補遺:双極棋のタイトル戦について
(双極棋については下の記事を参照のこと)
さて、双極棋自体は先刻の記事にてきちんと形にすることができたのですが、まだ物足りませんよね。だって、プロ昇進システムもタイトル戦も無ければ、代表的な棋士もいないんですもの。
そういうわけでここからは、「双極棋界」について想いを馳せます。
プロ制度について
双極棋プロになるためには、「正界公局」という自治組織による認定試験を通過する必要があります。
正界公局は、ちゃんとしていない物事を専門とする機関です。いわば政府の補集合です。超政府。SUPER GOVERNMENT。
認定試験では、正界公局の腕利き棋士三人と対局します。誰かしらが「見込みがあるか、もしくはない」と判断すれば合格となり、晴れてプロ昇進です。
プロに昇進すると、正界公局が主催するタイトル戦に出場することが可能になります。おめでとう。
そして、タイトル戦で好成績を残すと褒賞点が贈られ、その累計に応じて階位(将棋でいう段位)が昇格します。
階位は一階から六階まで存在します。
タイトル戦と現タイトル保持者
将棋には「名人戦」や「竜王戦」、囲碁には「本因坊戦」や「棋聖戦」などのタイトル戦が存在します。これらは優勝すると賞金とともにかっこいい称号がもらえる、すごいイベントです。
双極棋にも、タイトル戦がほしい。
なので、考えました。
楽園戦(楽園守任命戦)
正界公局が主催するトーナメント挑戦手合形式のタイトル戦です。
トーナメントの優勝者と現タイトル保持者が決勝三番勝負を行い、勝者が「楽園守」に任命されます。賞金はぼちぼちの額です。
楽園戦における勝利条件は解放・拿捕のみで、死生判官による救済あがりは認められていません。即ち運要素が絡みにくいため、かなりの実力勝負になります。
現在の楽園守は昊森 甘途(きりはのもり あまみち)五階(3期防衛)です。視情守を駆使した縦横無尽な立ち回りを得意とし、生クリームが主食です。
判官戦(判官任命戦)
楽園戦と同じく、正界公局が主催するトーナメント挑戦手合形式のタイトル戦で、決勝三番勝負の勝者が「判官(ほうがん)」、その敗者は「後判官(おくれほうがん)」に任命されます。実質的なタイトル保持者は判官のみですが、後判官もそれなりにすごいといわれています。判官の賞金はぼちぼちの額、後判官はちょびっとの額です。
この判官戦においては、拿楽による解放あがりが認められていません。よって死生判官による救済あがりか、拿捕によって決着をつける必要があります。楽園戦よりも運が絡みやすいということです。
双極棋界では運の強さが尊ばれるため、楽園戦よりもこちらのほうが大きいタイトルとして扱われています。決勝三番勝負の敗者にも称号が与えられるのはそのためです。
現在の判官は色刷 海良(いろすり かいら)四階、後判官は徒間 三快菊(あだま さんかいぎく)五階です。
海良判官は条理石の出目に応じた柔軟な攻守切り替えが強みで、よく財布を落とします。でもへこたれない。
三快菊後判官は運に頼らない地道なアプローチが持ち味で、競艇予想を生業としています。
統使戦(因果統理局使用人任命戦)
こちらも正界公局が主催するタイトル戦で、リーグ戦の優勝者が現タイトル保持者と決勝五本勝負を行うシステムになっています。
こちらは勝利条件に縛りがなく、解放・救済・拿捕いずれも可能です。
決勝の勝者は「統使(とうし)」に任命されます。賞金はなかなかの額です。
「統使」は「因果統理局使用人」の略称で、「因果統理局」というこの世界の機序を管理する神話上の組織の下手人を意味します。つまりめちゃくちゃすごいということです。
現在の統使は濫觴 戒拿 閏玖(らんしょう かいだ じゅんく)六階です。先手後手どちらに回っても積極的に攻める指し手に定評があり、前科三犯です。
以上の三つのタイトル戦は「公式戦」と呼ばれ、高い位に位置します。
そして以下に説明する二つのタイトル戦は正界公局以外の組織が主催していることから、「公式戦以外」と呼ばれています。
狂人戦(官能芸術倶楽部杯・狂人戦)
官能芸術倶楽部という芸術的な組織が主催するタイトル戦で、プロの部とアマの部、そしてAIの部に分かれています。
それぞれの部でトーナメント戦と決勝三番勝負が行われます。賞金はかなりの額です。
現在の狂人は、
プロの部:相中 休水(あいなか きゅうすい)六階(8期防衛)
アマの部:佐藤 プロ彦(さとう ぷろひこ)
AIの部:人類滅亡ロボ・鏖虐(じんるいめつぼうろぼ・おうぎゃく)
です。
休水狂人は、バカ長い考慮の果てに誰にも予測できない超人的な手を指すことから「歩くWindows Vista」と呼ばれています。
プロ彦アマ狂人は、名前がややこしいです。
人類滅亡ロボ・鏖虐狂ロボは、野球拳のタイトルも保持しています。
廃人戦(崇楽創作会杯・廃人戦)
崇楽創作会という怪しげな組織が主催するタイトル戦で、トーナメント戦の優勝者がそのままタイトルを獲得します。防衛などのシステムはありません。賞金は10ドルです。
一回戦の敗者グループで逆トーナメントが行われ、最後に負け残った一人が優勝者の賞金を支払うことになっています。
廃人戦においては条理石と楽園を用いない特殊ルールが適用されるため、救済・解放あがりは不可能です。なんの運要素もなく相手の拿楽を詰めていくだけの、完全な実力勝負です。
現在の廃人は危 善治(あぶ よしはる)四階(通算99期)です。真っ赤な瞳孔にサングラスを掛けています。黒髪オールバックです。勝ち筋が見えたとかに関係なく、常に手が震えています。
また、上目で相手をにらみつける「アブにらみ」によって対戦相手を投了に追い込むことがあります。
前科は、ありません。
本当に。
本当に。
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