【カレッジ活動紹介】 思いをのせて、形にし、届ける ー フェアウェル委員会編
フェアウェルウィークとは?
毎年、約半数のカレッジ生が入れ替わる、SHIMOKITA COLLEGE。
ともに食卓を囲み、語り合い、ときには悩みながら過ごしてきた日々も、気づけば終わりの時期を迎えます。
カレッジでは卒業や退去を迎える時期を「フェアウェルウィーク」と呼んでいます。
普段は少し照れくさくて伝えられない感謝や愛情を、素直に言葉にできる時間。送り出す人も、送り出される人も、この場所で過ごした時間の意味を改めて振り返る時間です。
人それぞれの思いが交差する、カレッジ生活最後の特別な期間です。
目次
フェアウェル委員会とは?
そんなフェアウェルウィークの企画・運営しているのが、フェアウェル委員会です。
「別れ」を最も身近に感じながらも、「感謝」や「愛情」など、さまざまな感情に出会うことができる、とてもあたたかい委員会。
卒業体験をよりよいものにするために、具体的にどのような活動をしているのか、いくつかご紹介します。

① 卒業アルバムの作成
カレッジの1年間を記録した卒業アルバムの作成をします。
アルバム制作はフェアウェル委員会が中心となって進めますが、多くのページはカレッジ生と協力して作成しています。そのため、卒業生だけでなく、在校生も含めたコミュニティ全体を巻き込みながら制作が進められます。
ハウスページ
ハウスのみんなで協力して一つのページを作ります。
1年間築き上げてきたハウスの結束力が発揮される場です。「ハウスBらしいのはこれじゃない?」「ハウスDはやっぱりこれだよね」といった対話を通して、それぞれのハウスのアイデンティティを再認識するきっかけにもなります。
その過程は、帰属意識やコミュニティへの愛着が増すことにも繋がります。

卒業生個人ページ
卒業生一人ひとりがオリジナリティを込めて作成するページです。
2年間の写真をたくさん載せる人もいれば、メッセージを残すことに重きをおく人もいたり、それぞれの個性が強く滲み出るページです。
このページを開けば、いつでも「あなた」に出会える。卒業後も思い出し続けられる、そんなあたたかなページです。

寄せ書きページ
表紙の後ろと裏表紙の前に、寄せ書きページを用意しています。
卒業アルバムの配布後、お互いにメッセージを送り合えること、そしてその送り合った時間を通して、卒業への想いが少しずつ実感として湧き上がってくることを期待しています。日常をともにしているからこそ、別れを実感することが難しい。
日常で伝えるにはちょっと照れくさいことも、寄せ書きページを1つの言い訳にすることで、言葉にして伝えることができます。そうした言葉の積み重ねが、少しずつ別れの実感へと変わっていくのだと思います。
② 卒業ムービーの作成
カレッジ生活最後のイベントとして、毎年卒業式を開催しています。
フェアウェル委員会は、その卒業式の最初と最後を彩る卒業ムービーを制作しています。
卒業式に関する記事はこちら。
オープニングムービー
卒業生自身が2年間の写真や映像を集め、ときには1年目をともに過ごした卒業生に協力を依頼しながら制作します。2年間の思い出を一気に振り返ることができるムービーです。
日常から非日常へと気持ちを切り替え、これから始まる卒業式に向けて、想いを傾ける役割を発揮します。
エンディングムービー
毎年、在校生が制作を担当します。在校生から卒業生へのメッセージを届ける映像であり、近くでともに暮らしてきた仲間だからこその言葉が詰まっています。
カレッジ生活を近くで過ごした思い入れのある在校生からもらうメッセージには、心動かされるものがあり、再生中は、感動が溢れて止まらない時間になります。
この時間が卒業式後の余韻にも繋がり、会場からカレッジに帰ってきたあとの雰囲気作りになったり、伝えきれない想いをなんとか伝えようと筆を取るきっかけになったりします。

③ 卒業生と贈る会
フェアウェル委員会主催で開催する卒業イベントです。
2025年度のタイトルは、「卒業生と贈る会」。卒業生も在校生もお互いに感謝や愛情を「贈り合う」きっかけになったらという思いから、このタイトルに願いを込めました。
日常から別れを感じることの難しさがあります。卒業式のようないつも暮らしているカレッジから離れた場所で開催されるものは、雰囲気の醸成に大きな影響を与えることができるのですが、卒業式が開催されるのは退去日のほんの数日前。慌ただしい別れにしたくない。ゆっくりと名残を惜しみ、想いを伝え合う時間をつくりたい。
そんな思いが、この会の開催に結びつきました。
ディナー『KANPAI』
タレントショー『UTAGE』
メッセージ動画企画『おまもり』
会は主にこの3本立てで開催され、ディナーやタレントショーのような、みんなで盛り上がることのできるイベントと、これまでのカレッジ生活に想いを馳せることのできるメッセージ動画、系統の違うイベントを企画し、さまざまな感情が表出する時間を設計しました。
加えて、イベントの最後に卒業アルバムと卒業文集を配ったことで、卒業生の言葉に触れたり、メッセージを書き合ったり、素敵な余韻が流れていたように思います。


④ 2年間振り返り企画
卒業生ブログリレー(2024年度)
卒業生一人ひとりがそれぞれのカレッジ生活を振り返り、今思うことを綴るブログリレー。2024年度のフェアウェルテーマであった「繋」にちなんで、バトンリレー形式で行われ、約25人の卒業生の想いが繋がれました。
(24年度フェアウェル委員長のあかり:)卒業生の思い出を通してカレッジの過去と現在を繋げる、卒業生の想いを残して未来に繋げる、リレーを通して卒業生同士が繋がる、、そんなリレーを目指して、ブログリレーをスタートを切りました。
24年度ブログリレー、記念すべき第一号の記事はこちら
卒業文集(2025年度)
24年度のブログリレーから着想を得て、作成を決めた卒業文集。
カレッジには「スクラップアンドビルド」という文化があります。
毎年、半分の人が入れ替わり、新陳代謝を大切にしているコミュニティだからこそ、「残す」ことに対して少し控えな姿勢を取っていて、わかりやすくカレッジ生の言葉が残る媒体が、これまであまりありませんでした。
ですが、前年のブログリレーを経て、卒業生の想いが、言葉が、残り続けることは場にとってすごく価値がある。そして、卒業生自身も2年間を振り返り言葉にするきっかけになっていることを感じ、今年はひとつの冊子にすることに決めました。

体験記: チューター&委員長対談
チューター&委員長紹介
2025年度フェアウェル担当チューター / 大門史果(だいもんふみか)
2024年3月〜2026年3月 チュータープログラム2期・3期生
アメリカの大学を卒業後、コーチングサービスのスタートアップにて事業開発に従事。2025年より、映像・ブランディングの会社にて、PM・APを務める。シモキタカレッジには、2024年3月に入居し、チューターとして活動。主にリフレクションや対話の場の設計に注力していました。
2025年度委員長 / 牧野珠実(まきのたまみ)
2024年3月〜2026年3月 レジデンシャルプログラム4期生
青山学院大学 総合文化政策学部 3年生
高校生の時に参加したHLABサマースクールが原体験となり、カレッジに入居。幼い頃からクラシックバレエを習い、大学では舞台芸術・舞台マネジメントを専攻している。カレッジでは、好きなことに目を輝かせる人たちとの出会いから、自分の好きなことに対してよりまっすぐに向き合えるようになった。8月より、米国リベラルアーツカレッジに留学予定。

卒業アルバム、卒業ムービー、卒業イベント。
フェアウェル委員会はさまざまな企画を運営していますが、その根底には共通して大切にしてきた考え方があります。
2025年度フェアウェル委員長のたまみさん、担当チューターのふみかさんの対談を通して見えてきたのは、「思いの発信」「最後を言い訳に」「歴史の継承」という3つのキーワードでした。
1. 思いの発信
ふみか:今年は、フェアウェル委員会のキックオフの時もそうだけど、途中途中も含めて、みんなで思いを共有する時間を大切にしていた印象があったな。
たまみ:ふみちゃん(ふみかさんの愛称)がよく言ってくれていたけど、他の委員会と比較した時に「思いを乗せられる」委員会だよね。でも短い期間の中にやることもたくさんあって、カタカタキチキチする時間も結構あった。その2軸の両立が一番大変だったポイントだったかな。
ふみか:もちろん、ちゃんとスケジュール通りキチキチやるみたいなのも絶対必要だし、イベントをやるとか、形にする・アウトプットするということがある限り、それは必要な要素だよね。でも、今年はちゃんと、それだけになりすぎることなく、ちゃんとチェックインをやるとか、忙しくなってきた時こそ、ちょっとフェアウェルへの思いをみんなで確認するのに時間使った時もあったと思うし。そもそもその両軸を大事にしようと思っていたことが大事だし、それを最後まで忘れずに、毎回調整してたことは、すごい良かったなって思ってた。
たまみ:フェアウェルが作ってたものには、すべて誰かの思いが隠れていたんだよね。だから、例えば、アルバムを渡す時にはデザインを担当した子の思いを共に届けたかったし、イベントを企画する時には主催してくれた子の思いがちゃんとみんなに届く場がほしかった。誰かの影を感じることができると、もっとその「もの」に対しての愛着が湧くからね。

ふみか:たまちゃん(たまみさんの愛称)がエレベーターホールに自分の思いを届けていたり、模造紙を使って思いを共有し合う企画をフェアウェル委員会だけじゃなくて、全体でやっていたり、いろいろなところで思いを伝える、受け取る、の流れが起きていた気がする。けいちゃんがやってくれていた「旅立ちの空模様」(毎週、フェアウェルウィークの様子を伝える広報紙)とかね。
たまみ:そうそう、大漁祭(11月に行われたカレッジのお祭り)の流れから、全体発信の機会は多く設けていたね。


2. 最後を言い訳に
ふみか:カレッジの中でフェアウェル委員会ってどういう役割があるんだろうね、どういう位置付けなんだろう?
たまみ:委員長合宿に行った時に、他の委員長から言われたんだけど、フェアウェル・ウェルカムは常設の委員会なんかじゃなくて、なくなってもいいんだよ。必要不可欠な委員会じゃない。ウェルカムパッケージ渡して、卒業証書渡したら、別に入学と卒業は完了する。でも、大事なのはそこに込められている思いで、それがちゃんと受け継がれているから、残っているんだよって。
ふみか:確かにね。単なる「こと」だけじゃなくて、思いを通して受け継がれているって素敵だね。
たまみ:フェアウェルは、カレッジ2年間の最後の時間だから、みんなすでにこの居住空間に慣れてるし、みんなが日常的に毎日寝て起きて寝て起きてって、何回も生活を繰り返してた場所だから、気づいたら卒業式の日になっちゃった、みたいなことは全然あると思ってて。
だから、ずっと当たり前に流れていく日常の中に『フェアウェルウィーク』を位置づけることで、「これを言い訳にして伝えられるもの」とか、渡せるものとか、新しくできるイベントとか、「最後だしこれやらないか」とかが生まれやすい。そういう意味で、フェアウェルウィークは大事だなと思うんだよね。
ふみか:「最後を言い訳に」って合言葉にしてたもんね。日常の中に、非日常を作ることがフェアウェルの役割なのかな。インスタレーションの時も言ってたけど、日常を味わえるっていうのも大事で、日常を妨げることなく、非日常な要素を作ることが大事だよね。
たまみ:うんうん、居住期間だけじゃなくて、卒業してからの関係性や愛着にも関係する気がする。
ふみか:そうだね、今まで作ってきた関係性が、これから続いていくという意味でもそうだし、みんな2年間、ここで過ごすと決めて入ったわけだから、最後だからもうちょっと頑張ってみようって思うきっかけになったりするのかな。私は結構、フェアウェル委員会だったことで、最後だからを言い訳に、たくさん頑張ることができたなって思う。フェアウェル効果の恩恵を私自身が受けてた。
3. 歴史の継承
たまみ:あとは、フェアウェル委員をやっている期間は、特にカレッジの歴史をよく感じていたなあ。アルバムとかムービーは、2年間の思い出を全員が共有できるイヤーブック的な役割があるから、歴史の1ページを作っている感覚があった。
ふみか:そうね、アルバムを作る過程で過去の写真を振り返ったり、過去年度のものを参考にしたりしていたからね。割と今年は、前の期に対しても、思いを馳せようとしたチャレンジがあったと思ってる。
たまみ:うんうん、今年初でいうと、卒業生と贈る会(フェアウェルイベント)でアラムナイ(卒業生)の方からメッセージをいただいたり、インスタレーションで過去の写真の展示に触れられたりしたね。
ふみか:そうそう、インスタレーションは実際に一緒に居住はしていないけど、この場を作ってきたカレッジ創世期の写真を使った。今こうして私たちが卒業を迎えられるのは、この場を文化を作り、守ってきた人たちの力もあるから、そこへの感謝を向けられる機会も貴重だよね。

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