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スマホを置いて、辞書を開こう|知識が血肉に変わる「遠回り」のすすめ│不便さ#1

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検索をやめて、辞書や人に聞いてみる

—— 答えが遅れてやってくることの、ちょっとした贅沢


何か分からないことがあれば
僕たちはすぐに検索する。


ポケットからスマホを取り出して
指を滑らせれば、
だいたいの答えが目の前に出てくる。


そこには“速さ”がある

だけど、たぶん“物語”はない

その日、僕はスマホを使わずに
疑問を解決してみようと思った。

たとえば
「オートミールって、
どうやって食べるのが正解なんだろう?」

そんな、ちょっとした疑問を。

まず本棚の隅にあった古い料理本をめくってみた。
ページの端が少し黄ばんでいて、
どこか懐かしい匂いがした。

「栄養価の高い穀物です」と、
やさしい文字で書かれていた。

次に、近くの八百屋のおばちゃんに聞いてみた。
「それなら、ミルクと一緒に煮て
塩をひとつまみ入れるといいよ」

そう言って笑った顔には
検索では出てこない説得力があった。

帰ってきて、自分なりに工夫して作った。
検索すればもっと正確なレシピは
出てくるかもしれない。

でも

その“遠回りの時間”には、静かな満足があった。

答えがすぐに出ないことは、不便かもしれない。

でもその不便さが“自分で考える”
という時間を与えてくれる。

辞書を引くこと
誰かに聞くこと
試してみること。


そういう一連の行為が
知識に血を通わせる。

たぶん、僕たちは“すぐわかること”に、
少し疲れている
のかもしれない。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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