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🎧針を萜ずせば、い぀かの颚景 Pt. 104〜『オヌル・シングス・マスト・パス』が瀺す静かな力

ここは、ずある街の音楜奜きが自然ず集たる喫茶店「フォックストロット」。
UKロックを愛するマスタヌ・カズヒコのもず、駆け出しの銅版画家アミ、そしお䞭孊時代からの芪友で音楜雑誌ラむタヌのナキヒロが、ずきおり立ち寄っおは、レコヌドずコヌヒヌを肎に静かで熱い音楜談矩を繰り広げおいる。


ゞョヌゞ・ハリスン 『オヌル・シングス・マスト・パス』 1970幎


ゞョヌゞが、぀いに解き攟ったもの

カズヒコ「今日は、ゞョヌゞ・ハリスンの『オヌル・シングス・マスト・パス』を取り䞊げようず思っおさ。アミ、このゞャケット芋たこずある」
アミ「ありたす、マスタヌ。モノクロで、草原に座っおるや぀ですよね なんか静かな感じで  でも逆に匷さもあるような雰囲気で。」
ナキヒロ「あれは象城的なんだよ。ビヌトルズでは“寡黙なギタリスト”ずしお扱われおいたゞョヌゞが、぀いに自分の音楜を党面解攟したっおいう蚌拠みたいなゞャケット。静かに芋えお、内偎は燃えおるんだ。」
カズヒコ「そう。1970幎の発衚で、3枚組のボリュヌム。ロック史に残る“解攟の倧䜜”だよ。圓時、ゞョヌゞはビヌトルズの枠を超えたかったんだろうな。」
アミ「マスタヌは、最初に聎いたずきどう感じたんですか」
カズヒコ「“あ、ゞョヌゞっおこんなに曲あったんだ”っお衝撃だったよ。ビヌトルズ時代は、レノンマッカヌトニヌの圱で、圌の曲があたり採甚されなかったろ その抑圧が䞀気に花開いた感じ。」
ナキヒロ「うん。実際、ビヌトルズ埌期でもゞョヌゞの曲はクオリティが高かった。“Something”ずか“Here Comes the Sun”ね。でもこのアルバムは、それ以䞊に䞖界芳が広くなっおる。」
アミ「たしか“匕き出しがたくさんある人”っお感じがしたす。やさしい歌もあれば、ちょっずスピリチュアルな曲もあっお。」
カズヒコ「そのスピリチュアルさが、このアルバムの栞かもしれない。ゞョヌゞは圓時、むンド哲孊ずか犅の思想に深く傟倒しおお、“物事は移ろう、過ぎ去る”っおいう考え方を音にしたんだろうね。」
ナキヒロ「タむトル曲“All Things Must Pass”はたさにその思想そのもの。浮き沈みはあるけど、すべおのものはやがお過ぎる。あの曲、萜ち着いおるのに、聎くたびに胞に響く。」
アミ「なんずなく“受け入れる匷さ”みたいなものを感じたすね  。前向きずも違うけど、逃げおもないずいうか。」
カズヒコ「そうそう。ゞョヌゞの声っお、優しいのに芯がある。それが哲孊的な歌詞に合っおるんだよ。」
ナキヒロ「しかもこのアルバム、フィル・スペクタヌがプロデュヌスしおる。あの“りォヌル・オブ・サりンド”が、ゞョヌゞの楜曲に分厚い奥行きを䞎えおるんだ。」
アミ「あ、たしかに音が広がる感じがしたす。森の奥に吞い蟌たれおいくみたいな  。」
ナキヒロ「詩的な衚珟をするようになったじゃない、アミちゃん。音に察する感性が育っおきおる。」
アミ「えぞぞ  マスタヌにいろいろ聎かせおもらっおるからです。」

名曲の宝庫ず、ゞョヌゞの祈りの圢

カズヒコ「名曲の話をしおいくずキリがないんだけど、たず“Isn’t It a Pity”は倖せないよな。」
ナキヒロ「あれは凄い。人間の䞍完党さ、すれ違い、悲しさ  そういった感情を淡々ず、だけど深く描く曲。2バヌゞョン入っおるのも象城的だよね。」
アミ「同じタむトルなのに、曲の雰囲気が党然違いたすよね」
カズヒコ「そうそう。アレンゞの違いで、芖点が倉わる。ゞョヌゞの“人間芳察の鋭さ”みたいなものがあらわれおるず思う。」
ナキヒロ「そしお“Beware of Darkness”。これは個人的にゞョヌゞの最高傑䜜のひず぀だな。危うさ、誘惑、心の曇り  そういう“闇”に気を぀けろっお譊告しおる。」
アミ「でも暗いっお感じじゃなくお、なんか祈りの歌みたいです。」
カズヒコ「ゞョヌゞは、闇を吊定するんじゃなくお“認めた䞊で距離を取る”っおいう考え方をしおたんだよね。そこがレノンやマッカヌトニヌず違うずころ。」
ナキヒロ「実は“Apple Scruffs”なんお曲も奜きでさ。ゞョヌゞがアップル本瀟前に集たる熱心なファンたちに向けお曞いた曲。」
アミ「ファンに向けた歌なんですか」
ナキヒロ「そう。“よくそこに立っおたね、ありがずう”っおいう小粋なメッセヌゞ。ゞョヌゞらしい、静かな優しさが詰たっおる。」
カズヒコ「そしおなんず蚀っおも“My Sweet Lord”。ゞョヌゞの代衚曲にしお、䞖界的な倧ヒットになった曲だよ。」
アミ「あれっお祈っおるみたいな曲ですよね。聎いおるず心が萜ち着きたす。」
カズヒコ「そう。党䞖界の宗教の垣根を越えた“祈り”のむメヌゞがある。ゞョヌゞが求めおいた粟神性が、あの曲に凝瞮されおる。」
ナキヒロ「1970幎っおいう混沌の時代に、ああいう“内偎に向けた祈りの歌”がヒットするのはすごいこずなんだよ。ロックなのに、怒りや砎壊じゃない。静かで深い祈り。」
アミ「今聎いおも、党然叀く感じたせんね。」
カズヒコ「むしろ時代が圌に远い぀いた感じだな。人の心が揺れる時代ほど、“All Things Must Pass”の意味は重くなる。」
ナキヒロ「そうだね。喜びも悲しみも、すべおは過ぎおいく。だからこそ、人は優しくなれる。ゞョヌゞはそのこずを、音ずしお残した。」
アミ「  なんか、今日垰り道に聎きたくなりたした。」
カズヒコ「いいね。アミがこのアルバムをどんなふうに感じるのか、たた教えおよ。」
ナキヒロ「きっず、聎くたびに違う衚情が芋えるアルバムだからね。ゞョヌゞの深さに、ゆっくり觊れおみお。」 


次回䜜・・・

ロヌリング・ストヌンズ『レット・むット・ブリヌド』 1969

■登堎人物

  • カズヒコ52歳。喫茶店「フォックストロット」のマスタヌ。UKロックに詳しく、レコヌドコレクタヌ。

  • アミ26歳。りェむトレス兌、駆け出しの銅版画家。矎倧卒で個展開催が倢。音楜はマスタヌの圱響で興味を持ち始めた。

  • ナキヒロ52歳。音楜雑誌のラむタヌでカズヒコの䞭孊時代からの芪友。店にふらりず珟れおはブラックコヌヒヌを飲む。

※喫茶店「フォックストロット」の名前は、ゞェネシスの同名アルバムに由来。
 

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