に入りたかったのに」
彼が風呂を嫌っているのなら、しかたがない。ごはんを先にしよう。
彼の食事はレトルトの高級品。友だちにもらった試供品だけど、彼はおいしいと喜んでくれた。
「わはははは」どこかで笑い声が聞こえる。
「行けー! 打てー!」ナイター中継で応援している人がいる。
少しうるさいが、静かすぎるのより、私は好き。
「愛してるよ」とやっと彼が言ってくれた。
「愛してるわ」と私も答える。
気分が盛り上がってきたところで、また邪魔が入った。
「仲がいいのは結構だが、廊下じゃなく、どちらかの部屋でいちゃいちゃしてもらえませんか」
アパートの管理人に注意された。
いいじゃない。少しくらい廊下でいちゃいちゃしてても。
「ドッグフードの後片付けをしておいてくださいね。それと、バナナの皮はそのへんに捨てないで持ち帰ってね」
彼の名は犬塚犬夫、犬の獣人。私の名は猿渡猿美、猿の獣人。『犬猿の仲』と言われるほど仲がいい。


はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
こちらの企画に参加します。
青山風游さん、いつもありがとうございます。
よろしくお願いします。
主宰: #青山風游さん
企画: #ブルマン企画
お題: #愛してる
二人が住んでいるのはこちらのアパートです。
ドッグフードの試供品は猫田さんからもらいました。彼女はこちらの会社で働いています。
「どけ!」と言っていたのはセミナー講師の鹿口さん。先日、セミナーで人気でした。
アパートの名前は『獣人荘』。今、決めました。
では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。

#いつきさん 、 #賑やかし帯 、いつもありがとうございます。
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