知ってから、何をしたのか~社会福祉法人の問題で問われる小平市の説明責任
市内の社会福祉法人において、介護報酬の不適切受給や賃金未払いの疑いが指摘されている問題で、市民から小平市議会へ請願が提出されました。請願は厚生委員会に付託され、閉会中に審査されることになっています。
※参考記事
請願の内容については委員会で議論されることになりますので、ここでは触れません。
伊藤が今回取り上げたいのは、小平市の対応です。
東京都による調査は現在も継続中です。不正の有無について結論を出す段階ではありません。しかし、市がこの問題をいつ把握し、その後どのように対応したのかは、市民に対して説明されるべき行政の責任です。
そこで伊藤は6月定例会開会中に市の対応について質すため、文書質問を提
出しました。
市は2月17日に介護報酬の疑義を把握
伊藤が行った文書質問に対し、市は、
介護報酬請求に関する疑義は2月17日に把握
賃金未払いに関する疑義は3月4日に把握
したと正式に回答しました。
これまで「いつ把握したのか」は明確ではありませんでしたが、市自ら時期を明らかにしたことになります。
通報後も実施したのは通常監査
一方、市は2月19日に当該法人に対する監査を実施しています。
しかし、この監査について市は、
定期的に実施している一般監査である
と回答しました。さらに、
介護報酬請求及び賃金未払いに関する疑義については、根拠法令や対象が異なるため、調査項目は追加していない
とも回答しています。
この判断が適切であったのかは、今後も確認します。
市民から提出された請願は、行政処分が行われた場合の法人名公表や、法令に基づく適切な措置を求める内容となっています。
伊藤も紹介議員の一人として名を連ねました。
一方で、請願は行政に適切な対応を求めるものであり、市が本件をいつ把握し、どのような判断を行ったのか、その経過を明らかにするものではありません。
また、市長は定例記者会見において本件に関する質問に対し、「この件について私から話すことは一切ございません」と答え、市民への説明も現在まで行われていません。
そこで伊藤は、市の対応を検証するため、別途、文書質問を提出しました。
包括支援センターの契約は継続
市は4月1日、当該法人との地域包括支援センター運営業務委託契約を継続しています。
その理由について、
客観的かつ確定的な判断材料がなく、契約自体が不適切であるとは判断しなかった
と説明しています。
また、この契約締結に当たり、市長・副市長には報告していなかったことも明らかになりました。
議会への報告は「報道の可能性」が契機
今回の回答で特に印象的だったのは、議会への情報提供についてです。
市は、4月6日に議会へ口頭で情報提供した理由について、
報道で取り上げられる可能性があったことから、市議会への情報提供が必要と判断した
と回答しています。
一方で、市民への公表は現在も行われていません。
問われているのは説明責任
今回の記事は、法人の不正を断定するものではありません。
その判断は東京都の調査結果を待つべきです。
しかし、市の対応については別の話です。
いつ把握したのか。
どのような監査を行ったのか。
なぜ包括支援センターの契約を継続したのか。
なぜ議会への情報提供は4月6日だったのか。
なぜ市民には現在も説明が行われていないのか。
これらは東京都ではなく、小平市自身が説明すべき事項です。
請願は厚生委員会に付託されました。
伊藤も紹介議員の一人として名を連ねていますが、市議会議員としての役割は、市の対応が適切であったのかを検証することにあります。
委員会では、感情論ではなく、時系列と事実に基づいて、市の説明責任をしっかりと確認します。
