「まだいける」と言う脳と「もう休みたい」と言う体。筋トレを休むきっかけ meiseki OS #9
食事、運動、睡眠。これらはすべて複雑かつ密接に連動しているため、生体を最適化するには、これらの要素を統合して判断し、日々の行動を選択することが重要です。
この連載でお届けしているのは、バラバラに管理されたヘルスケアのデータを一つにまとめ、自分自身の状態を正しく見えるようにする「仕組み(OS)」、meiseki OS の設計思想と開発ストーリーです。今回のエピソードは、疲れているのになかなかトレーニングを休めない、という昭和的な話です。
この記事の要点
疲労回復のため初デロードへ突入。デロードとは、意図的にトレーニングの負荷を落として回復に充てる期間のこと。
HRV(心拍変動)とRHR(安静時心拍数)を並べ直すと、体は「疲れている」という信号を出していたことが判明。
信号が出ていなかったのではなく、それを一つの画面で見る手段を持っておらず、記録は複数のアプリに分かれたままだった。
「休むのが怖い」の分解と、休むと何が起きるかを整理(末尾にガイドへのリンクあり)。
初期ボーナスによる無敵化と勘違い
筋トレを開始した当初、初心者の初期ボーナスに浮かれていました。
やればやるだけ体重が増える。重量も上がる。パンプ感も感じられる。いくら食べても食後の眠気が来ない。
これは無敵だ!と心底思っていました。
しかしながら、本格的に筋トレを始めて9週間後、異変が訪れます。
頭がぼーっとする。体がやたらと重たい。やる気が出ない。
これは疲れなのか?
私には、筋肥大して体重を増やし続けなければいけない使命があり、休む暇なんてない。
もっと重量を上げ、もっと種目も増やしたい。
当時はそう思っていました。
本格筋トレ開始から10週目、体の悲鳴
疲れていても、それが筋肥大に効いているはずだ。
追い込みたいがあまり、その翌週、体の声とは逆の方向へ進みます。
通常のメニューから1種目追加してみるという暴挙に出ました。
当たり前ですが、その日はもう疲労困憊。
それでもまだ、いい感じだと思っていました。
追い込んだ当日の夜は、さぞぐっすり眠れるだろうと考えていたからです。
ところが、その日は逆に、まったく寝付けませんでした。
そして寝不足で迎えた翌日は、筋トレの休息日。
昨日は寝不足だったし体も疲れているから、今夜こそゆっくり眠れるだろう。
そう思っていたのですが、2夜連続で寝付けず、睡眠不足に陥りました。
当然ながら、体は回復しません。
さすがにこれはまずいと考え、すぐにデロードを開始し、回復を優先させました。
疲労が抜けきらない状態でさらに踏み込んだ時期に何が起きるのか。
そこにはオーバーリーチングという名前がついていることを、私はあとになって知りました。
この言葉を先に知っていたら、10週目の判断は違っていたかもしれません。
データを後から並べて分かったこと
この時期は、HRVやRHRをまだダッシュボードに取り込んでいませんでした。
つまり、筋トレの強度は完全に感覚で調整していたことになります。
あとになって、この頃のデータを取り込んだダッシュボードを作成し、振り返ってみました。

体は「疲れている」という信号を、ちゃんと送っていたようです。
ところが、昭和脳が「休むな、お前ならまだやれる」という気合と根性でアクセルを踏み続けていたのです。
「休むのが怖い」を、整理してみたところ
「休むこともトレーニング」という言葉自体は、当時から知っていました。
知っていても、昭和脳は止まりません。
言葉としては納得していても、休むことが後退に見えてしまえば選択肢から外れるか、休むのはまだ先だと先送りにしてしまいます。
そして気合と根性は、判断の基準としては都合が良すぎます。
何度たずねても「まだやれる」という答えしか返ってきません。
そこで、この「知っているのに休めない」を分解して、整理してみました。
結局、私の場合、休むために、
「誰か(何か)に背中を押して欲しかった」
ということがわかりました。
超回復やオーバーリーチングはどう整理されているのか。
何日休めばいいのかという問いに一般論で答えられる部分と、自分の記録でしか答えが出ない部分の境目はどこか。
ガイド記事にまとめました。
▷ ガイド:休むのが怖い、を分解する——「休むこともトレーニング」に根拠を置く
気合ではなく、記録を見る
もしあの10週目に、筋トレの負荷と、HRVやRHRが同じ時間軸に並んでいたら、私の判断は違っていたはずです。
少なくとも、「まだいける」と「もう休みたい」のどちらを信じるかを、気分ではなく記録上のデータで考えることはできました。
meiseki OS は、そのために作っています。
あなたの代わりに、散らばった食事・運動・睡眠・生体データを一つの時間軸に並べて映す仕組みです。
状態のラベルを判定したり、ひとつのスコアに丸めたりはしません。
そして、休むかどうかを決めるのは、私であり、あなたです。
仕組みの役割は、決める材料を隠さないことだと考えています。
※本記事は私個人の体験と、一般的な生理の話であり、特定の食事法・トレーニング法や治療を勧めるものではありません。体調や睡眠、体重の管理に不安がある場合は、医療機関・専門家にご相談ください。
meiseki OS
