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【じーじは見た!】後編:サナエノミクスの一丁目一番地「責任ある積極財政」の下での「骨太の方針」の胆を探ってみた!

Z世代応援団、未来世代応援のじーじです!

さて、今回は、責任ある積極財政の胆として、日本成長戦略会議の会沢委員の理論とスタートアップや中堅企業のスケールアップのボトルネック解消を議論しているスタートアップ政策推進分科会の資料を確認しています。

本編は後編です。前編の会田理論も読んでいただけると嬉しいです。


4️⃣ GPIFのオルタナティブ投資への期待

 「代替的(Alternative)」という名前の通り、株式・債券といった伝統的な資産ではない投資対象の総称です。

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の大切な年金運用において、目利き力が求められるオルタナティブ投資は、厚労省の運用ルールとしても現時点では慎重であり上限5%としています。

その歴史も浅く、この10年ほどでルール整備を行ってきました。

スタートアップ政策推進分科会(第2回)資料3より抜粋①

2014年度、「オルタナティブ投資課」を設置(当初4名)⇒オルタナティブ投資専門の部署を設置
2020年度、「法務室」を設置⇒個別性の高いオルタナティブ投資に対する法的支援を実施
2023年度「オルタナティブ投資部」を設置 ⇒CIOの下で、オルタナティブ投資部門と法人全体の運用リスク管理部門の重層的なリスク 管理体制を構築 ⇒2025年度初時点23名。法務部門とあわせると34名で、全職員187名の約2割に相当
2025年度「データ分析専門チーム」を編成⇒分析体制を強化
・第5期中期計画期間中(2029年度まで)に、オルタナティブ投資の人員体制を強化

・第4期中期目標期間(2020年度~2024年度)では、個別投資案件のモニタリングを強化。
・運用受託機関との対話を通じて、ファンドに対して公正価値評価(時価)の導入を促進。
・2023年度、超過収益獲得の蓋然性が高いファンドの選定や評価・分析する分析手法を開発。
・2025年度、オルタナティブ資産のデータ収集・管理を実施する委託会社を選定。定量的分析を通じた投資判断の精度を高めるために必要なデータベースを構築予定。

スタートアップ政策推進分科会(第2回)資料3より引用①

国内投資不足への起爆剤としてGPIFのお金は魅力的です。
次期中期目標で上限引き上げ(例:10%)が議論される可能性は十分にあるのではないでしょうか?

私は、5年前にGPIFのお金を植林木(森林という資産)に投資してほしいよと夢のようなことを囁いていました。

他のインフラ投資と違い、針葉樹の植林であれば、超長期の資産(50年間)として樹木は太り生長(成長)を続けます。
年金資金の運用にぴったりでしょ?

スタートアップ政策推進分科会(第2回)資料3より抜粋②
スタートアップ政策推進分科会(第2回)資料3より抜粋③
スタートアップ政策推進分科会(第2回)資料3より抜粋④

GPIFさん、もっと国内資産に投資してよ!

5️⃣ のれん償却の論点

日本企業が、大企業も中小企業もM&Aによって成長することの支障になっていると言われているのがIFRS(国際財務報告基準)にはなく、日本の会計基準では求められている「のれんの定額償却」です。

これにはいろいろな背景があると思いますが、日本基準(J-GAAP)の特徴として、①のれんは20年以内で定額償却が必須、②償却費は 販管費(営業費用) に計上されるため営業利益を直接押し下げることが挙げられます。

これでは、買収した瞬間から PLが重くなるため、 特に上場企業は「営業利益の見栄え」を非常に気にするので、 M&Aに踏み切りづらい動機が働いてしまいます。積極的なM&Aには負の影響が出てしまいます。

そのため、スタートアップ政策推進分科会では、次の論点が議論しています。

1. のれんの非償却を導入(選択制)
のれんの償却と併せてのれんの非償却も認める選択制を適用する。
2. のれん償却費の計上区分変更
現在、販売費及び一般管理費として営業費用に計上しているのれんの償却費を営業外費用もしくは特別損失に計上する。

スタートアップ政策推進分科会(第2回)資料2より引用

のれんとは、買収する際に目には見えない①ブランド、②顧客基盤、③社員の優秀さ、④技術力、⑤組織文化などの価値を無形資産としてプレミアムを付けて買収することから生じる純資産額との差額のことです。

つまり、のれんとは目に見えない価値に払ったお金(買収価格 − 会社の純資産の差額)のことです。

バブル崩壊は、巨額ののれん・含み損問題でもあったことから、これが強い教訓となってできたのが日本基準(ルール)です。
そして、今でもニデック不正会計問題で明らかになったとおり、
・減損テストは経営者の裁量が大きい
・減損の判断が遅れやすい
・投資家保護にならない

といった考えがあるのに加えて、日本には「のれんの価値は逓減する」という考えが根強いのです。

つまり、
・ブランド力
・顧客基盤
・社員の優秀さ
・技術力
・組織力
といった無形資産は、永続的ではなく、時間とともに劣化するという前提の下でルールができているのです。

ただ、のれん償却費の計上区分変更なら折衷案として、多くの方の賛同を得られるのではないのかと思っています。良い論点での検討が進んでいます。ニデック問題が悪い影響を与えないことを祈ります。

理由も分からず野党は反対するなよ!

6️⃣ スタートアップで働く者の扱い

スタートアップの価値を最大化するためにも、スピードが重要です。
経営スピード重視でやるべきスタートアップ時は、とことん頑張って働かなくてはならず、大企業同様の働き方改革(長時間働かせない改革)を適用していたのでは世界と勝負できません。

法定労働時間(1日8時間、1週間40時間)、法定休日、時間外及び休日労働、割増賃金に関する労働基準法における原則の中でも、
1)新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務については、時間外・休日労働の上限が適用されない。【法第36条11項】
2)労働者数10人未満の商業、接客娯楽業等の事業場は、特例事業場として、1週間の法定労働時間を44時間とすることができる。【法第40条】
との例外規定がある他、

週40時間の範囲内で労働時間を弾力的に配分できる措置
①変形労働時間制
②フレックスタイム制

みなし労働時間制度
①事業場外みなし労働時間制(例:具体的な指揮を受けない外回りの営業
②裁量労働制
専門業務型裁量労働制⇒例:弁護士、公認会計士等
企画業務型裁量労働制(企画、立案、調査及び分析の業務)

労働時間規制の適用除外措置
①高度プロフェッショナル制度
⇒例:金融商品の開発、ファンドマネージャー、証券アナリスト、コンサルタント
②管理監督者(経営者と一体的な立場にある管理職)⇒例:都市銀行の支店長、本部の課長
③機密の事務を取り扱う者⇒例:職務が経営者等の活動と一体不可分である秘書
※①の導入に際しては、年収を1,075万円以上とすることや本人同意等が必要。

さて、こんな法令の下でスタートアップで働く者はどう働いていけばいいのでしょうか?

厚労省が準備した資料には、「スタートアップ企業で働く者や新技術・新商品の研究開発に従事する労働者の労働基準法の適用に関する解釈について」のタイトルで、こんな記述がありました。

1.労働者への該当性について
(中略)
明示的に役員と判断できる役職がない者であっても、
① 組織において特定の部門に在籍せず、職位(職務の内容と権限等に応じた地位)等も与えられていないために、業務遂行上の指揮監督・指示系統に属していない
創業時のメンバーなどで、明確な役割分担もなく、創業者と一体となって事業の立ち上げの主戦力として経営に参画するというような実態にあって、上記の判断要素に照らして、使用従属性が認められないと考えられる者については、労基法上の労働者に該当しないと考えられる

スタートアップ政策推進分科会(第2回)資料3より引用②

分科会議論を見ていると、未来の飯のタネを育てていくことに対して、何でも「反対」「反対」とヒステリックに言っている方が楽ですし、スタートアップの数を増やすこと自体は楽ですが、それを育ててスケールさせることはいかに難しいかが分かります。

実は0→1よりも1→10、10→100のスケールアップの方が難しく、経営者の力量と法令措置に影響されるということです。

30年無成長の呪縛に挑む高市首相の頑張りに期待しています。

頑張れ高市首相!

頑張れZ世代!

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