はじめて保育の世界に立つあなたへ新採保育士・保育学生のための、やさしい保育note
保育士になりたい。
子どもと関わる仕事がしたい。
子どもの成長をそばで見守れる仕事って、
素敵だな。
そんな気持ちで保育の道を選んだ人も多いと
思います。
でも、実際に保育の現場を想像すると、
「子どもたちとちゃんと関われるかな」
「保護者対応って難しそう」
「ピアノや製作が苦手でも大丈夫かな」
「先輩みたいに動ける自信がない」
「実習で何を見たらいいのかわからない」
そんな不安が出てくることもあります。
それは、あなたが保育の仕事を大切に
考えているからこそ、不安になるのだと思います。
このnoteは、新採保育士さんや、保育士を目指している学生さんに向けて書いたものです。
難しい専門用語を並べるよりも、
「明日から少し安心して保育に入れる」
「実習や現場で見るポイントがわかる」
「子どもとの関わり方を少しイメージできる」
そんな内容を目指しています。
1. 保育士の仕事は「子どもを見ているだけ」
ではない
保育士の仕事というと、
子どもと遊ぶ仕事、
お世話をする仕事、
安全を見守る仕事、
そんなイメージがあるかもしれません。
もちろん、それも大切な仕事です。
でも保育士の仕事は、それだけではありません。
子どもが安心して過ごせるようにすること。
自分の気持ちを出せるように受け止めること。
友だちとの関わりをそっと支えること。
生活の中で「できた」を増やしていくこと。
保護者と一緒に子どもの育ちを見守ること。
保育士は、子どもの毎日の中にある小さな育ち
を見つける仕事です。
たとえば、
昨日まで泣いて登園していた子が、
今日は少しだけ手を振れた。
給食を食べなかった子が、
今日は一口だけ口に入れてみた。
友だちのおもちゃを取ってしまっていた子が、
今日は「かして」と言えた。
制作が苦手な子が、自分からクレヨンを持った。
大人から見ると小さなことかもしれません。
でも、子どもにとっては大きな一歩です。
その一歩に気づけること。
それを一緒に喜べること。
それが、保育士の大切な役割です。
2. 最初から完璧に動けなくていい
新採の頃や実習中は、どうしても周りの先生がすごく見えます。
子どもへの声かけが自然。
次の準備が早い。
泣いている子への対応が上手。
保護者ともスムーズに話している。
それを見て、
「自分は全然できていない」
「何をしたらいいかわからない」
「迷惑をかけているかも」
と思ってしまうこともあると思います。
でも、最初から先輩と同じように動けなくて
当然です。
保育は、教科書を読んだだけでできる仕事
ではありません。
毎日の子どもの姿を見て、失敗して、振り返って、少しずつ身についていく仕事です。
最初に大切なのは、完璧に動くことでは
ありません。
まずは、
子どもの名前を覚える。
一日の流れを覚える。
危ない場所を知る。
困ったらすぐに聞く。
言われたことをメモする。
子どもの表情を見る。
それだけでも十分大切な一歩です。
「何もできなかった」と思う日もあるかも
しれません。
でも、子どもの名前をひとり覚えたなら、
それは前進です。
昨日より一つ流れがわかったなら、それも
前進です。
保育は、一気に上手になるものではありません。
毎日の積み重ねで、少しずつ見えるものが
増えていきます。
3. 子どもを見るときは「できた・できない」だけで見ない
保育の現場では、つい結果に目が向きます。
片づけができた。
座って話を聞けた。
給食を食べられた。
友だちと仲良く遊べた。
反対に、
片づけなかった。
走り回っていた。
泣いていた。
手が出てしまった。
そう見えてしまうこともあります。
でも、保育で大切なのは、結果だけを見ること
ではありません。
その途中に、子どもが何を感じていたのか。
どこまで頑張ろうとしていたのか。
何に困っていたのか。
何を伝えたかったのか。
そこを見ることが大切です。
たとえば、片づけをしなかった子。
ただ「片づけができない子」と見るのではなく、
遊びを終わらせたくなかったのかな。
次に何をするのかわからなかったのかな。
片づけ方がわからなかったのかな。
先生に気持ちを受け止めてほしかったのかな。
そんなふうに見ると、声のかけ方が変わります。
「早く片づけて!」ではなく、
「まだ遊びたかったね」
「このブロックはどこに戻そうか」
「先生と一緒に一つだけ片づけてみようか」
と、子どもの気持ちに寄り添った関わりが
できます。
子どもは、できないのではなく、
まだ途中にいることがたくさんあります。
保育士は、その途中の姿を見つける仕事です。
4. 子どもとの関わりで大切なのは「正解の声かけ」より「安心感」
保育を学んでいると、
こういう時は何と言えばいいの?
泣いている子にはどう対応すればいいの?
友だちとトラブルになった時はどうすればいいの?
と、正解を知りたくなることがあります。
もちろん、声かけの引き出しは大切です。
でも、子どもにとって何より大切なのは、
「この先生は自分を見てくれている」
「この先生のそばにいると安心する」
「困った時に助けてくれる」
と思えることです。
たとえば、泣いている子にすぐ言葉を
かけられなくても大丈夫です。
そばに座る。
目線を合わせる。
背中をさする。
「悲しかったね」と短く伝える。
落ち着くまで待つ。
それだけでも、子どもには伝わります。
保育は、うまい言葉を言うことだけでは
ありません。
子どもの気持ちを急がせず、受け止めよう
とする姿勢そのものが、安心感になります。
新採のうちは、気の利いた声かけが
できなくても大丈夫です。
まずは、子どものそばにいること。
子どもの表情を見ること。
子どもの気持ちを決めつけないこと。
そこから始めれば大丈夫です。
5. 保護者対応は「上手に話す」より
「安心してもらう」
新採さんや学生さんが不安に感じやすいものの
一つが、保護者対応です。
何を話せばいいのかわからない。
うまく伝えられるか不安。
質問されたらどうしよう。
失礼な言い方にならないかな。
そう感じる人も多いと思います。
でも、保護者対応で大切なのは、立派なことを
言うことではありません。
保護者が知りたいのは、
「うちの子は園でどう過ごしているのか」
「先生はちゃんと見てくれているのか」
「安心して預けていいのか」
ということです。
だから、最初は小さな一言で十分です。
「今日は園庭でたくさん走っていました」
「ブロックを高く積んで、とても嬉しそうでした」
「給食の時、苦手な野菜を一口食べてみようとしていました」
「朝は少し涙が出ましたが、そのあと絵本を見て落ち着いて過ごせました」
このような具体的な姿を伝えるだけで、保護者は安心します。
大切なのは、子どもをよく見ていることが伝わることです。
反対に、気をつけたいのは、
「今日も泣いていました」
「全然食べませんでした」
「お友だちとトラブルになりました」
だけで終わらせてしまうことです。
事実を伝えることは大切です。
でも、そのあとに、
その後どう過ごしたのか。
どんな援助をしたのか。
少しでも頑張ったところはあったのか。
そこまで伝えられると、保護者は安心しやすく
なります。
6. 記録は「文章力」より「見たことを残す力」
保育日誌や連絡帳、実習記録を書くとき、
文章が苦手。
何を書けばいいかわからない。
毎日同じ内容になってしまう。
書くのに時間がかかる。
そんな悩みが出てきます。
でも、保育記録に必要なのは、きれいな文章を
書く力だけではありません。
大切なのは、
子どもの姿を見て、
何が起きて、
どんな気持ちがありそうで、
保育者がどう関わったのかを残すことです。
たとえば、
「今日は外遊びを楽しみました」
だけだと、少しぼんやりしています。
でも、
「園庭で砂場遊びをしていると、Aくんがスコップで穴を掘り、『トンネル作る』と話していました。Bちゃんが隣で砂を運び始めると、二人で顔を見合わせて笑いながら遊ぶ姿がありました」
と書くと、子どもの姿が見えてきます。
記録を書くときは、次のポイントを意識すると
書きやすくなります。
いつ
どこで
誰が
何をしていたか
どんな表情だったか
どんな言葉があったか
保育者はどう関わったか
次にどうつなげたいか
全部を書こうとしなくても大丈夫です。
まずは、心に残った一場面を具体的に書く練習から始めると、記録は少しずつ書きやすくなります。
7. 実習中・新人のうちに見ておくといいこと
実習や新採の時期は、覚えることが多すぎて、何を見たらいいかわからなくなることがあります。
そんな時は、次の視点で現場を見ると学びやすくなります。
子どもの姿を見る
どんな遊びが好きなのか。
困った時にどう表現するのか。
友だちとどう関わるのか。
眠い時、お腹がすいた時、疲れた時にどんな姿に
なるのか。
子どもの姿には、その子を理解するヒントが
たくさんあります。
先生の動きを見る
先生はどのタイミングで声をかけているのか。
危ない場面をどう防いでいるのか。
泣いている子にどう関わっているのか。
活動の切り替えをどうしているのか。
先輩の動きには、保育の工夫がたくさん詰まって
います。
環境を見る
おもちゃはどこに置かれているのか。
子どもが自分で片づけやすい配置になっているか。
危険な場所はないか。
子どもが落ち着ける場所はあるか。
保育は、声かけだけではありません。
環境の作り方も大切な保育の一つです。
8. 困った時は、ひとりで抱え込まなくていい
保育の現場では、迷うことがたくさんあります。
子どもが泣き止まない。
ケンカが起きた。
保護者にどう伝えたらいいかわからない。
活動がうまく進まない。
自分の関わりがよかったのか不安になる。
そんな時、ひとりで抱え込まないことが大切です。
保育はチームで行う仕事です。
わからないことを聞くのは、恥ずかしいことではありません。
確認することは、子どもの安全を守るためにも必要なことです。
新人のうちは、
「今の対応でよかったですか?」
「こういう時はどうしたらいいですか?」
「次は何を準備すればいいですか?」
「この子の様子で気をつけることはありますか?」
と聞けることが、とても大切です。
聞くことは、できない証拠ではありません。
学ぼうとしている証拠です。
9. 保育で大切にしたい5つのこと
最後に、新採さんや保育学生さんに大切にしてほしいことを5つにまとめます。
1. 子どもを急がせすぎない
大人のペースで見ると、子どもはゆっくりに見えることがあります。
でも、子どもには子どものペースがあります。
できるようになる前には、
見ている時間、
迷っている時間、
試している時間があります。
その時間も、成長の一部です。
2. できない姿の中にある頑張りを見る
泣いている。
怒っている。
座っていられない。
友だちとうまく関われない。
その姿だけで判断せず、
その奥にある気持ちを想像することが大切です。
3. 安全面は遠慮せず確認する
保育で一番大切なのは、子どもの命と安全です。
少しでも不安なことがあれば、自己判断せずに確認しましょう。
「これくらい大丈夫かな」と思った時ほど、先輩に聞くことが大切です。
4. 保護者には具体的な姿を伝える
「元気でした」だけではなく、
何をしていたのか、
どんな表情だったのか、
どんな成長が見られたのかを伝えると、保護者は安心します。
5. 自分のことも大切にする
保育は人と関わる仕事です。
子どもの気持ちを受け止めるには、保育者自身の心の余裕も大切です。
疲れた時は疲れたと感じていい。
わからない時は聞いていい。
落ち込む日があってもいい。
完璧な先生になる必要はありません。
学び続ける先生でいれば大丈夫です。
おわりに
保育の仕事は、簡単な仕事ではありません。
思い通りにいかない日もあります。
自信をなくす日もあります。
「向いていないのかな」と思う日もあるかもしれません。
でも、子どもがふと笑ってくれた時。
昨日できなかったことが、今日少しできた時。
「先生」と呼んでくれた時。
保護者から「ありがとうございます」と言われた時。
その一つひとつが、保育の仕事の大きな宝物になります。
新採だからこそ見えることがあります。
学生だからこそ感じられることがあります。
経験が浅いからこそ、子どもの小さな変化に素直に驚けることもあります。
焦らなくて大丈夫です。
最初から全部できなくて大丈夫です。
子どもをよく見て、
わからないことを聞いて、
一つずつ経験を重ねていけば、
あなたの中に少しずつ保育の力が育っていきます。
このnoteが、これから保育の世界に入るあなたの背中を、少しでもやさしく押せたら嬉しいです。
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