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気候変動問題の盲点⑮:植林事業を魅力的にするために木材需要を増やそう!

植林が気候変動緩和にとって効果的だと分かっていても、持続可能な事業としての魅力に欠けるために、植林は、人々の善意の寄付に頼っています。

事業植林の魅力を増していくためには、木材需要の創造が重要です。

今回は、木材を活用した高層住宅も出てきている木材構造物の可能性を見ていきましょう。

✅森林・林業白書にヒントが⁉

林野庁が公表してくれている「森林・林業白書」は、本当に日本の林業の持つポテンシャルや課題をおっちゃんのような素人さんでも理解できるように書いてあるよくできた白書だと思います。

最初の40数ページに及ぶSDGsに関連した特集は、日本の森林産業だけでなく、世界の、いや、地球全体の事業植林のマネタイズを考えさせてくれるヒントがいっぱいです。

お役所仕事の白書と言えば、前例踏襲の読む気がしない白書が多い中で、林野庁の白書は秀逸だと思います。

時間がある人は、是非読んでもらいたいです。

SDGsって何?と、ご存じない方は、小学生に笑われますよ。今の小学生は低学年から教科書で学んでいますよ。直ぐに調べてくださいね。

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さて、このグラフは、白書から抜粋させてもらいました。戦後日本は、焼け野原になった資源のない国土で、ハゲ山になっていた森林の再生のために、大規模な植林を行いました。60年以上も前の植林資源を今現在活用させてもらっているわけです。

右のグラフ②の黄緑色の棒グラフの横軸に1と書いてあるのは齢級です。

木の年齢を5年で一塊にしたものです。

グラフ②の左端、54年前の229万haの植林資源が、緑色の現在の11齢級の植林資源159万haとして残っているのです。

今、おっちゃんたちは、ご先祖が植林してくれた財産をただ伐採して活用しているだけです。それでは、未来の人に残す植林資源がなくなる一方です。

現在の1齢級(グラフ②の左端 緑色の棒グラフ)の植林面積を見てください。7万haです。

つまり、50年後の未来の11齢級の植林資源面積は、今の159万haから最大でも7万haに減ることが、既に分かっている未来なのです。

どうしてそんなことになっちゃたんでしょうか?

植林が事業として経済価値を生まないので、寄付やボランティアに頼っているからです。

✅植林の事業価値を上げるためには、木材需要増が不可欠!

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植林に経済価値を持たせるためには、木材を使った用途を開発して、木の需要を伸ばしていくことが必要です。

その需要は、環境負荷の高い素材や部材との置き換えによって生まれていけば、社会的課題を解決しつつ、経済的価値も高まっていきます。

海洋プラスチックゴミ問題は、レジ袋有料化という人々の行動を変える動きにつながりました。

化石燃料起源の原料から自然由来の木材資源を原料に転換していくことが、木材の需要を伸ばし、経済価値を高めていくことにつながります。

そうなれば、植林が事業としての魅力を持つようになるハズです。
この写真は、森林・林業白書から抜粋したものです。

日本マクドナルド株式会社では、持続可能な社会を実現するため新規出店及び改装時に木造建築への切り替えや、外装での木材の利用を進めることを決定し、2019年12月、京都府京都市で国産木材を外装材に活用した第一号店となる「五条桂店」の営業を開始しました。

また、右の写真は、IT企業の株式会社ドリームアーツが、エンジニア及びデザイナーがクリエイティブに仕事ができるよう、東京本社及び広島本社の机椅子たなを木製にした様子です。同社によれば、社員の評判も良く、リクルーティングにも効果が出ているそうです。

木材を見直す動きは少しずつ出てきていますが、植林が事業として魅力的になるまでには力不足です。


✅木造建築のイノベーション

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米国と日本では集成材の定義が異なるそうですが、OSBやパーティクルボード、LVL、CLTといった木材を貼り合わせて作った構造材が集成材です。

最近では強度の増した集成材が、木造の高層住宅の建設を可能にしています。

大東建託株式会社は、2019年10月からCLTを用いた木造4階建ての集合住宅販売を開始しました。

同社では、同規模の鉄筋コンクリートづくりと比較して温室効果ガス排出量が、15%減少した他、炭素貯蔵量が二酸化炭素換算で120トンあると試算しています。

また、工期も約半分に短縮されて、独自開発の金物や壁パネル等の技術により現場作業の省力化も可能だとのことです。

三菱地所株式会社は、株式会社竹中工務店の設計と施工により、2019年2月、宮城県仙台市に木造及び鉄骨づくりを組み合わせた10階建ての集合住宅を竣工しました。

鋼材と木材双方の特性を活かし、工期短縮や軽量化を図っておりCLTを活用した中・高層建築物の木造化モデルとなっているそうです。


これまで5階建て以上の木造建築物は、基本的に鉄骨づくりや鉄筋コンクリートづくりとの混構造であったのですが、2018年3月に新潟県新潟市において、山形県の株式会社シェルターが、国土交通大臣認定を取得した木質耐火部材による5階建ての純木造集合住宅を建設しました。

このように木材の需要を喚起する機運は高まりつつあります。次回も木材用途拡大の可能性をみていきましょう。

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